2008年06月18日
土木建設業界はとても大きな業界です。当然,中の人たちも様々な意見を持っています。談合と一口に言っても,談合を主導する人,損はしてないので黙ってる人,嫌々付き合ってる人,談合に入れない人。。。それぞれ違ったことをいいます。といっても,談合は悪いことか?と聞かれれば,「悪いに決まってる」。でそのあとに「でもね・・・」と続く人がいたりいなかったりする程度の違いですが。 なぜ談合が起こるかといえば過当競争を避けるため以外にはありません。 過当競争の例でいえばタクシー業界が良いと思います。客にしてみれば,多少のサービスの違いはあれど,どれも同じようなタクシーですし,なにを選ぶかといえば,近場で電話すればすぐ来るか,安いかです。 とはいえタクシーが多いところではどこでもすぐ来ますし,多くなければそもそも競争になりませんので,結局は値段で決まってしまいます。結果,タクシー業界の過当競争は惨憺たるもので,運転手さんの過酷な境遇は「過当競争」で検索するとわんさか出てきます。 とはいえ,なぜ談合しないと過当競争になるかと言えば,需要と供給にギャップがあるからで,端的に言えば業者が多すぎるから。タクシーにしても,乗客は減ってるのにタクシーは増えてるからこうなっているのでありまして。。 ということは,結局のところ業者の数(あるいは従業員の数)が減らなければいつまでもこのまま,という結論になるわけです。 で,ここで問題となのは,業者が減っていく過程で淘汰されるのは質の良くないところばかりではないということです。淘汰されていく過程で起こるのは,技術やサービスでの勝負ではなく,ただの価格競争です。当然勝負は,会社の体力だけです。有利なのは,値段は安いが質も悪い会社。こうなると納税者を含め得する人はあまりいません。 じゃあどうしましょうね~,なんていって漫然と不祥事が繰り返されているのが現状といったところでしょう。 一応対策としては,優秀な会社には高くても発注できる制度なんかも取り入れられていたりしますが,じゃあ誰が優秀だと判断するかといえば当然役人です。 判断基準はお役所らしくクリアなので「傾向と対策」がとれます。悪意を持ってみれば,天下りしてもらうメリットが増えるだけとも言えますし,上手く形を変えた官製談合となってしまう可能性だってあります。 いっそのこと,適正価格なんてのはあきらめて,全部に値段でも張っておいた方が早いんじゃないかな,とか考えてしまいます。 ダムの堤体にでっかく○千億円!とか,道路工事の看板に落札額○○万円とか。 値段がクリアだと,高値の落札ってし辛いもんですし。
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