ダラスの熱い12日間④

2006年08月17日

コンサドーレ札幌U18 ダラススーパーカップ遠征紀行

4月8日(土) 第2日目(1/2)

 翌朝スタッフ全員で朝食を取った。早速神戸戦の結果が気になり、Aコーチの携帯で確認をとる。2-1で我がチームの勝利だ。ホッとした。決勝点はオウンゴール?まあ何でもいい。勝てば良いのだ。これで15日までは良い気持ちで過ごせる。またまたミゲールさんのスピーチで始まった。常に笑いが絶えない。英語もとてもわかりやすい。

 そろそろ朝食も終わりかけた頃、テーブルになぜかフォークとナイフが1セット残っている。誰かいない。よく見まわしたらFコーチがいない。どうしたかなと思っていたら、Fコーチが慌ててきた。なんと頭はボサボサ、とても人間の顔とは思えないようなボーッとした顔でこう言った。「いやー、すみません。目覚ましが鳴らなくて。ちゃんと寝る前にホテルの時計と自分の持ってきた目覚ましをセットしたのですけど、鳴らなかったのですよ。壊れているのですかね。」「熟睡していて気がつかなかったのだろ。」「いや、そんなことはありません。ちゃんとかけたのです。」

 あとのはなし。「団長、すみませんでした。実は、同じ7時でも、夜の7時にセットしていたみたいです。さっき二つともガンガン鳴っていました。」と、夜その話を聞いた。

 朝食後、ロビーには各家庭から送られた選手たちでごった返していた。それぞれのホストファミリーの待遇を話し合っている。色々聞くと面白い。大きな家でビリヤードやプール付きの家庭もあれば、マンション住まいの家庭もあり、また朝食もしっかり食べさせてくれるところもあれば、バナナだけのところもあるとか。いずれも朝食を十分に取れない選手のために、ホットドッグ等を常に用意しておくことにした。ホームステイの良い点と問題点が見えてくる。チームとして試合をする以上、各選手に公平に対応しないとやはり問題が起きやすい。しばらく注視していく必要がありそうだ。体重も毎日計る。早速何も食べられない選手もでてきていた。

 ホテル2階のボールルーム前で初のブリーフィングが始まった。監督から全コーチ、ミゲールさん、ジョージさんの紹介が始まった。選手たちはこれから始まる大会に向けて緊張していた。その時はもうFコーチは今朝の時差ボケ事件からすっかり我を取り戻し、明るく冗談をとばして選手をリラックスさせていた。団長にも順番が回ってきた。

 「皆さん。昨年のダラスカップの出場が決まって以来、あまり練習も十分にできなかったと思います。さあ今日からが本番です。来年もこのダラスカップに向けて参加できるように、今年の高円宮杯の全国大会で優勝することが目標です。これは決して去年の御褒美旅行でないことを念頭において戦って下さい。プロになりたいならとにかく全力を尽くしなさい。」
 
 目は輝いていたが、やはりおとなしい。これもトップチームのDNAか。昔ながらの体育会系の私にはちょっと寂しい。
 
 さて、今日は軽い練習日だ。午前中は大会の登録等に時間を要し、お昼はホテルのスナックを取ることにした。でかいホットドッグとジュース、若い食べ盛りだけにやはり二人前は食べる。やがてバス2台に分乗し、大会側が提供する練習場に向かった。空は真っ青に晴れていた。日本とは全く違う天気だ。

 いざ出陣。早速ジョージさんが道に迷った。前日のミゲ-ルさんからの忠告が脳裏をよぎる。「あいつジョージはよく道に迷うんだ。ここに長く住んでいながら間違えるんだよ。去年もよくあったんだ。」


post by kadowaki

22:20

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