サッポロVSスティール

2007年12月18日

先日、スティールがサッポロビールに対して、「企業価値を高めるための提言」を発表しました。そのプレスリリースに概略は載っているのですが、そこからスティールのHPに飛ぶと全文を読む事もできます。せっかくなので暇人の私は全文を読み、要約を作ってみました。(注:あくまでも私個人が纏めたものです。行間を読んで書いた部分もあり。)

サッポロの事業計画では勇ましい数字を出しているが、実績ははるか下にある。実に55年かけてシェアがじりじり低下していき、現在はかつてのアサヒビール並み。ドラフトワンという第3のビールで低価格路線がヒットするも、他社に追いつかれ、また税制の変更で新たな低価格商品の開発が不可能になった。普通ビールの黒ラベルも苦戦中で、唯一の光明はプレミアムビールのエビス。サッポロが市場をリードしているのはエビスのみ。よって、有象無象の零細商品は言うに及ばず、黒ラベルやドラフトワンについても方針を見直し、エビスを中心とした現在優位にあるブランドに絞って展開すべき。ブランド戦略は08年に練り、09年から動く。
広告費についても継続して宣伝を行うのではなく、バドワイザー社が行ったパルス型の方が費用対効果がある。「サッポロ」というブランド名は地域性がある。(ので、全国展開するには効果が薄い。そりゃそうですね。)
纏めると、酒は絞り込み、不動産は工夫で収益アップ、飲料と外食は撤退も検討すべき。

私個人のスタイルとしては、もちろんコンサドーレのスポンサーであるサッポロビールさんには好業績であってほしいと願っています。応援したい気持ちは当然ありますが、それは企業として正しい方向に向かって進んでいる時に限る、という注釈が付くのも自然な事ですよね。
さて、先入観無しにこの理路整然とした提案書を読めば、スティールの提案に対してマイナス点は付けられません。それに対してサッポロビールが出した「新経営構想」の何と貧相な事か。。やたら難しい言葉を使って体裁を取り繕っているのがバレバレな感があります。あくまでも私個人の無責任な意見ですが、株主がどちらに付いた方が良いかは明白と思いますよ。

ついでに、上記を理解してからこれを報じた北海道新聞の記事を読むと、なかなか興味深いですね。上記提案の中でスティールは、サッポロという社名についてブランド戦略上の問題を指摘しただけで、社名変更しろとまでは言っていないように思うのですが、、(わざわざ見出しに使うあたり、スティールの印象悪化を狙った?)
ちなみに、同提案書ではサッポロのブランド戦略は「エビス」を除いて「社名+商品名」となっているとし、ブランド維持の為の広告費が多額になる事を指摘しています。へえ~ (単純に、2つの名前が入るとお金も2倍必要という意味と理解。)


post by roque816

00:04

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