秋春制に反対する人への疑問

2008年07月24日

Jリーグが秋春制の導入を検討していることに対して、北国札幌は大反対の様です。
しかし、私はこの議論に非常に噛み合ってないというか違和感があります。
(※反論のある方は、お手数ではありますが、昨日の拙稿秋春制に私は賛成です。
をお読みになってからにしていただけると助かります。)

まず、反対する人に聞きたいのですが、
秋春制を導入すると冬に無理やり試合をしなければいけないのでしょうか?
反対する人の多くが、北海道で冬に試合をするのは不可能だ、若しくは、
ドームでやったとしても積雪や寒さのために観客動員が見込めないなどの反論を掲げています。
もし、冬に試合をすれば仰るとおりだと思います。

しかし、私が腑に落ちないのは、なぜ秋春制は冬に試合をすると決めつけるのでしょうか?
むしろ、ヨーロッパでも積雪のある北欧、中欧の国々は、
秋春制ですが冬期中断期間が1ヶ月~3ヶ月あることの方が普通です。

昨日のブログにも書きましたが、2010年からの導入を検討するということは、
冬期間も試合をするとしても、いきなり全天候型のドームを全ての雪国
チームにつくることは不可能ですから、そもそもインフラ的に実現不可能です。
なぜ、秋春制でも中断期間を設定するという発想が頭からないのでしょうか・・・(・・;)

現行でも、3月下旬から12月上旬までリーグ戦があるので、
その日程を大幅に変えない限りは、秋春制にしても現状とさしたる違いはないと思うのですが・・・。



次に、秋春制を導入したところで海外へ移籍する日本人は少数で、
そんな少ない人のためになんで多くの人が迷惑を被らなければならないのか?
という意見もよく見ます。

では、このままで日本代表は強くなるのでしょうか?虎穴に入らずんば虎児を得ずです。
欧州のトップリーグで何人活躍しているかが、現状その国のサッカーレベルを
表しているといっても過言ではありません。
そして、日本代表が強くなることは、日本のサッカー界にとってもプラスだと思います。

日本を代表する選手たちが世界的なトッププレイヤーであることは、
そのスポーツにとって大きな魅力になるはずです。
中村俊輔が海外で活躍することが、日本のサッカー人気に繋がります。

そして、残念ながら、現状、日本代表を強化する抜本的な方法が、
レベルの高い欧州でプレイする選手を増やすくらいしか考えられません。
少しでも選手を海外へ送る工夫をしなければ、南米や欧州との差は
いつまでたっても埋まらず、W杯で勝てません。


日本代表のためなら何をやってもいいのか?日本代表のために
地域密着のJリーグが犠牲になる必要はないという意見もあるでしょう。

野球とサッカーの魅力の違いの一つは、世界に繋がっているかいないかです。
野球はアメリカのMLBが協力しないので、世界大会も盛り上がりません。
それに強い国が限られていて、サッカーに比べて世界的にチーム数も少ない。
(※そもそも一国の王者を決める試合をワールドシリーズと呼称したり、
その勝者がなんでワールドチャンピオンなんだと・・・(・・;))

野球は日本代表が強かったので、アメリカがベストメンバーではなかったとはいえ、
WBCは国内的に大いに盛り上がりました。
世界的にみてトップレベルで活躍するその他のスポーツが日本にある以上、
サッカーもその水準にある必要があります。
やはりバレーボールを見てもそうですが、
代表が強くないとそのスポーツそのものが盛り上がらない。
例えば、今後もW杯に出ても1勝も出来ないとか、
もしくは、この先、W杯に出場すらできなかったとしたら、
日本のサッカー人気はどうなるでしょうか?
代表が弱いことは、サッカー界に未来がないことと同義でサッカー人気も先細りする一方です。

秋春制反対の方に、秋春制導入以上の効果のある日本代表強化策はあるのでしょうか?
このままで日本は、W杯で勝てる国になるのでしょうか?
そして、日本代表とJリーグの人気は本当に別物だと言い切れるのでしょうか?