クリスマス前にクリスマス年末年始用のチーズを買いにチーズ屋へ。

 扉を開けたとたん、チーズの匂いが。多分 　チーズが好きではない人ならその時
 点で回れ右して扉を閉めるだろう。
 しかしながらそこに集っている人たちは 　少なくとも片足はチーズ好きに踏み込
 んでいる人。もちろんどっぷり全身が浸かって人もいるでしょう。匂いに誘われ
 て中へ。
 クリスマス前ということで店内は込み、チーズは売れている。
 「どんなのがいいの？」と聞かれて「癖が強いものがいいです」と答える我々は
 もちろんどっぷりと浸かっている側の人間。
 この前なんて「怪しいのないですか？」って電話がかかってきたのよと笑うチー
 ズ売りのマダム。「あたしが売ってるんだから怪しいのなんて無い！」って言っ
 てやったけどって。
 その電話した人の気持ちは良くわかる。

 ナチュラルチーズを食べるようになって 　どんどんとくせあるものもOKになる。
 その過程で日本人として何かを捨ててしまったような気がする。もしくは忘れて
 しまった 　かな。真っ当な日本人であれば食べないよなぁ　このチーズは。関西
 人が納豆に手を出してしまったときの気持ちはこうだろうか。そう思いながら臭
 いチーズに手が伸びる。

 このとき購入したチーズは1万円で小銭のお釣りしか来なかった。店を出ながら、
 本当にバカ者だとつぶやきあう2人でありました。
 そして、昨日 　年の暮れにクリスマスに開けたチーズの残りを食べていた。クリ
 スマスよりも熟成が進んで   　冷蔵庫から出した状態でもとろとろ。香りも強く
 なっていて　これは一般的な日本人10人のうち8人は「悪くなっている！」という
 のではないかと思いつつ少しだけのはずがぺろっと全部食べていた。
 先日購入したチーズは残りがあと2種類。
 今年は電話をしてしまうかもしれない。
 「怪しいのないですか？」