【第6節】サクラ舞い散る室蘭の風に

2007年04月02日

未だ開花宣言すら出ていない北の大地に颯爽と上陸してきた桜軍団。その先頭には、葉生い茂る緑から花を咲かせた都並敏史監督。

さて、第6節です。朝、虎杖浜温泉の民宿を発ち、知人の車で室蘭駅まで送られて、入江へ。送ってもらって再度登場した知人を含め、大人5人+小学生ひとりで、アウェイ側メインスタンドB自由席での観戦です。バックスタンドが椅子かされて久しい入江競技場でもっとも入江らしいのがメインスタンド両脇の芝生席ではないでしょうか?
そんな訳で試合開始前は、3月とは思えない陽気の室蘭入江競技場でお裾分けの「やきとり」(実は豚串)を頬張りつつ、桜も来てるし気分は“花見”。


さて試合の方は前半と後半でがらりと変わる展開で、前半は立ち上がり、コンサドーレがガンガン攻めてコーナーキック(湘南戦では前半1本も無かった)を得たり、元気が元気とは思えないぐらいに、ゴール前で華麗な切り返し(周囲からほぼ同時に“おぉっ!”と声があがるぐらい意外性あり)を見せるものの、その後は逆に差し込まれて波状コーナー攻撃を受ける。
ただお互い最後のツメがなく(足りないのではなく“無い”)、次第にグダグダJ2マターリモードへ移行。どちらかといえば点が取れたのはコンサの方ですが、得点の気配も無ければ失点の雰囲気もないという感じ。

前半の半ば過ぎから気温が急激に下がり、というか風が吹いて体感温度が下がり、前半半袖だったブルーノ・クアドロスが長袖のアンダーシャツでピッチに登場。一方、セレッソは凶暴でもなければ敏捷でもない外国人(風貌だけみればシャネルズ並)では物足りなかったのか、凶暴さ100倍のゼカルロス投入。さすがの凶暴外人相手では、画伯のキラー技も通用せず、ゴール裏で再三、危ないシーンを作られる。ただ、前線からのチェイシングでゴール前まで攻められる回数が少ないのと、ペナルティエリアの中でもパスを繋ごうとする相手攻撃陣のおかげで、ゴールを割られることは無かった。
今のコンサドーレの守備陣を見る限り、攻撃のカタチで崩すより、拙速でもいいから数多いシュートをガンガン打った方が確率が上がると思うのだが、きっと都並の美学に反するのでしょう。
いつの間にか腕まくりで半袖モードのブルーノが、ヘッドでクリアにいったのに空振りするという“見せ場”があったためか、我らがソダンも後半はスペクタルなく堅実でした。ただ、センターサークル付近から突然上がっていったときは“をいをいをい”でしたが(曽田が流れで上がるのは久しぶりに見た気がする)。

得点シーンは後半30分。西谷のクロスに競り合った中山が相手DFとともに倒れ、仰向け倒れたまま、後ろから上がってきたカウエに、チョンとボールを転がして、それをドリブルで持ち込んでシュートしたのが、サイドポストにあたってゴールしました。ただし、このシーン逆サイドからはよく解らず、突然ゴール左隅に、ボールがコロコロと転がり、セレッソDFががっくりと頭を落としたのが見えて、オウンゴールかセレッソの誰かに当たって入ったのかと思いましたが、後で映像で見ると、ボールを受けたカウエは相手には触らせずにシュートまで持っていき、見事というほかはありません。
ただポストに当てるあたりは、コンサドーレに馴染んできた証でしょうか。あの位置でドリブルというのはここ数年のコンサドーレの選手にはまずない選択肢で、見ているほうも想像できませんでした。

点が入ってからは、セレッソが怒涛の反撃を見せるかと思いきや、攻撃の時間は多くなったものの(札幌が守備的になったのも要因)、前半と同じくゴール前で時間をかけすぎるパターン。しかも前半はデカモリシ電柱化計画一辺倒だったのが、ゼカルロス起点に変更になり、さらにチョコマカ動き回るチビモリシ作戦に変更になったため、デカモリシはコンサ攻撃陣内で孤立してしまうという展開。もっとも、後半は風が強くなり(しかも通常とは逆で、陸から海へ、つまりコンサが風上)、まさに神風が吹いていました。

残り数分となってからは、最終ライン上で元気がヘッドでディフェンスしているという、守備的FWの第一人者らしい活躍で凌ぎきり、1-0で室蘭では4年ぶり、Jリーグ加入後ではチーム新記録となる5試合連続無失点で勝利。上位2チームの試合が無かったため、暫定ながら2000年11月以来の首位となりました。無論、一日天下で終わるもの、コンサドーレではデフォルトです。いまの札幌には、暫定でない一位になることは夢ではないと思いますので、いずれ実現してくれるでしょう。


この記事に対するコメント一覧

コメントする