大宮を斬る!

2006年12月11日

前に書きましたように、新潟-大宮戦をスカパー観戦しました。本当の所は新潟を見ようとしたのですが、三浦監督の就任が噂されていましたので、ついつい大宮中心に見てしみました。2004年から気付いてましたが、大宮のDFの特徴は下記のように4-4-2のフラットです。ボールのある位置によって、8人がセットで動き、マス目の領域を守るゾーンデフェンスで相手スペースをなくす事を目標とする守備です。8人で動くので、守備の形が縦にめちゃめちゃコンパクトでスペースがない。細かいパスまわしのできないチームはロングフィードで裏を狙うしかない。”ボールを奪いに行くコンサ”に対して”相手ミスを待つ”タイプだと思います。まぁ、横浜とか水戸と同じタイプですね。



思い出しましたが、2004年に厚別で対戦して、コンサはこの守備を全く崩せず、90分後ろからロングフィードを撃ち続けました。これほどおもしろくない試合は記憶にありません。自分は勝手に”アルディージャ・ウォール(大宮の壁)”と名づけたもんです。

この守備を選ぶ理由は”一番疲れない効率的な守備””選手によって疲れ方が変わらない。均一的な守備”とおっしゃっているようです。言っていることはすごーくよくわかる。でも、なんかね・・。考え方がヤンツーとは全く正反対なような気がするわけです。ヤンツーは疲れるなら”走れるように厳しい練習をしろ”というタイプでしたし、実際、選手も口々にコンサの練習はきついと愚痴こぼしてました。

ヤンツーが頑固にプレッシングサッカーとポゼッションサッカーにこだわった理由はひとつ。”個の育成”。ジュビロ時代から若い選手達を育てるのに生きがいを感じているようなコメントを出してました。もし、うちのチームがベテラン揃いだったら、この仕事は引き受けなかっただろうなと思います。

私的な意見ですが、攻撃は別として、このスペースを埋める守備では”個の成長はない”と断言します。1対1をやることが限りなく少ない。だから、我々には見えない選手同士の勝負が出来ない。試合に勝とうが負けようが、それとは別の悔しさや喜びがあったりしてると思いますよ、1対1の勝負には・・。試合以外のところでのメンタル面の成長も損なわれると思いますよ。もちろん技術やセンスも・・・。決められた動きしかしないわけですから、同じ絵を描くために苦労して考えてきたものが・・・絵をトレースするだけでよくなってしまう。あまり良くないと思う。

HFCの社員はヤンツーのサッカーを引き継ぐことが条件といっているらしいですが、この真っ向から違うサッカーを選択している監督の名前が上がることがわからんのです。だからと言って、反対運動を起こすつもりがあるわけではないです。もし決まるのであれば、信念を曲げずに監督の好きなようにやっていただいて結構だと思います。

ただサポーターとしては、どういうことを目指していくのかHFCに訴えていくべきだと思います。自分は攻撃的だろうが守備的だろうが、コンサの戦術が文化になり、それを一つになって支えていければいいです。ただ、5段階計画が継続中であるならば、若手の育成はトップチームの成績とは別に考えていただきたいと思います。

ただし、砂川君や西谷君が仮にいなくなったとしても、勝つ可能性が高いのは、この守備かもしれません。ヤンツーの作った中盤のポゼッションとこのフラットDFが組み合わせれば、周りのチームのほとんどが今のコンサと同じように育成型。すなわちアクションサッカーをしているので、その間隙を縫ってJ1昇格は可能だと考えます。今年の横浜FCのように・・。

私は完全にこの守備がだめです。新潟-大宮戦を見て、大宮の選手が10m前のフリーの選手にプレスに行こうとして思い出したように自分の領域に戻った瞬間、体が受け付けないのに気付きました。それは私がバスケット選手であったためのトラウマです。プレスDFが主のチームだったこともありますが、たとえチームの守備が引いても、私は1人でディレイ(相手の攻撃を遅らせるためにボールにチェックにいくこと)する役目でしたので、つねに相手にプレスする選手生活をしていました。また選手の目線でシュミレートできたりもします。運悪く、上記の瞬間をシュミレートしてしまい、すっかり嫌気が差してます。

自分はそうですが、みなさんはみなさんの考えがあるでしょう。まずは試合を見て、いろいろ議論していきましょう。それが大事だと思います。やっぱ千葉の掲示板とか見てるとレベル高くて・・。色々な意見をぶつけあって”札幌のサッカー文化”を高めていくことがもっとも重要だと思います。とにかく勝てば観客が増えて、負けると減るの当たり前の繰り返しに疑問を持ってます。それならサッカーじゃなくても良いような気もするし・・・・。もっと大事なことがあるような気がする。



post by z-press

17:08

MANEGER-監督 コメント(4)

この記事に対するコメント一覧

スーパー通りすがりマシーン

Re:大宮を斬る!

2006-12-11 23:32

初めまして。 ご説はご説として気になることがあります。戦術論についてではありません。また、Z-press様のサッカー観を否定するものでもありません。 虫酸が走る、吐き気がするという物言いについてです。プロの仕事に対して「虫酸が走る」「吐き気がする」と蔑んだとき、相手はどのような気持ちでこの言葉を受け止めるでしょうか。三浦監督には三浦監督なりの信念があり、三浦監督なりのサッカー哲学に基づいて監督業に情熱を注いでいる筈です。それを、自分が親しみを持つ観念から外れるからと言って悪し様に言ってよいものでしょうか。 自戒の念も込めて、所詮、我々素人は分析的、あるいは感情的にしか物事を判断できません。故に、プロの仕事の結果について完全な裁定を下せないのではないか、ということを感じました。

z-press

Re:大宮を斬る!

2006-12-12 00:17

>スーパー通りすがりマシーン さん 確かに表現は悪かったですね。あとで修正します。 >それを、自分が親しみを持つ観念から外れるからと言って悪し様に言ってよいものでしょうか。自戒の念も込めて、所詮、我々素人は分析的、あるいは感情的にしか物事を判断できません。故に、プロの仕事の結果について完全な裁定を下せないのではないか、ということを感じました。 これを言ってしまうと、ブログや掲示板の存在意義を全て失ってしまいます。こういった議論も含めてのコンサドーレだと思いますし、逆に盛り上がる部分もあるではないでしょうか?

通りすがり@一触即発?

Re:大宮を斬る!

2006-12-12 23:19

たびたび失礼します。不しつけな私のコメントに対して丁寧な対応、恐縮です。 少し私の言葉が足りなかったようですね。私も札幌のサッカー文化が高まってほしいですし、そのために議論を戦わせることは大切だと思っています。それが建設的なものであればですけども。でなければだだの荒れスレになりかねませんから。 私の自戒の念も込めて云々、に補足を加えると…、ここでは素人という言葉にこだわらせてもらいますが、私も含めて素人は無知蒙昧の輩などではありません。コンサについて十分な知識を持っています。試合観戦を存分に楽しんでいます。素人なりに懸命に物を考えています。が、それでもよくわからないことが起こる訳です。 その、よくわからないことにうまく対応できないときに、ある人は感情の波に流されるまま自分とは違う考えの持ち主を異教徒かのように白眼視したり、ある人は訳知り顔の気取り屋になって鼻の辺りをピクつかせて、自分の理論を展開するための小道具にサッカーを使いだしたりする。 結果的に他チームサポに自慢できる高いレベルのブログとは程遠い代物と化してしまう危うさをはらんでいるのではないかという危惧ですね。 ところで、今日はブログ巡りしました?ほら、例の元気な女の子がまたひと騒動起こしたじゃないですか。 私は嬉々としてその野次馬の輪に加わってみたんですけど(彼女を支持!)、ブログやネットの意義について思うのは面白ければ少しくらい反則でもOKって言うことと、何でもありの世界ではあるけど何をやってもいいわけじゃない、という二律背反的な考えとうまく付き合うことですかねぇ。私的には。

z-press

Re:大宮を斬る!

2006-12-13 10:11

なるほど言いたい事はよくわかりました。でも、私がこのサッカーで”体が受け付けない”のは事実なんです。本当にその部分だけでイライラする。来季、このままのサッカーが来たら、リトリートしたサポ活動を余儀なくされるでしょうね(笑)。 あくまでも、それは個人の問題で。みなさんにはもっと能動的になってもらいたいという趣旨のエントリーなんです。何も分からないまま”全てを受け入れる”のはどうかな?と思ってます。 失礼とは思いながら返答とは別に続けさせてもらいます。こそっと・・・。 最近ショックだったのはJ1のチームの強化費がのきなみ10億円以上使っていることです。コンサがJ1に上がって分配金が上がったとしても、借金がある以上、せいぜい半分強くらいが妥当な強化費になると考えてます。だとしたら、J1定着は難しい。私は戦術によって、それがまかなえると思ってましたが・・。 天皇杯で千葉に勝ったことによって、逆にJ1の厳しさを思い知らされました。心身共に消耗した選手を見て、もっと楽に勝てないとリーグ戦では耐え切れない。どうしても”個の力”が必要だと考えるようになりました。要するに金。結局いい選手は金のあるチームに取られてしまう。申し訳ないが、きっと甲府も落ちてくるでしょう。 エレベーターを繰り返すのも一つの手かもしれませんが・・・、その過去が2回あって現在は存続の危機が訪れているわけですから、得策とは思えないわけです。降格するということは負け続ける1年があるということで、たいがいそこで観客動員を失います。 昇格レースに参入しても、観客動員は2003年の開幕戦の23,000人がマックスだと思います。過去の満席の動員数は”ドーム景気”が含まれての話ですから・・。そこはHFCも認めてしまってますから・・。 ならば、J2であっても興行を成功させる事を考えるしかない。ヤンツーのサッカーのようにスペクタルなサッカーをするか、アスレチック・ビルバオのように純血主義のチームを作るのも一手かもしれません。 そうこうさせているうちに選手の育成を恒常的に続けていかなければいかない。なにしろ倍のコスト・パフォーマンスを作るというマジックを使わなければならないわけです。 とにかく、サポが勝つ負けるだけにサッカーの面白さを求めていたら、コンサは非常に厳しい状況に追い込まれるのではと危惧しています。 サッカーの面白さはそこだけではないので、四方八方に手を伸ばして、新しいサッカー文化を作っていかなければならないと思ってます。なんとかそこに役立てたい、そう思ってブログを続けてます。 以上が私の隠していた現実的な考えなわけですが、いい意味で裏切って欲しいです。来季は(動員が)厳しいスタートになると思います。負け続けても我慢できたのは柳下監督のという精神的な支柱があったから・・。天皇杯の活躍は非常に嬉しいのですが、活躍すればするほど・・・。その後が心配になったりします。 時間がないのも確か。いろいろ妥協しても一度J1に上がらなければならないかもと思ったりもします。

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