2012年08月21日
まず、私もサッカーは素人なので必ずしも、私の意見が正解とは言えませんが、サトシさんの疑問に対して参考になればと思います。 「素人にはなぜ石崎監督が1トップに固執したり経験不足の奈良、宮澤とまだまだ未知数のキムでの3バックを試すのかが分かりません。」 ■1トップの件について 石崎さんは4-2-3-1のシステムを採用しています。他に3-6-1、4-3-2-1などワントップのシステムがありますが、いずれのシステムでもワントップに求められるのは、ボールを収めることができて、点が取れること。前線からの守備です。まず第1優先が攻撃の時、味方からのパスを収めることができることです。味方としてはターゲットとして高さがあったほうがパスが出しやすくなります。ワントップがボールを収めることで、トップ下のMFがFWを追い越していく時間や、攻撃の人数が増えるための時間稼ぎができるのです。そうすることで得点の可能性を高めます。また、4-2-3-1の場合、3のMFが両サイド(例:古田、砂川、岡本)が中に絞り、SBが駆け上がるスペースをつくり、SBがクロスを上げてワントップのFW、MFが中に入り得点を取る等の戦術などがあります。高さは攻撃だけではなく、相手のセットプレー対策として守備要員としても活用されます。上原がスタメンのファーストチョイスとならないのは、足元の技術がないため、溜めの時間がつくれないのです。まだいくらかはテレや大島のほうが可能性があるのです。ウッチ―はターゲットとして高さがないのが原因かと思います。 石崎さんがワントップに固執しているようにみえますが、これは石崎さんが中盤のパスワークで崩すサッカーを標榜していることに起因しています。そのためには中盤の人数が多いほうがいいのでワントップを採用していると思います。ただし、ハモンが溜めをつくる担当になっているため、前線に古田が入ることが多く必ずしもワントップとは言えない状況だとおもいます。 ■3バックの件 まず、3バックは試しているのではありません。これはDFの枚数を1枚減らしてより中盤と前線の人数を増やし、得点を取るための人数を増やすためにシステム変更をしているのです。3-5-2といわれていますが、3-2-3-2がコンサドーレがとっているシステムです。(どちらでもいいんですけどね)。前線の人数が多いことで得点機会が多くなるのです。また、昨年もこのシステムを採用した試合がありますので、選手には抵抗感はないとおもいます。 ちなみに、3バックは相手のFWに対して、2枚のDFがマンツーマンでついて、リベロ(スイパー)といわれる人間が、DFが抜かれた場合にフォローに回る形になっています。コンサドーレがとる3バックは基本的にこの形をとっています。奈良、金が相手FWを見て、宮澤がサポートする形ですね。シンプルに守備が行えるので短時間であれば有効ではあります。本来であれば対人能力が高く背が高いDFを配置するのが基本です。 基本的に3バックはオフサイドを取る守備陣形ではありません。3バックの弱点としては相手FWの動きによって、スペースを簡単に広げられてしまうため、90分コンサドーレの3バックで対応することはリスクが高くなります。今年7失点した鹿島戦がいい例です。ただし鹿島戦はメンバーの怪我が多く、ナビスコ中2日ということもあり、戦うために取った戦術であり、私自身は仕方ないとおもっています。(逆に挑戦者としての姿勢として正しかったと思います) 4バックはDFを4人でゾーンで守備を行い、各自が自分のエリアを責任もって守るというのが基本です。そしてラインコントロールすることでオフサイドをとり、相手の攻撃を封じ込めるのです。よく、このラインが低いということでピンチを招くことがありますが、これはDFラインとキーパの距離が短いと(ラインが下がっている状態)それだけ相手の攻撃人数が増えてきて、クリアのセカンドボールが相手に渡ってしまい、また攻撃をうける悪循環に陥るわけです。逆にラインが高いと、全体の人数が相手陣営に人数を掛けるきっかけになるのと、ゴールキーパーも自分の前にスペースができるので守りやすくなるのです。仮にスルーパスを出されても、ゴールキーパがクリアすればいいだけです。相手もシュートを打とうとしても距離が遠くなるわけですからキーパーは余裕を持って対応できることになります。 ちなみに他チームがとっている3バックをご紹介しておきます。。浦和のペトロビッチがとっている3-6-1の3バックは、ボランチのどちらか(主に阿部)がCBに入って4バックになったり、両ウィングがサイドに下がって5バックになったりと、状況に応じて守備陣形を変えるので、ボランチの選手の戦術理解度の高さが要求されます。 日本代表のザッケローニがとる3-4-3はボールサイドに人数をかけること目的としおり、ボールがないほうのMFが下がることで守備の人数が減らないようにしようとしていますが、どうしても両サイドのMFが下がってしまい5バックになってしまうため、3-4-3のシステムはあきらめたようです。 京都の大木監督の3-4-3や富山の安間監督がやっていた3-3-3-1はボールサイドに人数をかけて狭い地域でプレーしてショートパスをつなぐサッカーをしていました。これはこれで面白く、相手に大きいサイドチェンジをさせないよう狭い地域、狭い地域へボールを追いやっていくのです。ただしこれも選手の戦術理解度が高くないとダメで結果的には根付かないシステムとなっていました。 昔、トルシエジャパンの時のフラット3は3バックに4バックのラインコントロールを合体させたものなのですが、最終ラインの3人でフラットに(3人が横並び)なると突破された時の対応に時間がかかってしまうのと両サイドにスペースができてしまうため、結果的には守備のスタンダードとしては欠陥品となってしまいました。当時の松田、宮本、中田(浩)は極力フラットにならないようにしていたみたいです。 以上がサトシさんの疑問に対する私なり回答です。
サトシ
Re:こんなフォーメーションの疑問について
2012-08-21 11:54
私の素人丸出しの疑問に丁寧にお答えいただきありがとうございます。 とても興味深く読ませていただきました。 GKを除く10人の配置や動かし方で可能性は無限に広がるんですよね。 4-2-3-1や3-5-2などの数字の並びだけでは図れない奥深さを改めて感じる事ができました。
とおりすがり
Re:こんなフォーメーションの疑問について
2012-08-23 17:26
今年コンサで1TOPをやらされた選手(テレを除く)は みな不満を持っているようですよ
プロフィール
チーム創設時からのファン→サポータです。 HOME、AWEYでの一期一会を大切にコンサドーレを応援しています。 2007年からサポートシップスポンサーになっています。 2008年からは家族で観戦機会が多くなり、2010年からは新しい家族も増えました。
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