鮨竜のやっさん

2009年03月17日

開店の時ってのはいろんなことがあって、その中でも辛いのはいろんな人が善意でいろんな意見をしてくれる事だ。

とってもありがたい、すべてその通りの事なのだが、こちらの考えがまとまりかけている所に数十人の人から数十通りの意見をうかがうと、それでなくても様々なことに忙殺されている時季で、即決の判断が求められるときに
「ぐらっ」
っと判断が揺らぐ時がある。
まあオープンも2回目なのでそのあたりの処し方は比較的なんとかなったのだけれども。

で、店のお昼の営業での売り物、つまりはランチメニューを決める時に頂いた様々なご意見を鑑みて「おそば」という判断でスタートしたのだが。
オープン二日目、10組近いお客様が「昼に焼鳥ないの?」という問い合わせがあり。

HUGでの客層とかが具体的につかめていなかったから、お客様の考え方とこちら側の考えにギャップが生じてしまった。
表面上は昼から炭を熾すリスク等を考えて、これからもおそばで続けるとは言ったもののかなり考え込んでしまった。

その日の夜。
タバコを吸いに外へ出る道すがら鮨竜のやっさんに通路で会った。
すれちがいの挨拶もそこそこにやっさんは
「ばんぶうさん、うちに来てくれたお客さんからお宅で焼鳥買えなかったって話聞いたよ、そういうのはよくないんじゃないのかい?」
と、率直に言ってくれた。
まるで兄弟にでも言うように。

その言葉を聞いたらもやもやしていた気持ちがすとんと落ちて。
そうだ、お客様商売なんだ。お客様の求める事をしないでどうする?
自分が辛かろうがお客様の為に働くのが俺の仕事じゃないか。

その場でやっさんに何度も何度もお礼を言って、店に戻ってそばのダシを捨てた。


今日。
午前中の仕込みの時間からひどくめまいがする。
考えてみたら緊張の為なのか、オープンの日からまともな食事はほとんどしていない。
栄養失調かw
客足もまばらになった午後3時頃、ご飯を頂きに鮨竜へ。
一度してみたかった、お昼からカウンター寿司w

メニューにある「賄い丼」を頼んだら、1秒で出て来たwww
やっさんが5分後に食すつもりの自分の賄いをそのままくれたのだった。

やっさんの気持ちがのっかった賄い丼はとてつもなく美味かった。
ご飯を作る仕事って、やっぱりいいなと腹の底から思った。
本当に美味しかったなあ。
美味しいってのは、一体なんなんだろう。

職人気質でちょっとこわもてだけど、心やさしいやっさん。
今日も店の中でタバコ吸ってて怒られたwww
40過ぎて人に怒られる事は、貴重だ。
やっさん、また明日も怒って下さい。

あ、ハーフ丼でも1/3丼でも作ってくれるらしいんで、焼鳥と一緒にどうぞ。
って、合わないかwwwww


post by bamboo

01:12

HUG コメント(4)

この記事に対するコメント一覧

makoma

Re:鮨竜のやっさん

2009-03-17 08:55

何か猛烈に感動した。 今度鮨竜で賄い丼食べてくる。

つくし

Re:鮨竜のやっさん

2009-03-17 16:52

えー、じゃ、もう鶏そばは食べられないの? あれは貴重な1杯だったのかな(鳥栖にも勝てたし) いい人に出会えましたね。 きっとこの出会いは、宝になるはずだから大切にしてね。 >美味しいってのは、一体なんなんだろう。 食べ物に込める「愛」! ただ流れ作業で作るんじゃなくて、一つ一つに込める愛情。 きっと賄い丼にはばんぶうさんへの愛がイッパイ入ってたはず。 今度、焼き鳥をおかずに寿司食べに行く~。

Uji

Re:鮨竜のやっさん

2009-03-19 01:06

 何でしょう、俺の目頭も熱くなりましたよ。  つまり、こういう事ですね。  「HUGに行ったら、俺の店よりも先に鮨竜に行け」、と。

だいま

Re:鮨竜のやっさん

2009-03-21 18:28

個人店「居酒屋ばんぶう」だったら自分の都合優先でも良いと思うけれど、HUGというチーム戦の中で「焼き鳥」と言うポジションを担う約束で店を出しているんだから、焼鳥屋が鳥焼かないで何をどうするんだと。 当座焼き置きに、バーナーかなんかで炙ってひと手間…でも良いと思うんだよね。

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