2006年11月15日
嫁ののんちゃんが息子の学校との懇談から 帰って来た。 俺は丁度昼の仕事から帰ってきて、ヘロ ヘロしていたのでそのままバタリと寝て しまおうかとも思ったのだが、どういう訳か 急にコーヒーが飲みたくなり、冷凍庫から モカマタリを引っ張り出して2杯分お湯を 垂らし、カップを暖めて、セブンスターに 火をつけて、人の揚げ足をとるにっくき某を ぎゃふんと言わせる算段をするでもなく、 午後のコーヒーブレイクを満喫している ところだった。
で、のんちゃんが 「夏生がおわらい係をやっている」 と言うのである。おまけにポットにもう1杯 分だけ残ったモカマタリを俺によこせと要求 してきた。 のんちゃんが入れるコーヒーよりも俺が 入れるコーヒーの方が旨いのでそりゃ飲み たくもなるであろう。 本当は残りの1杯を飲みながら、松坂と 同じ年にメジャーリーグに移籍しようとして いる我らが阪神タイガースのなんちゃって エース井川の間の悪さについて思いを巡ら そうかとしていたのだが、井川ごときの件 で彼女の機嫌を損ねるというのはあまりにも 馬鹿げている。無抵抗で一定の成果を譲り 渡すというのはいかがなものかという邪心が ないではないが、この代償を求めない心こそ が夫婦愛なのではないか! そうそう、かっこいいぞ俺! というわけで残りのモカマタリは彼女のカッ プに注がれた。冷蔵庫にいれてあるチョコ くらい食べてやればよかった、とちょっと だけ後悔した。
でおわらい係であるが、担任の先生もまだ 1年生がそんな大人でも難解なことをできる のかしらんと心配したのだが、どうもうまく 機能しているらしく、おわらい係になりたい 生徒が増えすらいると言うのである。
「ちょっとまって。で、そのおわらい係って のは何をする係なの?」 「どうもね、休み時間にクラスメートを集 めて笑わせる係らしいの。」 「…でそれって学校の係な訳?」 「そうなんだって。」
とのんちゃんはモカマタリをぐびりと一口 飲んで、俺が入れたコーヒーは旨いという 件とモカマタリを選んで良かったという件 について賛辞を述べた。
俺はあと一つわからない事があって尋ねたの だが、それについてはのんちゃんにもわから ないという。
もう一つの謎、それはそんな馬鹿げた係を 考えたのはうちの馬鹿息子ではないでしょか? というある種の不安でもあるのだが、そこへ 底抜けに馬鹿げた踊りを踊りながら帰ってきた 息子を見たら、もうそれを本人に尋ねる事 自体が馬鹿げてるなと思い、拭い切れない血 の因縁を思い知る午後のコーヒーブレイク であった。
蛇足だが俺はトラジャの方が好きかも知れない。