高校選手権決勝 盛岡商業(岩手) 2-1 作陽(岡山)

2007年01月08日

優勝候補が次々に消えて、決勝は共に初優勝を目指す高校の組み合わせになりました。昨年の野洲や、平山がいた時の国見に比べてスター候補はいませんが、岩手vs岡山という非常に新鮮味のある決勝戦となりました。強豪県として知られている静岡や千葉、九州などが活躍できなかったのは、党首のおっしゃる通り、Jクラブのユースに人材が流れているからでしょうか?ちなみに、決勝の主審はあの家本氏でした。

作陽は三回戦で室蘭大谷にPK戦の末勝利しています。その試合では手厚いポゼッションから7番宮沢君などのサイド攻撃が機能していました。決勝も1トップの桜内君の下の二列目に個人技のある3人を並べてきました。
対する盛岡商業は作陽よりもフィジカルに優れているチームという印象。後ろに体格のいい選手、前にスピードのある選手を配置している感じでしょうか。
試合はまずボールを保持する作陽に対し、盛岡が前線から厳しくプレスをかけます。これに対する作陽DFの対処が不味く、前半から何度かボールを奪われてピンチに持ち込まれていました。作陽もセットプレーなどで何回か決定機を掴みますが、後一押しが出ずに無得点で前半終了。前半目立ったのが作陽の8番立川君。ボランチの位置から左足で鋭いパスを前線に供給していました。後でFKを右足で蹴っていたように見えましたが、もしかしたら両利き?
動きの少なかった前半でしたが、後半開始から作陽は負傷していたエース村井君が入り、勝負をかけてきます。すると後半11分、右SBの桑元君が持ち上がり、村井君にパス。PA手前でボールを受けた村井君は見事なターンで前を向くと強烈なミドルシュート!バーに当たったこぼれ球を桑元君が押し込んで作陽が先制します。1点を追う盛岡はさらに前線の運動量がアップし、作陽ゴールに迫ります。後半19分、PA内で作陽DFが反則をしてしまいPKのチャンスでしたが、これは11番の林君が狙いすぎてポスト左に外してしまいます。しかし、後半26分に左サイドをえぐった大山君が折り返すとPKを外してしまった林君が合わせます。1本目は当たり損ねでしたが、諦めずに再プッシュして汚名挽回の同点ゴール!これでいけいけになった盛岡に対し、作陽は前線の選手に疲れが見えてきました。先制の立役者の村井君もその後は沈黙したまま、盛岡DFに封じ込められてしまいました。すると後半40分、盛岡は左サイドを再び突破すると、最後は千葉君が合わせて逆転。見事に岩手県勢初となる優勝を達成しました。
勝敗を分けたのは、後半の戦いにも見られた様に盛岡商業の運動量。前半を見て、このペースでは90分持たないと思ったのですが、最後まで作陽を圧倒した走力は見事でした。決勝戦のみ90分+延長10分ハーフ付きという大会規定が作陽にとっては不利に作用した面は否めない所ですが、規定は規定なのでしかたないですかね。しかし、決勝だけ違うルールでやるのもおかしな話ではないでしょうか。これだけ注目され、歴史もある大会なので、そろそろ90分に統一する等の改善がなされても良いのではないでしょうか。


(追記)盛岡商業 齋藤重信監督会見から

『この年代は、テクニックとかタクティクスとかも教えれば伸びるのかもしれませんが、もっとも人間として基本的に大事な部分を頑張るとか、人を思いやるとか、一番感性がある時期なので、鍛えれば鍛えるほど、いい大人になってくれると思っています。よく言うんですが、盛岡にあるデパートの話をして「お前が頑張る気持ちを100万円で売っているなら、先生は買ってきてあげる。残念ながら売ってねえんだ。1000万円でも買ってきてあげる。売ってないから、それだけは自分でやるしかない」という話をするんですけれど。何でもお金で身に付けられる時代に、精神的なもの、心の部分は、歯を食いしばってつらい思いをしながら、最後に達成感を得られるのだと思っています。 』


post by roque816

20:06

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