狂った歯車を元には戻せない

2008年04月25日

関塚隆氏が川崎フロンターレ監督を辞任した。

今年の川崎フロンターレ(以下、川崎F)は、開幕までは優勝候補に挙げられるほど戦力が充実していると評判だった。ジュニーニョ・チョンテセという前線に、中盤に中村憲剛に加えて、レンタルから復帰したフッキを加えた布陣というのは、戦う相手にとっては脅威どころか恐怖すら感じる。

ところが開幕戦、昇格組のヴェルディにドローという苦しいスタートを迎えた。この試合はナマで観ていたのですが、攻撃陣は確かに揃っていたものの、互いの連携に乏しく、噛みあっていなかった。相手がフッキを知り尽くしたヴェルディというのも川崎Fにとって運が悪かったのかもしれない。

その後、ジュニーニョの日本国籍取得への動きなど、いいニュースもあったものの、起用法による意見の相違からフッキの退団、関塚監督自身の体調不良による入院など、悪いニュースが相次ぎ、とうとう辞任にまで至ってしまった。

関塚氏の川崎Fにおける経歴は、J2優勝(04年)、J1準優勝(06年)、ACL決勝T進出・ナビスコ杯準優勝(07年)と、まさに川崎フロンターレの栄光とともに刻まれてきた。ただ、J1ではタイトルが一つもないことから、時には「無冠」というありがたくない肩書きが付けられる事があり、それは当人も意識していたと思われる。

そのあたりの微妙な圧力や、フッキ退団のきっかけとなった選手交代など、徐々に関塚氏の体調に影響を及ぼしたと推察される。室蘭でのナビスコ杯で、大橋を下げた交代も第三者的に見て不思議に感じた。歯車というのは小さな狂いでも廻しつづけるとその振動で思わぬところを破壊したり、小さかった狂いがどんどん拡大して、最後は歯車を全て破壊してしまうことがあります。歯車自体が壊れてしまったら、全て取り替えるしか方法はありません。

川崎Fの戦力はフッキが去った今でも強大である。ただ、チームの精神的支柱を失った影響はゼロではない。いま川崎Fは岐路に立っていると思う。


関塚氏、いずれウチの監督になって欲しい人でした。派手そうには見えない風貌もウチ向きだと思うのですが・・・。


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