映画3本

2007年01月20日

「天国の口、終わりの楽園」

以前見た「モーターサイクル・ダイヤリーズ」が面白かったので、主演のガエル・ガルシア・ベルナルつながりで見てみた。評価はまあ、(苦笑)という感じでしょうか。若い二人には大人への素晴らしい旅となったでしょうが、ヒロインのルイサにとっては・・・作中にもあった「坊やのお守りなんて懲り懲り」というのがそのまま当てはまってしまうのではないだろうか。後半に一人海岸で泳ぐシーンが一番開放された瞬間に感じられたのは、制作者の意図せざる所ではあるだろうが、まさにその通り!という印象。

「dolls」

四季の風景が美しい。人間の営みは美しい。菅野美穂も美しい。愛は美しい。儚きものこそ美しい。
芸術というものが「美しさ」という観点でのみ評価されるのであれば、本作は間違いなく最高点に近い点を得るであろう。また、北野監督の作品は脚本もさることながら、演出面でいつも唸らされる。全場面において全く隙がない(私の力量では見出せない)のには感服するほかない。
温井さんと、老たけしといった風貌の組長の一途な思いもいい。だが、私には消えてなくなる瞬間の美しさがわからず、どうしても悲しさが先に出てしまう。まだ修行が足りないか。

「男はつらいよ 拝啓寅次郎様」

47/48作目。BS-2では2年をかけて全作品を放送してきたが、ついに大団円に近づいてきた。もっとも、劇場公開は1969~1995年だから、実際には36年間かかったのだが。本作の公開は1994年で「随所に昭和は遠くなりにけり」という雰囲気がある。(例えば、宿屋がセットであるとか、満男がタクシーを使っている所。携帯やワープロまで登場している!)
本作の寅さんはまるで悟りを開いたかのような重い言葉が印象に残る。まるで死を前にして自分の魂を引き継ぐかのように、満男に商売の心得・恋愛の貴さを説いている。一方で自分の恋愛に関しては、「何、ただきれいだなと思ってぼーっと見てただけだよ。」と。達観してますねえ。


post by roque816

23:19

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