2012年08月15日
最下位札幌と首位の仙台の戦い。 まず最初に思ったことは、非常に情けなくなる思いだった。 2009年のJ2の開幕戦と同じカード。時を経て、仙台はJ1の首位。札幌はやっとJ1昇格し、順位は最下位。 この状況を産み出したものは、何だったのか? 仙台のフロントは本当に素晴らしい結果を出した。 ■仙台は中2日 試合の入り方はよかった。失点まではよくボールを回していた。ただし、ボールのつなぎは相変わらずの狭い地域で、もっと大きくグラウンドを使ってもよかったのでは?と思う。仙台はナビスコから中2日ということもあり、慎重に、かつ余裕をもって試合に入っていたと思う。仙台の初CKからの失点。ハモンがスパイク交換でOUTしていたのも痛かったが、宮澤がマッチアップした渡辺に決められ失点。ここでも磐田戦の反省は活かされていない。 ■ボディーブロー 仙台は得点後、全体的にスイッチが入り攻撃のリズムが出始める。また、テレが開始早々のイエローで、前線からの守備を強くできなくなったことも仙台の攻撃を受ける形になったのだと思う。ハモンはそもそも守備はアリバイ的なことしかしないので、前半、コンサドーレがリトリートしたのはあらゆる意味で正解であった。仙台からしてみれば自分たちが攻撃できるため、攻撃時の体力と時々受けるカウンター対応で、体力が思った以上に奪われて、後半、足が止まる要因になったと思う。 ■運動量が勝敗の分かれ目 後半からシステムを3-5-2にしたことで中盤を厚くしたことと仙台の足がとまり間延びしたことでボールポゼッションが高まった。このシステム変更はベンチからの「点をとり、勝!」というメッセージとして選手に伝わり、ベンチ、選手が一丸となるシステム変更であった。 また、今回の勝利に大きく貢献したのは山本、日高の運動量である。チャンスと見れば敵陣ゴール前まであがり、ピンチの時は自陣のゴール前まで戻り体を張って失点を防ぐ。この運動量が勝利を呼び込んだ。 本来であれば、古田、岩沼、宮澤も同じくらいの運動量を発揮するべきである。もしかしたら、運動量の少ない宮澤をリベロにしてボールをつなげる岩沼をボランチにしたことも勝利の一因かもしれない。 ■セオリーの徹底を再認識 得点の場面について、得点者が評価されるのは当然なのだが、1点目は内村が仙台DFを釣る形で、仙台の左サイドにスペースを作りそこにボランチの山本が走りこみ、上原がニアに入り込み仙台のDF2人を引き付けるセオリーの動きを見せたことが大きかった。 2点目はサイドを丹念についた結果ではあるものの、ラッキー以外の何物でもなかった。ただし今節、オウンゴールが4失点でており、やはりゴール前にボールを入れることは最低限必要なことであることを再認識した。やはり点をとるにはセオリー通りの動きを如何に丹念に繰り返す必要がある。 ■改善するべき課題を改善していない 守備の問題点と攻撃の問題点が改善されていない。 特に基本的な問題として、セットプレー時のヘディングと体の使い方が修正されていないのである。失点の場面の宮澤のヘディングはボールと相手から目を離し、下を向いている。よく監督談話で、「ミスが多い」と言われているが、基本的な技術の指導が行われていないのではないかと思われる。また、守備のボール奪取を行う位置が決まっておらず、あくまでもブロックを作り粘り強く耐え忍んでいるところである。 これはポゼッションについても同じである。札幌のビルドアップがアタッキングサード付近で行われないことである。センターサークル手前からビルドアップするもの、アタッキングサード付近でショートパスをつなげない札幌。仙台のように相手DFのギャップに入らず、あくまでも突破する攻撃に終始しているため、局地戦に終始する攻撃のため人数を掛けられボールを取られる機会が多い。この辺の戦術的な課題も指導されていないように思われる。急いで攻撃する印象が強い。これではハモンを入れたところでポゼンッション率が急激に上がるとは思えない。ハモンがボールを持ったら全員が裏を狙っている動きに終始している。カウンターサッカーから抜け切れていない。根本的な問題が改善されていないので、体力的にきつくなる戦い方は続くと思う。ハモンばかり注目されているが、今のチームから、山本、日高がいなくなると思うと恐ろしいばかりである。 石崎さんは結局のところスーパーな外国人がいるチームしか作れないのでは?と思ってしまう。 ■流石の仙台 仙台は相手のボックス前10メートル付近のサイドでボールを回し、相手のDFをボールサイドに寄せてから、逆サイドにボールを展開させクロスを入れるやり方をしている。ボール回しも、いわゆるギャップに人が入りボールを引出しワンタッチではたいてギャップから出ることを繰り返し行い、攻撃のスイッチを入れる機会を探っている。全員が連動しているのと、ボールをロストしても、高い位置で守備に入れるので、失点のリスクを減らしている。中2日の仙台相手でもポゼンション率では勝てなかった。(札幌47%仙台53%)そしてポゼンションの質も仙台が上であった。 ■今後の戦い方 できれば、運動量が少ない宮澤は中盤から外したいところではある。左サイドバックに上原を入れてボランチに岩沼の4-2-3-1か、ハモン、テレの2トップにした4-4-2をベースにしたい。やはり走れない選手が中盤にいるのは厳しい。そして後半3-5-3か、2-5-3的なシステムの後半勝負型のチームか、従来通りのしっかり守ってのカウンターで勝利の確立が高くなる戦術を選択すべきだろう。名古屋、仙台はナビスコ後中2日のコンディションハンデがあったが、今後はそのような有利な条件がない。この勝利に浮かれることが無いように。
プロフィール
チーム創設時からのファン→サポータです。 HOME、AWEYでの一期一会を大切にコンサドーレを応援しています。 2007年からサポートシップスポンサーになっています。 2008年からは家族で観戦機会が多くなり、2010年からは新しい家族も増えました。
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