2006年01月10日
骨髄移植のドナー候補になったと連絡があった日の夜、不意に思い出したことがある。 ある友人のことだ。 地元を離れていた大学生時代、長期休暇で実家に帰省していたときのことだった。 幼馴染から久しぶりに電話がかかってきて、突然こう言った。 「昨日、Mちゃんが死んだって知ってた?」 ……えええぇぇぇっ!!
☆★☆★☆★☆★☆★ Mちゃんは、小・中と同じ学校だった。 特に仲良しって訳ではなかったが、とても記憶に残ってるクラスメートだった。 私は子供の頃、とにかく絵を描くのが好きで、幼い頃から暇さえあれば何か描いていた。 将来、絵に関することをしたい…漠然とそう思っていたりしていた。 しかし、小学4年の図工の時間、その思いは打ち砕かれる。 図工の時間、好きな物語を読んでそれを絵に描くという課題が出た。 その時の彼女の絵が今も忘れられない。 その発想、色使い、構図。 技術もさることながら、発想・想像力といった部分で郡を抜いていた。 すごい才能の持ち主だった。 とてもかなわないと思った。 ☆★☆★☆★☆★☆★ 喪服を持っていなかった私は、慌てて母から服を借り、近所のセレモニーホールへ向かった。 遺影には、少し大人っぽくなった彼女がいた。 ご両親とお姉さんに、弔意を述べる。 だが、ショックで混乱していて何を言ったのか全く覚えていない。 おろおろする私に、お姉さんは穏やかに微笑みながら逆に気遣ってくれた。 二十歳になるやならずの友人の命を奪った病名が、急性白血病だった。 骨髄提供によって救えるかもしれない病名。 …もしかして、私は彼女のような人を救えるのか? (但し、当時はまだ骨髄バンクが設立されていなかったが…)
※ もし興味を持って下さいましたら、日本骨髄バンク、骨髄バンクドナーの輪、ドナーズネットをご覧下さい。 05年夏には、元日本代表キャプテン井原正巳氏がCM出演していた。 初回から読みたい方は、こちらへどうぞ。