ウルチカ・パスってご存知ですか?

2008年01月30日

今日の日本代表のサッカーを観戦していて、頭に浮かんだのが「ウルチカ・パス」でした。

古い話で申し訳ありませんが、三菱ダイヤモンドサッカーという番組が現TV東京系で放映されていた際、この「ウルチカ・パス」は、当時黄金コンビだった「金子アナ&岡野俊解説」で初めて耳にした言葉でしたが、チェコのサッカーの代名詞だそうで、ウルチカとは「小道」とかそういう意味の言葉だそうです。

で、岡野大兄の言を借りると、サイドに開けばいいのに、チェコのサッカーは伝統的に「小道=ウルチカ」を通すようなサッカーを好むという説明でした。

今日の日本代表のサッカー観戦していると、岡田監督の標榜する「接近・展開・連続」という言葉の「接近」しか感じられず、ふと「ウルチカ・パス」という言葉が思い出された訳です。

ここでボールを「展開」すればいいのにとか・・・。

結論から言えば、オシム前監督が目指そうとしていたサッカーの2歩も3歩も後退した印象を受けました。

岡田サッカーとオシム・サッカーの違いはTV観戦がいちばん分かりやすいと思います(VTRで観られる方はぜひ比較してみてください)。

サッカーを生で観戦すると、ボールが動いているサイドとは逆サイドなどにフリーランニングする選手がいる場面に出くわすことがあります(コンサは少ない・・・笑)。
ところが、TVで観ていると、ボールを中心に放映されていますので、そうしたフリーランニングする選手は映りません。したがって、そうしたフリーランニングした選手がゴール前に突然現れると、それは「驚き」に変わります。もちろん、ゴールに絡めば「賞賛=感動」に変わりますが・・・。
そうした「驚き」のプレーの「連続」がオシム・サッカーが目指すものでした(と、私は思っています)。

簡単に言うと、オシム・サッカーではこうしたフリーランニングが多様されているため(強いられていると言った方が正確?)、「驚き」とそれにつながる「感動」があるわけですが、岡田サッカーには残念ながらありません。

初戦のチリ戦でもいくつか短いパスがワンタッチ、ツータッチでいくつかつながり、ペナルティ右にはっていた巻にパス、しかしトラップで手間取っている間にチリのディフェンスにスライディングされクリアされていました(放送では、日本びいきなのか、ペナルティだのなんだと言っていましたが、あんなのでペナルティとってたらハンドボールのオリンピック予選と変わらなくなります)。

この場面、左に駒野だったかなぁ? 誰かフリーの選手がいたと記憶していますが、そこにパスが出ないのが岡田サッカー。出ればオシム・サッカーと考えれば分かりやすいかもしれません。

今日の前半は、その繰り返しで、ボールは支配していても得点が入る気配が全くありませんでした。

で、巻の負傷退場で山瀬が入って(?)、CKでラッキーなことにボスニアのディフェンスがマークを外し、山瀬がシュートをミスキック、ところが山瀬は何か持っているのか、それが中澤へのパスになって初得点。

というわけで、前半は点差ほどには見るものはありませんでした。

ところが、後半は「元コンサ選手」の大活躍で3点も挙げてしまいました。

ここからは、単なるコンサ・ファンになりますが、2点目は今野が味方がボールを奪われた後、しつこく追って、ボールを奪ったことで生まれた得点でした。TVの放映を観ると大久保から山瀬にパスが渡り、得点したシーンしか映りませんが、この得点はその前で頑張った今野選手のファインプレーだと私は思っています。

3点目は、速いリスタートから播戸がヘディングでせったこぼれ球を山瀬がフリーで得点。

全得点に元コンサの選手が絡んでいることに、単純にカミさんと手を取り合って喜んでいました。やはり岡田監督の「人情」なんでしょうか? どこかで元コンサ選手を使ってくれるのかなぁ? 山瀬、今野、播戸と、昔を知る選手が次回のタイ戦でも活躍してもらえる(使ってもらえる)ことを期待しています。

さて、最後に岡田サッカーに対する私の結論ですが、残念ながら「3-0」という、一見快勝に見えますが、前回のチリ戦同様、「つまらないサッカー」「スペクタクルのないサッカー」「ダイナミックさのないサッカー」というのが私の印象でした。

おそらくW杯予選初戦のタイには勝つと思います(心情としてはもちろん勝ってほしいと思います)が、日本の将来のサッカーという意味では、今日のサッカーは残念なサッカーでした。

ハーフタイムに映ったオシム前監督の姿を見て、「もしできるなら・・・」と、元コンサ選手の活躍同様、「死んだ子の歳を数えるように」オシムさんの監督姿を見てみたいとつくづく思いました。


post by akoakuts

21:22

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