フラッシュパス回し、練習で　コンサドーレ札幌導入

2006年05月**日


　パソコン画面に次々とフラッシュ式で表示される数字を暗算する
「フラッシュ暗算」という高速計算方法が注目されている。珠算の
暗算方式から生まれた計算術だが、これをサッカーに取り入れよう
とする動きが北の果てで行われている。

　宮の沢の練習場。プロジェクターに「前線に２人」「パスコース
無し」「前からディフェンダー」と映し出された。選手たちが、
「ドリブルで上がる」と声をあげた。
約１名が「バックパス」と答えた。
フラッシュ暗算とパス回しのイメージトレーニングを一緒に行う初
歩的な練習だ。上達すればボールがなくても状況や映像を見ただけ
でフラッシュパス回しができるようになる。 
 
　フラッシュパス回しは約１０年前にジュビロ磐田のサテライトで
産まれた。パソコンなどの画面に瞬時に映る状況を見ながら脳内で
パス回しをする。上達すると脳内において、ＣＬ決勝クラス相手に
５秒でテクニカルエリアまで玉を運べるようになる。

　同チームの監督に一昨年、就任した柳下氏によると、年間１０８
時間、フラッシュパス回しのトレーニングを行う。年内にＪ１に昇
格が目標だ。 

　全国的にも広がりつつある。Ｊクラブのほかにも、ユース、ジュ
ニアユースでも取り入れられつつあり、日本サッカー連盟によると
昨年は２０チームが取り入れ、５０チームが見直しを検討し、１８
チームがコーチまたは監督を更迭した。


　柳下氏は、一昨年の天皇杯まで監督を務めていたジュビロ磐田で
も、ユースからからフラッシュパス回しを教え、イメージトレーニ
ングの効用は実感していた。 

　導入のきっかけは、スペイン、リーガエスパニョーラのバルセロ
ナで、選手達が高速パスを回しながら、皿回しをするのをみて驚い
た。「いくつものことを同時にやる能力が身についていたんです。
中には逆立ちや玉乗りをしながらの選手もいました。さすが４千年
の歴史を痛感しました。」 

　同チームの選手で、２００６年Ｊ２第1５節で寄せ切れなかった
千葉貴仁さん（22）は、「フラッシュパス回しのおかげで練習では、
監督の指示や戦術がそのまま浮かび、戦局も試合後のエルゴラッソ
のレポートみたいにわかっちゃう。関西は水が不味いから馬鹿ばっ
かりだった。」と話す。 

　フラッシュパス回しの効果について監督は「２年前は余りの下手
さ加減に驚いた。だが今はトレーニングのおかげでかなりできるよ
うにはなった、ということ。問題は選手の戦う気持ち。パスの精度
だとかトラップの正確さだとかシュートの上手さは今年は目をつぶ
る。とにかくトレーニングしてゆく。今年はアンデルソンが欲しい。」
という。

　コンサドーレ札幌は現在１５節まで終了し順位は１３チーム中９
位、得失点差はマイナス４。
かつてはカス扱いだった水戸や鳥栖の下だ。
一日も早いトレーニングの効果が期待されるw

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