2006年08月24日
えぞももんがのドイツ日記9 駅の設計や列車の設計 それらの物は 日本と違うところも多くて、成長の歴史や何を重要に思うのかという文化の違いや旅の違いを感じさせる。 国民性は似ていると言われる 日本とドイツだけど、こんな所もこんな所もと 違いの面白さが見えてくる。
<街からそのままプラットフォームへ> ヨーロッパの鉄道はみんなそうなのだけど、日本で言う改札というものがない。外と中を区切る物が無いので列車を降りるとそこはもう街。ここら辺が駅 と言う漠然とした区切りはあるものの、道を歩いていく延長線でそのまま列車に乗れる。駅に通じる地下道みたいな所を歩いているといきなりホームが出てきた時は驚いた。 改札がないので、指定券などの付いていない切符には乗る人自身がスタンプ機で日付をスタンプするらしい。 改札の替わりに検札がある。列車が走り出すと 車掌さんが回ってきて切符を確認していく。無賃乗車はここで見つかると 罰金が科せられるそう。ちなみに、街を走るバスや地下鉄も同じ。乗り口にも降り口にも切符の回収箱も銭箱もなく、各人が切符を持っていればOK。これまた抜き打ちで検札があって、そこで持っていないと罰金が科せられるらしい。バスや地下鉄には結構乗ったけれど、検札には一度も会わなかった。 言葉が通じないのに「切符をもっていないのか!罰金払え!」などというトラブルに対処できる自信も無いしで 我々はまじめに切符を買って乗っていた。しかし、これが普通なのかどうなのか疑問だ。本当に皆 きちんと切符を買って乗ってるの?バス停や地下鉄などで切符を買っている人が少なかった。もちろん、1日券や定期券などもあるのだろうから 必ずしも皆が買わなくてはいけない人ではないだろうけど。 改札が無く、プラットフォームの中と外が分かれていないのは 快適。ちょっと買い忘れたお水を買いに走るのも、乗り継ぐべき列車が遅れていて時間をつぶすのも そのまま外に出て行ける。 家族のお見送りに来た人も、別れを惜しむ恋人達も、列車のすぐそこまで来れる。逆に言うと、怪しい人もすぐそこまで来ることができるのだけど。 この何気ないまま 国境を越える列車に乗れるのだと思うと 本当に不思議。 いまや ユーロ圏内は県境ていどの差しかないけれども、国境を越えると言葉も文化も違う国がそこにはある。また、ユーロに加盟していない国に行く時には、今でも国境の車内でパスポートチェックがあるのだろう。そんな列車にも 自由に乗ることが出来る。 日本なんて、在来線の改札を通った後、さらに新幹線用の改札を通らないと新幹線に乗ることができないと言うのに! <文化が違う車内設計> 日本の新幹線にあたるICEや特急にあたるCEは2等でも十分快適。席の座りごこちも良いし、向かい合った座席の間にかなり立派なテーブルが配されている席もあって、ビジネスマンはパソコンを広げてなにやらはじめ、学生はサンドイッチとコーヒーを広げてランチしていた。 そして、多くの長距離列車についているのが 自転車格納庫。それは2等車両からガラスの扉で区切られたスペースで車輪を固定して自転車を運べるようになっている。さすがヨーロッパだ。遠い場所まで列車で行って 現地で自転車を下ろして自転車で旅を続ける そんなことが自然に出来るようになっている。 2等車両にもいくつかのコンパートメントがある。その中で目を引いたのが、お子様連れのご家族向けコンパートメント。大人用の座席4席は間にテーブルを挟んだタイプ。その背中側に お子様用の席。よく公園で見かける遊具で 木馬の足元が強力バネになったようなもの。子供がまたがって前後左右に身体を揺らして遊ぶことが出来るものだ。これと、黒板などがついたちょっとしたおもちゃ。こういったものが詰まっている。 2等の車内でこんな立派なコンパートメントがあるなんて。長い時間 狭い空間に退屈する子供を快適に運ぶ。これなら列車が好きになるだろうなぁ。 ドイツのおもちゃは本当によく出来ていて、子供が怪我をしたりと言うことが無いように考えられていると聞いていた。子供と子供連れに対する姿勢が列車の設計にも現れている。 素晴らしいぞ ドイチェ・バーン。
プロフィール
アナベル:W杯スペイン大会のフランスー西ドイツ戦の中継を観てサッカーにハマる。96シーズンからコンサの虜。職場で時にガノタ呼ばわりされるのは心外である。 えぞももんが:サッカーと呑み食いに関しては、暴走するアナベルを止めるどころか一緒に乗ってしまう。そして、誰も止めない。
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