準優勝に意味はある。

2019年10月28日

>公式のキャッチフレーズが見事すぎる…

 ファイナルの後のメディア報道の多さは余韻が未だ冷めやらぬといった感じ。深井さんの同点ゴールは未だに涙腺を刺激されて困る(苦笑)。何だろうなあ、「悔しい!」とキーキー叫ぶことはなくても「(あそこまでやれたんなら)勝ちたかったよなあ…」と溜め息や無念さが何度でも蘇るんだよなあ。この感情は当分消えそうにない、いや来年の今頃、もっと言えば次にファイナルの舞台に立つまでずっと引きずるのかもしれない。

 菅野の言葉でおおむねファイナルにケリはつけられると思う。

 ただ、準優勝に意味はないとは思わない。
 準優勝の価値は十分にある。なぜなら今回が初めてのファイナル進出だから。
 意味がないと言えるのは次のファイナルに進出して負けた時。そうなりたくはないけど(汗)。

 今回のファイナルを通じて痛感したのはタイトルの重さと道のりの長さ。グループステージからリーグ戦同様に長丁場を戦い抜いて文字通りファイナルに辿り着く。そしてファイナルの1試合がそれまでの長丁場と同じくらいに重い。ファイナルで勝つまでの道のりはもしかしたらそれ以上に長く遠い。

 鹿島や浦和などタイトル常連のクラブから馬鹿にされるのはわかる。湘南や大分などタイトルを掴んだクラブからは上から目線で見られるかもしれない。裏を返せばファイナルに辿り着いたことのない輩に馬鹿にされてたまるか!ってことでもあるが…。2位じゃダメなんですってのは2位の意味を理解しているから言えるわけで、当の選手ならともかくやっとこさ辿りついたくせして「勝たなきゃ意味がない」ってのは「お前ら生意気だ!」と怒られてしまうだろう。

 とはいえ、J1の3年目でファイナルまで辿り着いたのは誇っていい。ググったら大分がナビスコ杯(当時)を勝ち取ったのはシャムスカ体制4年目。今まではカップ戦はとっとと負け抜けだったが今年は違う。ガチでタイトルを獲りに行ってあと少しのところまで来たわけだ。カップ戦も可能な限り獲りに行く、とにかく残留第一でカップ戦なぞ知らん!と割り切っているうちはJ1クラブとしては半人前とも思ったり。

 準優勝という結果で変わるのはコンサの内側よりもむしろ外側、周りの視線。

 道内メディアが取り上げてくれるというポジティブな面もあるが、コンサに対する“期待値”が格段に上がる。露出が大きくなった分だけその期待値によって振れ幅がさらに大きくなるということでもある。今はまだ「コンサドーレすごいじゃん!」とか「札幌やるな…」と思ってくれているが、これがいつ落胆や失笑に変わるかという意味ではむしろこれからがキツい。

 「変わる」のはコンサの外側、「変える」のはコンサの内側、
 タイトルを獲れば箔がつくが準優勝ではただのメッキと言い換えてもいいかもしれない。

 別館の方では踊り場という言葉を使ったが、準優勝を勝ち取ったコンサがこれから取り組むのは頂上アタックのためのベースキャンプ作り。今までもできていたのかもしれないけど、何合目になるかはさておき今度はもっと高いところに作らなきゃならない。
 ハード面でベースキャンプを作るのはノノ社長をはじめとするいわゆる背広組で、そこにいつでも行けるようにするのは監督や選手などの現場側で共にレベルアップしなきゃならない。それが今までよりすっと難しいってのは既にノノ社長が言っているが。頂上へのアタックはいつでもできるわけじゃないけど、その準備を普段から積み重ねないとその機会すら掴めない。

 差し当たっては、順位はともかくとしてラスト5試合を全部勝つ。
 最終節のホーム川崎戦を全勝で迎えて、今度こそ王者・をドローじゃなく倒す。

 日程が決まってすぐの時は「うわ、これ川崎とACL出場権懸けてだったら激アツだな!」と思っていた。最近の停滞気味なコンサを見ていて「最終節は目標がイマイチ思い浮かばんな…」と思っていたところへ川崎とのルヴァン杯ファイナルでの激闘&準優勝。これはもう今度こそってシチュエーションでしょ!と。
 選手たちはいろいろとしんどいかもしれないけど、「やっぱりまぐれだったんじゃん!」という雑音をかき消す意味でもここで踏ん張って5タテしてほしい。今息切れしてるようじゃこれから先ACL出場権もタイトルも掴めないと思うから。外側の人はコンサの内情なんて知ったこっちゃない、勝ち負けでしか評価しないしね。

 …言うだけならタダなんだよなあ。


この記事に対するコメント一覧

鳥天野郎

Re:準優勝に意味はある。

2019-10-28 23:51

コンサドーレさんのルヴァン杯の準優勝が大分の経営圧迫の二の舞ならない事を願います。札幌さんなら間違いはしにくいとは思うのですが人件費の高騰は確定ですし、フロントには金銭交渉に苦労してもらわないと、稀にミシャさんは監督していて上手くいかない年がありますので札幌で指導されている時悪い癖が出なければいいのですが来年は勝負の年だと気負ってしまい修正がきかず前年の躍進プライドがあるばかりにチームがバラバラじゃねーかと追い込まれ諸々の後遺症からJ3に落ちてしまった大分みたいな事例もありますからね

フラッ太

鳥天野郎さんへ

2019-11-01 23:04

本文には書きませんでしたがトリニータの失敗を反面教師にするのは当然でしょう。    上手く行かないときにどれだけ我慢できるか、踏ん張れるかは永遠の課題でもありますが、フロントは都倉が移籍しても武蔵を移籍させてカバーしていますし、ノノ社長もここからが大変と口にすることでサポの側にやんわりとクギを刺しつつサジ加減の難しさを理解しているのであまり不安視はしていません。    むしろ、タイトルに手が届きそうになったのを悪い意味で勘違いしないようにするというのはむしろサポの側の心構えじゃないかと思ってます。去年が上手く行きすぎたのは間違いない。今年も勝ち点を取れそうな試合で取りこぼしが多いなど甘さはまだまだあるので、どこまで引き締められるかだと思います。  

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