投資のバランス

2007年01月12日

よく「育成」という言葉を聞きますね。コンサでも「育成」による循環的なチーム作りは、長い目で安定的にチームを運営してゆくための非常に重要なキーワードです。

「育成」の対象になるのは基本的には若手であり、さらに突き詰めれば子供世代ということになります。つまりは、子供にどれだけ高いレベルの環境(施設・指導者・ライバルなど総合的なもの)を用意できるかが、「育成」のキモといえるわけです。

よって「育成」を経営的に語るときは、子供世代に対しどれだけの投資を行うかが基本的テーマとなるわけですが、さらに広く「育成」を考えた時、もっと広い視点での投資も必要なように思います。「育成」の名のもとに子供世代に投資するのは、大人世代です。大人世代は、子供世代に対し投資を行うことに何らかの価値を見出しているからこそ、投資を行うわけです。逆に言うと、価値を見出せなくなった時は、投資は止まり「育成」も破綻します。

「育成」を考える時、育成「される側」である子供たちだけではなく、育成「する側」である大人たちのことも同じぐらい考えてゆく必要があるのではないか、と思います。つまり、子供世代に投資する主体者である「大人世代」にも、相応に投資してゆく必要があるのではないか、ということです。ユースが長期的に高いレベルを維持してゆくためには、その安定した基盤として、大人世代のサッカー文化を高めていくことが必要なように思います。

そういった意味で、以前のエントリーに書いた初心者向けのフットサル教室なんかも、大人世代への投資としての1つのツールになると思うんですよね。もちろん子供世代への投資は大変に重要ですが、要はそれ一辺倒ではなく、大人世代にもある程度バランスをとって投資していきましょうよということで。(予算の問題もありますが、投資といっても、必ずしも金をかけることだけが投資ではないですし)

コンサは全Jチームの中でも1・2を争うほどサポの平均年齢が高いチームだそうでw 経営的には「若い世代のサポの新規開拓」が、緊急の課題となっています。その意味で、子供世代への投資にもっともっと力を入れなくてはなりませんが、同時に大人世代のサッカー文化を高めるための地道な活動も、忘れないようにしていってほしいと思います。補助金確保のためのアリバイ投資みたいなものではなく。


post by ぽこパパ

20:14

コンサ コメント(3)

この記事に対するコメント一覧

ゴドー

Re:投資のバランス

2007-01-12 20:39

北海道はサッカーどころじゃないですからね やはり野球の勢力が強い土地柄ですので~ 親は子供にまず野球をさせますが中学くらいになると サッカーをする子供が増えるようです でもサッカーは小さいときにボールさばきを覚えないとなかなか身につきませんから選手として大成するまでいきませんよね~  だから地域のレベルも 上がらず競争もなかなか熾烈にならない 強くならないと結果が出ない、結果が出ないと人気が出ない...  去年はW杯をサッカーバーで見て代表を応援しましたが同じく代表を応援していた若いヒトにコンサドーレを応援しているか聞いたらまったく関知していないとのことでした。  いずれにしてもコンサドーレの往く道は果てない旅路..   でも意義ある旅にしなければ

equip

Re:投資のバランス

2007-01-12 21:45

野球の話ですが、西武ライオンズができて間もないころ、子供(特に小学生)をターゲットにファン獲得に走ったんですよ。 田淵・東尾・大田が引っ張っていた時代ですから、20年以上前かな。 それで当時の小学生が成長しているはずなんだけど、今のライオンズを見てもそんなに西武ドームに通うファンが増えたとは思わないんですね。 理由はいろいろあるんでしょうけど、私は森監督の「勝つ野球」が支持されなかったように感じます。 あの時は強かったけどね。でも、野球はつまらなかった。 コンサはそれを反面教師にすればいいと思いますが、J1に上がりたいという欲求もサポーターの間には強くありますからね。

ぽこパパ

Re:投資のバランス

2007-01-12 22:45

コメントありがとうございます。 equipさんの西武のコメントを読んで感じたのは、日本ではサッカー文化というか、スポーツ文化自体が未成熟なのかもしれませんね。 サポーターとして長い目でチームを一緒に育てていこうというスタンスではなく、観客がエンターテインメントとしてその場の面白さを与えてほしい、というのが日本のプロスポーツに対する今までのニーズだったのかなと思います。 そういった考えが、サッカーなどのスポーツ文化の底の浅さ(流行に流される的な感じ)にもつながっていて、ゴドーさんのおしゃるようなコンサを支える基盤の弱さにも反映されているのかも。 もちろん、ファンを呼ぶには面白いサッカーを目指しつつ結果を出していかなくてはいけない。と同時に、短期的な成績の上下に左右されないチームの支持基盤を作るために、サッカー文化に厚みを持たせていくための活動も行っていかないといけない。 コンサの進む道は本当に大変な道だと思いますが、コンサが成功を収めたときは、日本のスポーツ文化が変わっているかもしれない。何となくそんな気がします。

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