第9地区 District9

2010年04月15日

ユナイテッドシネマ札幌で、「第9地区」を観て来ました。アカデミー賞の作品賞、脚色賞、編集賞、視覚効果賞の4部門にノミネートされた作品です。トレーラーを観ただけで興味津々。かなり期待していた作品です。

1982年、なぜか南アフリカの首都ヨハネスブルグ上空に停泊した宇宙船。難民となったエイリアンは、超国家機関MNUの管理のもと、宇宙船直下の第9地区に隔離されます。28年後、第9地区はスラムと化し、ナイジェリア人ギャングが牛耳る無法地帯でした。

そこで、MNUは、彼らを、強制移住させることにします。強制移住の責任者に抜擢されたヴァッカスは、TVカメラの前でペラペラ喋りまくる愛妻家のお人好し。見ているとイライラしてきます。この間、関係者のインタビューが延々と続き、この映画を観たことに後悔したほどでした。ドキュメンタリータッチを意識したと思われますが、ちと長すぎます。

それはともかく、エイリアンから移住の同意書を取るため第9地区に入ったヴァッカスは、スプレー缶のような物体を見つけ、誤って中身の黒い液体を顔に浴びてしまいます。このあたりから、ストーリーは急展開。画面にくぎ付けになりました。黒い液体の正体ですが、直観は見事に外れました。

エイリアンは、身体の特徴から「エビ」と呼ばれ、蔑まれていますが、巨大な宇宙船を見ただけで、人間より科学力は進んでいるのはわかるはず。彼らの武器ときたら、もの凄い破壊力。しかも、エイリアンのDNAを識別しないと、引き金が引けない。それなのに、彼らは、使わない。ふむぅ!! 

彼らは肉食で、好物がキャットフード!!

さて、黒い液体は、エイリアンのクリストファーが20年かけて集めた貴重なもの。本当の使用法は、内緒ですが、液体を浴びたヴァッカスは、次第にエイリアンに変身を始めます。ヴァッカスとクリストファーは、液体をMNUから取り戻すという共通の目的を見出だし、協力することになります。お互いに励ましあい、やがて、奇妙な関係が…。これを友情というのかな!

舞台が、南アフリカなので、アパルトヘイトを連想させますが、むしろゲットーですね。あまり抵抗もしないエイリアンを小馬鹿にし、差別する人間たち。彼らは家に帰りたいだけなのに…。

観たことに後悔はしていません。ラストシーンが切ないです。


20100415-00.jpg  2009年アメリカ映画(111分)

  監督:ニール・ブロムカンプ
  出演:シャルト・コプリー


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