天童遠征雑記1

2007年03月28日

先日の天童遠征で地元の方々とのふれあい記です。

スタジアムへ向かうタクシーの運転手さんとの会話

運転手さん「サッカーかい?」
私    「はい、そうです」
運転手さん「今日はどこと試合?」(地元サポと勘違いしているようだ)
私    「札幌です」
運転手さん「そうか、今日は北海道か」
私    「はい、我々です!(笑)」
運転手さん「北海道から来たのかい?」
私    「私は東京からですが・・・」
運転手さん「京都からも来てたねぇ」
私    「みんな好きなんですよ(笑)」
運転手さん「雨だけど、地震よりはよかったよねぇ」
私    「こっちも揺れました?」
運転手さん「おぉ、揺れたぁ。停車してたらグラグラきたよぉ。会社に連絡入れたら震度2だったらしい」
私    「さっき駅でTV見てましたけど、すごかったらしいね」
運転手さん「新幹線は何ともなかったらしいね」
私    「えぇ、全然気が付きませんでした」

【地酒「出羽錦」のノボリを見て】
私    「あぁ山形は出羽錦だったかぁ」
運転手さん「そう、今通ったところが蔵元だぁ。出羽錦は甘口なんで女性にも人気あるんだ」
私    「そうだね。出羽錦はたしかに甘口だからね」
運転手さん「天童には山形正宗の蔵元もあるぞ。そこを左に曲がったところに蔵元があるんだ」
私    「ほう、正宗って東北に一杯あるよね」
運転手さん「そうだよ。山形は他にも男山とかあるぞ」
私    「男山は北海道にもあるよ」
(すごく自慢げだった。出羽錦を知っている客が嬉しかったのかも)

【北海道の話】
運転手さん「北海道は一度だけ行ったよぉ」
私    「どこですか?」
運転手さん「兄貴が北海道にいて、死んだんだけど。その葬式に厚岸に行った」
私    「厚岸!そりゃ遠い!」
運転手さん「おぉ、遠かったわ。千歳だかに行って、札幌までも遠かったけど、そこから釧路空港までも遠かった。釧路から厚岸までがまた遠かった。」
私    「そりゃ遠いわ」

運転手さん「いやぁ、北海道の浜って魚捨てるんだねぇ。厚岸の浜に行ったら、浜に魚が一杯転がってるのさ。なんで浜に魚転がってるの?って聞いたら、『売れない魚だから捨てるのさ』って、海に帰してやれば?って言ったら『そしたら、また網にかかってくる。浜で死ねばそれが鳥なんかの餌にもなるし』と。」
私    「ふーーん、でその魚って?」
運転手さん「うぐい」
私    「そりゃ、誰も食わん!」
運転手さん「でも、俺は食ったぞ!浜から拾って刺身で食った!」
私    「えっ・・・」
(信じられないとは言えなかった。誰も食わないけど、食えない魚じゃなくて、他にもっと美味い魚があるだけなのかと思った。昔はみんな食っていたのだろうと思った)

【モンテディオの話】
運転手さん「今年の山形は負けもしないけど勝てもしないんだ」
私    「あれ?勝ってないんだっけ?」
運転手さん「うん、勝ってないはずだぁ」
(実は開幕戦アウェイで水戸に勝っている。2節はアウェイ福岡で引分、3節は今季初ホーム京都戦も引分で勝ってない印象が強いのだろう)

運転手さん「今日はどっちが勝つかなぁ」
私    「いやいや、勝つために来たんだから札幌に勝たせてくださいよ」
運転手さん「・・・そうか今日は北海道か・・・」
(笑顔で楽しく話してくれるのに、ここらの話にはとぼけが多かった笑)

【NDスタに到着】
運転手さん「雨も小降りになってきたし、こりゃやむよ」
私    「そう願ってます」
運転手さん「応援、頑張ってや」


わずか10分ほどの間にこんな話をした。
文章では標準語的に書いたが、実際にはもちろん山形弁だ。
同乗のKくんは、方言がよく分からなく、会話に入って来れなかったといっていた(笑)
年配の運転手さんだったが、モンテディオのことを知っているし、(密かに)応援している感じが嬉しかった。

そんな普通の会話の陰に東北人の気質も垣間見れたような気がする。

同じ北国とはいえ、(歴史のない)北海道とは明らかに違う歴史(伝統)の中で、東北は常に中央に反発しつつ、自分たちを守るために外壁を固めて生きてきた。面と向かって敵対はしないが、決して服従などしない誇り。平泉藤原氏や伊達家や上杉家の反骨の伝統。
たわいのない数分間の地元のおじさんとの会話にそんなことを感じていた。





この記事に対するコメント一覧

暢気

Re:天童遠征徒然記

2007-03-28 09:01

アウェイに行かないと体験できない会話ですよね。 とても楽しく拝見いたしました。

おーさん

Re:天童遠征徒然記

2007-03-29 00:51

>暢気さん J2のアウェイ遠征は、いろいろな地方色があって、楽しいです。 サポも同じで、ヘンな敵対心じゃなく、普通にサッカーを語り合ったり、お互いのチームを語り合ったり、楽しいものです。 札幌に来てくれたアウェイサポにも、そんな素敵な思い出を与えてあげたいと感じます。

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