2008年06月24日
談合の話題の続きです。つまらない話ですが。 業者が多いから談合が無くならない,なんていうことを前の話題にしたのですが,なぜ多いのかというと不景気のせいです。元々多いは多いんですが,バブル崩壊の煽りでさらに増えました。 右図は昭和59年からの建設業許可業者数の推移です。バブル期で51万社,その後の失われた10年に業者数が20%ほど増加しています。 これは,会社が職人を雇えなくなってクビを切る・・・のも忍びないので独立してもらって,そこに下請けを出したりしてコスト縮減を図った結果です。下請け構造が高コストの原因なのではなく,コストを下げようとした結果下請け構造が進んだと考える方が近いと思ってます。 当然,不景気が続けば面倒なんか見てももらえないので,結局は潰れてしまい,いまも業者数は減少の一途です。 ちなみに就業者数は,業者数がピークになる1999年のさらに3年前の1996年がピークで,それ以降右肩下がり。景況感と関係ではこっちのほうが一致するかもしれません。
で,これらの会社が生き残りをかけて,公共工事に突入してくるわけですから,それはもうみんな必死です。公共工事のなにが良いって,なんといっても金払い。前払い金はあるし,踏み倒されることなんてまずあり得ません。 大手はなんだかんだとお金が回せるから良いですが,中小・零細では明日の金策すら・・・なんてところだって多いです。結果,赤字だろうがなんだろうが,当面の金策のため安値落札,赤字が出たって潰れるよりはマシ,なんて勢いで競争が起こります。 本来なら価格は市場にお任せでもいいところです。が,公共工事なんて,いっちゃなんですが誰でもできるようなものがほとんどです。自然,価格なんて誰が落札してもそう変わらない程度のところで落ち着きます。そこに,赤字覚悟の落札となると,その結果は当然のように労働環境の悪化と品質の悪化です。 特に公共工事にとって品質悪化は大問題です。トンネルの壁が落っこちてきたとか橋が落っこちたとかは,やっぱりシャレになりません。 仕方なくこれを避けるのに談合,といったロジックが出てくるのですが,じゃあ「談合は必要悪です」で良いのかというとそうもいかないのは当然の話。 例外はあるにしても,だれも得をしてないのに,世間中から悪人呼ばわりされる建設業界はほんと大変です。
2008年06月18日
土木建設業界はとても大きな業界です。当然,中の人たちも様々な意見を持っています。談合と一口に言っても,談合を主導する人,損はしてないので黙ってる人,嫌々付き合ってる人,談合に入れない人。。。それぞれ違ったことをいいます。といっても,談合は悪いことか?と聞かれれば,「悪いに決まってる」。でそのあとに「でもね・・・」と続く人がいたりいなかったりする程度の違いですが。 なぜ談合が起こるかといえば過当競争を避けるため以外にはありません。 過当競争の例でいえばタクシー業界が良いと思います。客にしてみれば,多少のサービスの違いはあれど,どれも同じようなタクシーですし,なにを選ぶかといえば,近場で電話すればすぐ来るか,安いかです。 とはいえタクシーが多いところではどこでもすぐ来ますし,多くなければそもそも競争になりませんので,結局は値段で決まってしまいます。結果,タクシー業界の過当競争は惨憺たるもので,運転手さんの過酷な境遇は「過当競争」で検索するとわんさか出てきます。 とはいえ,なぜ談合しないと過当競争になるかと言えば,需要と供給にギャップがあるからで,端的に言えば業者が多すぎるから。タクシーにしても,乗客は減ってるのにタクシーは増えてるからこうなっているのでありまして。。 ということは,結局のところ業者の数(あるいは従業員の数)が減らなければいつまでもこのまま,という結論になるわけです。 で,ここで問題となのは,業者が減っていく過程で淘汰されるのは質の良くないところばかりではないということです。淘汰されていく過程で起こるのは,技術やサービスでの勝負ではなく,ただの価格競争です。当然勝負は,会社の体力だけです。有利なのは,値段は安いが質も悪い会社。こうなると納税者を含め得する人はあまりいません。 じゃあどうしましょうね~,なんていって漫然と不祥事が繰り返されているのが現状といったところでしょう。 一応対策としては,優秀な会社には高くても発注できる制度なんかも取り入れられていたりしますが,じゃあ誰が優秀だと判断するかといえば当然役人です。 判断基準はお役所らしくクリアなので「傾向と対策」がとれます。悪意を持ってみれば,天下りしてもらうメリットが増えるだけとも言えますし,上手く形を変えた官製談合となってしまう可能性だってあります。 いっそのこと,適正価格なんてのはあきらめて,全部に値段でも張っておいた方が早いんじゃないかな,とか考えてしまいます。 ダムの堤体にでっかく○千億円!とか,道路工事の看板に落札額○○万円とか。 値段がクリアだと,高値の落札ってし辛いもんですし。
2008年04月21日
気づいたらもうすぐゴールデンウィークですねえ。。 年度末の地獄のような進行は終わったものの,結局年度末には終わらなかったことのお片づけで4月が終わりそうです。 世間はなんだか賑やかですが,賑やかな割には大したことは起こっていないような感じです。週末に久しぶりにボンヤリと新聞を見ていたら,文字が大きくなってたんですね。。 いつも思うんですが,文字が大きくなった,ってのは,中身が薄くなった,と同じ意味ですよね。そういえばページ数もなんだか減ったような気もします。これで1部100円ちょっとはそろそろ微妙な値段になってきたような気もします。 やめるにやめれないのが新聞ですけど,そろそろ本気で考えようかなあ。。 と,どうでもいい日記でした。
2008年02月04日
農薬入り餃子だそうで,国内の偽装問題が一発で吹き飛ぶほどのインパクトでニュースが駆けめぐっています。食べ物のこととなるととたんに口うるさくなるのは日本らしいのかもしれません。 騒ぎになり始めてから3日ほど経ちますが,ようやく情報も落ち着いてきたようで,原料にあったというよりは,誰かがかけた,という方が有力になってきた様子です。 千葉と兵庫と離れたところで起きてますので,国内の流通にのる前の段階,しかも冷凍コンテナで運ばれてるでしょうから,コンテナに摘む前のことなのでしょうか。製造直後の保管庫あたりですかね。
余談ですがコンテナといえば,最近「コンテナ物語」って本を読んだのですが,なかなかおもしろかったです。
ただの箱と侮る無かれ,世界の物流を変えた一大革命でした。
ところで,ニュースでは現地の工場の様子の映像が出ていましたが,下手な日本の食品工場より立派な管理でした(もちろん外向き用の,という可能性もありますが)。中国産は危ない,なんて言っているうちに,よっぽど日本より衛生的なものを輸出し出す日もそう遠くないかもしれません。
2008年01月31日
もう1週間くらいになるでしょうか,いまだに鼻水に悩まされ続けてます。 いくら鼻をかんでも次々と出てきます。非常にうっとうしい上に,鼻も痛くなってなにをする気にもなりません。。。 と,風邪のせいにして,ここ最近の乱高下はスカッと見逃しました。そろそろ一旦底値にたどり着いたっぽいのですが,いまいち買う気が起こりません。 適当に海外インデックスファンドでも買い増そうかという程度です。 でも安い株だらけにはなってきましたねー。 米国大統領予備選挙も,共和党がマケイン候補が有力そうだし,それなら民主党はオバマ候補になるのでしょうか。そうするとどちらでも,日本にとって最悪と言うことはなさげな気配です。 決算発表もそう悪いものでもないようで,見直しが伊賀はいる状況も増えてきました。 着々とポジティブな材料は増えてきてはいるのですが,さてさて。。
2008年01月07日
今さらながら明けましておめでとうございます。 正月はパソコンの前に極力座らないようにがんばった結果,スカッと更新期間が空いてしまいました。 その間,日経は大発会から暴落,コンサドーレ応援ファンドはスレ落ちと大変なんだかそうでもないんだか,な年初となりましたw。コンサドーレもJ1にしがみつけるかどうか,相場同様綱渡りのような1年になりそうな気配です。 さて。 2008年北海道といえば先ずは洞爺湖サミット。洞爺湖周辺では冬だというのに道路工事が真っ盛りです。 こんなことしか金のかけどころはないのか。。。とガッカリな気分にならないでもないですが,実際洞爺湖周辺の道路はしょぼいというか危ないところも結構あったので,これはこれで仕方がないところかもしれません。環境省のビジターセンターや火山科学館が新しくなったりと,それなりに見所もありそうです。 洞爺湖サミットでは一番のテーマは環境となりそうですが,この分野で先端技術を持っている日本は,どうも実績がダメッぽです。 京都議定書では日本は1990年に比べ-6%の削減が義務づけられていますが,今分かっている時点で+6%超。チーム-6%が+6%になってます。 原因は,製造部門以外オフィスや家庭部門および家庭での運輸部門。 産業部門は順調に・・・とは言えないまでも減少傾向で,目標まで落とし込めそうな気配はあります。翻ってオフィスや家庭部門では3割4割当たり前の増加ぶりです。 家電などでは省電力化も進んでいるのに何故,と思ったら台数が増えているので結局は増加した,というのが正解らしいです。実際エアコンの普及率が100%を越えたり,パソコンが増えたりはしてます。電力消費量の増加がそのまま反映されている感じです。 環境技術がいくら優れていようが,現実に排出量を増やしてしまっていては,サミットで大きな顔はできそうもありませんね。。。
2007年12月21日
いよいよクリスマスです。 あんまり楽しい季節でもなくなってきましたがw クリスマスといえばプレゼントなわけで,もらうよりはあげる方がメインになってしまうのは悲しい男の現実です。どうせあげるなら,少し気の利いたものを探してみたくなるものです。 で,今年見つけた一番のヒットは・・・ やぎ 本物です。生きてます。お値段4,000円。 これは実は世界の貧困問題に取り組むNGOによるものです。 実際にやぎを送る,というよりはやぎを必要としているところにやぎを送るプロジェクトへ寄付,になるのですが,一ひねりした募集の仕方がいかしてます。 やぎのほか,にわとりだとか種だとか農業訓練だとか,ラジオ番組だとか。どれも値段はお手頃です(というかこれが手頃な値段というところが貧困問題の根っこではありますが)。 http://www.oxfam.jp/unwrapped/ プレゼントにお悩みの方は,ぜひご一考下さい。といっても申し込みから5日後の発送になってしまいますが。。 ちなみに私はやぎをプレゼントですw
2007年12月12日
久しぶりにコメントが頂けたので,喜び勇んで返答をしようと思っていたら,長くなってしまったので記事を立てました。喜び勇んで書いているのですが,なんだか暗い記事になってしまいました。。 さて。 最近の食品関係の不祥事の先陣を切ったのはミートホープですが,このニュースを聞きながら,デフレの影響がこういうところに出ていたか,なんて思ったものです。 事件の明らかとなったところでは,偽装を始めたのが2000年前後らしいですが,そこはちょうどデフレの真っ盛りです。マクドナルドが65円でハンバーガーを売りはじめたのが2000年1月,激安ブームがもてはやされていた頃で,ユニクロの急成長もこのころだったはずです。 日本マクドナルド、平日は全店でハンバーガーを65円で販売(2000年1月21日) さらに2001年9月に国内でBSE牛が発見されると,その10月には雪印食品をはじめとして牛肉偽装問題が始まります。 こう並べると食肉生産現場がどのような惨状であったのか,今となると分かる気がします。デフレで販売価格は下がる,BSEで国内牛が避けられる,輸入牛を使おうにも品薄・・・。 もちろん社会状況が悪いから,偽装をしても仕方がない,とはまったくいいませんし,偽装ミンチだって味の違いが分からないくらいの出来なんだから,適当にぼかして売るという手もできたかもしれませんし,その後の事件についてもここでみれば,それぞれに事件を避ける要素はあったと思います。 がそれにしても,いくらそれぞれ事件の当事者を叩いたところで,真面目にやってたら倒産,偽装すれば生存,偽装がばれたら倒産+逮捕,という状況では,やはり偽装は続くと思わざるを得ません。 なにせ,真面目にやってたら倒産→借金→一家離散→自殺の4連コンボが待ってますので,それに比べれば逮捕されることくらい,と考える人がいてもおかしくないでしょう。 「貧すれば鈍する」といいますが,デフレとそれによる不況の長期化は,そんなこんなで生産・流通・消費などそれぞれの視野を狭めているのではないでしょうか。 生産・流通は消費者のことを考えていないようですが,消費者も生産者のことはあまり考えていません。少なくとも私はほとんど考えていません。お互いが自分のことに懸命になりすぎた結果,こういった社会不安が醸成されているのかなあ,と最近思うようになりました。 で,先日の記事になるわけですが,政策決定者はこういった状況をどう考えているのでしょうね。 景気は一時に比べれば回復したとはいえ,10数年に渡る低迷を抜ける気配もなく株価も低迷し成長率は主要国最低レベル。さらにデフレが収まる気配もない中で何とかの一つ覚えのように利上げを言い続ける日銀,景気がどうだろうと税率を上げることしか考えていない財政担当者。 まったくやる気が感じられません。 これに煽るだけのマスコミが加わることで悪循環がさらに加速されているのでしょう。 事件にペタペタと対症療法的に規制を増やしていても埒があきませんし,その規制がさらに不況を呼んでいる中,まずやらなければならないのはデフレとその不況からの脱却です。 日銀は先ず利上げという言葉を封印し,政府は税金のことは一切いわないこと。原油高には円高で対抗だ!は冗談ですが。 インフレ誘導を悪魔的政策と呼んだ大臣がいますが,デフレ社会は既に地獄です。地獄に悪魔ならちょうどイイじゃないかな。 とにもかくにも,リフレ政策でもなんでも良いので,今のデフレ不況をなんとかしないことには,食品に限らず偽装や社会不安に関する問題は解決しないんじゃないかなあ,と思います。 仮に問題が無くなったとしたら,そのころにはあらゆるところで規制だらけでカネもモノも動かない社会ということになりそうです。そうなれば,日本は世界の動きからかけ離れた江戸時代に逆戻りです。 それならそれで良い,というのもひとつのご意見ではありますが。
2007年12月06日
食品偽装で大騒ぎの世の中ですが,とびっきりが出てきた気分です。 吉野家、「テラ豚丼」動画騒動で謝罪 「ゴキブリ揚げた」mixi日記は「事実無根」 ケンタッキーに「本人が謝罪」 食品を扱う会社のバイトが起こしたトラブル2件です。ならべるとケンタッキー・フライド・コックローチのインパクトが強烈ですね。 どちらも健康被害は出ないだろうと頭ではは思えますが,良い気分はしないです。 で,それぞれの対応はというと。 吉野家は,動画投稿に対する当社の対応について[2007.12.03] で事実確認が溺死大処分&再度社員教育の徹底をうたっています。 大してケンタッキーは,「事実無根の内容。5日夜に本人が、『いたずらで嘘を書いた』と保護者同伴で謝罪に来た」だそうです。 ケンタッキーの場合,ウソとか事実がない以上証明しようがない,というのはその通りでしょう。とはいえ,この答え方はちょっとありませんね。 ケンタッキーは特に研修を受けて合格したものしか料理できないとか聞きますし,それならば相応の管理体制があるはずです。それを説明しないことには,回りからは隠してるようにしか受け取られません。 あるいは,ゴキブリがほいほい出てくるような衛生管理はしていないとか。 逆にそういった管理体制がないのであれば・・・ほんとに揚げてるかもしれませんね。今後のさらなる対応に期待です。 吉野家の場合,どう見てもそんな体制はありません。調理の人は限られてかもしれませんが,色々なものが出入りは自由っぽい。テラ豚丼ではゴキブリのインパクトで負けてしまっていますが,実際に口では言えないような丼が無いとも限りません。これはコンビニおでんも同様ですが。 対応のやる気は吉野家の方がありそうなのが救いです。 自動車の安全性に対するコストに,消費者はきちんと金を払うようになったように,食品業界も安全衛生に対してコストを使い,それをしっかりアピールする必要が出てきたということなのでしょう。 安ければいいという時代はそろそろ終わりつつあります。 そういう意味では,いろいろな面で会社の差別化ができるようになりますので,かえって良いのかもしれませんね。
2007年10月29日
国が教育費を払わないことで有名な日本ですが,さらなる教育予算の削減を目指すそうで。 奨学金予算削減へ 回収不能2000億円/遊興費に転用増え… 日本の奨学金といえば育英会。年間5000億円弱を奨学金という名で貸している金貸しです。金貸しが悪いというわけではありませんが,返済が必要なものしかないってのは奨学金として,そもそもおかしいです。 高福祉国のみならず,米国ですら政府の奨学金予算は6兆円を超える額を出してるうえ,その1/3は返済不要です。予算削減なんて,これの半分でも出してから言ってもらいたい。 財務省がなに考えてるかなんて知らんけど,納税者の理解が得られない,なんて勝手にダシにされるのは迷惑です。気にせずもっと増額してくれて構いません,っていうか増額しろ。2000億円が回収不能だって言うなら,最初から2000億円を返済の必要ない形で給付しとけ。総額2000置くと言っても,毎年にすればそんなに大した額にはならん。 ちゃんとした奨学金を出しもしないで,グダグダ文句を言うのは筋違いです。 政治家も予算はなんでも減らせばいいってもんじゃないんだから,こういう出さなきゃならんところは,キッチリ出させるようにしてもらいたい。 ということで,次の衆議院選挙では,若年者にカネをかけることをキッチリ言ってくる政党に入れることにします。
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