手帳

2008年10月09日

来年の手帳が並ぶ季節になった。
毎年のように父から同じ手帳を買うように頼まれていた。
10年以上同じメーカーの手帳を使っていた。
何の変哲もない薄い黒い手帳。
シンプルで一番使いやすい、と言っていた。

最近の私の手帳に書き込まれる予定は、
大切な人たちのお誕生日とピアノのレッスン日以外は
試合の日程と結果だけになっている。
仕事は毎日忙しい。
プライベートを楽しむには、寝る時間を削るしかない。
それでも試合だけはなんとか、と思う自分がいる。
手帳に書かれた試合結果は今年は散々だ。
どんなに良い試合だったとしてもスコアはただの数字でしかない。
それでも、その瞬間に一喜一憂したことはしっかり刻まれている。
来年の手帳にはどんな数字が並ぶのだろう?
楽しみ、と言っておこう(笑)


今の仕事は私の一番好きなことではない。
こらえ性のない私にはそれだから良いのかな、とも思う。
好きだからしたい、と思うことが、しなければいけない、に変わったら
きっとキツイのだろうなぁと思う。
好きだけど、やりたくない時だってあるだろうし、
どんなに頑張っても、思った通りに出来ないこともあるだろう。
もし、私が音楽を仕事にしていたら、きっとやめてしまっていただろう。

そうわかっていても、自分が一番好きではないことを仕事にしていることが
時々嫌になることもあった。

でも、
父の死を経験して、自分の仕事に対する考え方が少し変わった。

薬で人の命を救うことはできない。
病気を治すこともできない。
だけど、苦痛を和らげることはできる。
だから、その薬を安心して飲んでもらえるように手渡すのが私の仕事。
最後に患者さんが気持ちよく帰ってもらえるように「お大事に」の一言を言うのが私の仕事。
ちっぽけな仕事だけれど、
私じゃなくても出来る仕事だけれど、
父が私になって欲しかった薬剤師という仕事は
結構ステキな仕事なんじゃないかと思い始めている。
「だから言っただろう」と笑う父の顔が浮かぶような気がする。

「今年もあの手帳を買わなきゃ」と娘が言った。
「もしかしたらおじいちゃまが何かを書き込むかもしれないよ」と笑った。

今年も、あと少しで終わるんだね。
今年が終われば、また来年が始まるだけ。

いや、別に深い意味はないさ(笑)


post by LUNA

21:45

呟き コメント(2)

この記事に対するコメント一覧

rocket2号

Re:手帳

2008-10-10 16:33

よいお仕事じゃないですか。 そして、よい娘じゃないですか。 お父さん、空の上で鼻高々ですよ、きっと。 お仕事、頑張って続けてくださいね、 そして、音楽も。

LUNA

Re:手帳

2008-10-19 20:39

>rocket2号さん いろいろ、頑張ります。 かなり凹んでおりますが・・・(^^; 頑張りましょう。 きっと、来年は良いことがありますよ!!

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