将棋・NHK杯【佐々木五段-高崎四段】

2008年04月13日

小学生の頃から、数えてみればもう十数年も見続けている将棋のNHK杯戦。将棋に興味が無くても、日曜午前の教育TVと言えば分かる方も多いはずです。四月から新しいトーナメントが始まりましたので、今日は開幕2局目。尚、ここで棋譜を紹介する訳には行かないので、どんな将棋か見たい方はグーグル先生に聞いてみて下さい^^;

両者振り飛車党ですが、佐々木五段が相振り飛車を避ける格好で居飛車に。対して高崎四段は最近流行の角筋を止めない四間飛車。この「角筋を止めない」というのが将棋○百年の歴史で初の画期的なアイディアで、サッカーで言えばブラジル代表の4-4-2くらいのインパクトですかね(分かりづらい?)。
従来の振り飛車は△4四歩と角筋を止めるために受け身になりやすく、実際に最近は居飛車穴熊にがっちり囲われて不利になる事が多かったのです。振り飛車側としてはタイミングを見て△4五歩と突いて角筋を通すのが有力な反撃手段となっていたのですが、「じゃあそもそも△4四歩突かなきゃいいんじゃね?」というのがコロンブスの卵の構想なんですね。詳しい解説は避けますが、今後の発展が楽しみな戦法です。
本局は両者駆け引きの末、先手が角交換を避けて相穴熊に。通常の形よりも後手が得する序盤となりましたが、これは上記の「角筋止めない振り飛車」が成功した形。先手は無理矢理攻めをつなげるしかなくなってしまいましたが、69手目▲42馬に対しての△52金がひどい手でした。ここは感想戦で言っていた△62金か、あるいは私なら△54飛ですかね。プロ的には後手必勝に近い形だったのですが、この変な二枚換えを許してしまってはいっぺんに逆転。以下は佐々木五段がリードを守って押し切りました。高崎四段はちょっと冴えない将棋でした。さっぽろ東急将棋祭りで森内名人に勝った将棋は強かったんですがね。
あ、他のブログ等を見ると解説者は△28歩を疑問視していたようですが、そこは別に問題ないですね。△52金の所で時間があれば良かったのですが。。



ここからはせっかくなので「将棋の時間」について気が付いた事を書いてみる、というか相変わらず代わり映えのしない将棋界に苦言を呈してみる事にします。辛口注意。

・まず10時からは講座の時間。4月からは将棋世界誌で好評だった?杉本&室田コンビのようです。まだ最初なのでやや進行がたどたどしいのは大目に見るとして、対象とするレベルをどこに置いているのかが不明ですね。対象が美濃囲いも知らない初心者なのかすでに振り飛車を指している中級者なのか、序・中・終盤のどこに力点をおいて解説をするのか、等々を決めておかないとまたグダグダで終わる可能性が高いですね。
このグダグダ展開で最悪、というかよく見るのが、自分の指した将棋を解説して時間を潰すタイプ。「こうやれば上手くいきますよ」って言われてもできないから講座を見ている訳で、自分の将棋の自慢を聞かされても何の勉強にもならんのですよ。こういった解説はジーコか長嶋さんにしか許されないのであって(将棋なら加藤一二三先生かw)、普通のプロ棋士はもう少し教え方を勉強すべきだと思います。(でも、将棋界にはレッスンプロ冷遇の歴史があるので…)

・10時20分からNHK杯戦が始まる訳ですが、まず謎なのが冒頭のトーナメント表紹介。年度の初めは新しい表なので一人ずつ読み上げるのもいいですが、毎週ずっと同じように紹介するのは時間の無駄。せめてブロックを8分割くらいにすれば長々と読み上げなくてもいいのに。。

・盤面を映す時に右側にだけ影があるのが邪魔で見づらい。前からあんな光の当て方してましたっけ?

・生放送じゃないのだから感想戦は絶対編集して解説者が一局のポイントを振り返る時間を設けるべき!今日の放送のようにポイントの局面を検討する前に「それでは時間になりましたので…」って言われて放送終了になってもキレない将棋ファンが不思議です。そして、この状況が数十年も改善されないのは全く信じられません。
また、大差が付いた後の終局までの指し手は囲碁のように飛ばしても可。序盤が長引いた時なども、手の紹介だけに留めて局後の感想戦&ポイント解説の時間は確保すべきです。この辺の時間配分はディレクターの腕の見せ所でもあるはずなのですが、毎年変わらず無策のままという事はNHKもやる気ないんですかね?

尚、ちゃんと考えている棋士も一部いますよ、というのは彼らの名誉のために付け加えておきます。渡辺竜王片上五段のように、ブログで自分の考えを発信するのは素晴らしい取り組みだと思います。


post by roque816

17:43

shogi コメント(0)

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