2010年12月07日
札幌にブラジルやアフリカから、練習生が来たみたいですね。 “選手の多国籍化”と報じられてましたが、長らく日本や欧州のチームにとって、 安価な“決定力不足解消”の供給源であったブラジルが変わりつつあります。 ブラジルは、近年、経済発展が著しく、 “BRICs”として挙げられるように、通貨レアルの価値が上がっています。 つまり、ブラジルの選手は、 “安くて上手い”という今までの“お買い得感”が、なくなりつつあるんです。 なんでこの話をしたかといえば、 “決定力不足ならブラジルから選手を連れてくればいい” とは、安易に言えなくなってきているということです。 というわけで、安定した成績を残すためにも、 チームとして個に頼るのではなく、チャンスを多く生み出し、 決定力を高めるチーム作りが従来より必要とされているわけです。
さて、そこで、前回に引き続き、パスサッカーと4バックという話になるわけですが・・・ 前回の記事のコメントで、 “最終ラインにDFを4人並べる4バックでラインディフェンス”が、 くどい って書かれましたが、意味があるんです。(笑) 今回は、DFラインに並べるDFの人数について書こうと思っていたからです。 (↑前回のくどい言い回しは、今回の前振りのつもりでした。(笑)) 基本的に、4バックでパスサッカーをするという考え方は、 オフサイドというルールを前提としています。 だから、最終ラインにDFを横一線に並べるラインディフェンスをして、 相手からオフサイドをとりやすくします。 ラインディフェンス以外の守り方は、主に3バック時に見られる 相手2トップに対してマンツーマンで守って、残りの一人がカバーする方法があります。 (※5バックは、3バックのWBが下がった形として亜種と考えます。 また、DFラインに参加する人数が多いとオフサイドがとりにくくなります。) 3バックでラインディフェンスをする方法もありますが、 それが、2002年W杯時の、トルシエJAPANの“フラット3”です。 確かに、パスサッカーをするなら、DFラインの人数を4人から3人に減らし、 中盤や前線の人数を増やして、3-5-2や3-4-3にして、 パスコースの三角形をたくさん作った方がパスが繋がるように思えます。 しかし、日進月歩のサッカー界が、今後、どうなるかはわかりませんが、 現実には、“フラット3”は、世界的に普及していません。 理由はいくつかありますが・・・、 一つは、4-2-3-1や4-3-3などの1トップや3トップを採用するチームが増え、 3バックでは、DFは一人余らせるというDFの鉄則から考えると 不都合が生じやすいことがあります。 3バックだと、1トップに対しては、二人余る計算になります。 3トップに対しては、FWとDFが同数になってしまいます。 4バックだと1トップに対して、3人余るじゃないか!と思われるかもしれませんが、 その場合は、CBの二人が最終ラインに残り、両SBが積極的に上がることで解消できます。 (※2トップの時も基本的には、どちらかのSBが上がれば解消できる。) 4バックだと、3トップに対して一人余る計算になります。 また、もう1つは、3バックだと、3人のDFの守備範囲が広くなります。 特にピッチの横幅に対して、両サイドをカバーすることが難しくなります。 従って、3バックの選手にダニルソンのような超人的な能力が求められます。 もし、ダニルソンをDFラインに3人揃えられれば、機能するかもしれません(笑) そこで、ピッチの横幅に対して、攻守のバランスを考えると イングランド代表監督のカペッロ曰く、4人が適正と考えられています。 というわけで、オフサイドトラップを狙って、ラインディフェンスをする場合、 最終ラインにDFを4人並べる4バックを採用するチームが多いわけです。 ただ、次に、パスサッカーをするには、 最終ラインをどの位置まで上げるかが重要になってきます。 今季の札幌が、4バックでも3バックでも大して違わない、 むしろ、3バックの3-5-2の方がパスが上手く繋がってしまうのは、 4バックでラインディフェンスをするメリットをチームとして 上手く活かせていない可能性があります。 一応、次回は、この辺りを書く予定です(-"-;A ...
MasaMaru
Re:パスサッカーと4バック。 -その2-
2010-12-09 01:00
あー、ごめんなさい。くどいと書いた者です(笑)。何故“最終ラインにDFを4人並べるラインディフェンス”や“4バックによるラインディフェンス”ではいけないのか。回を重ねるごとに深くなっていくのは判っているので、その辺にも注目して追って行きたいと思います。 >むしろ、3バックの3-5-2の方がパスが上手く繋がってしまうのは、 一番良かったのは4-2-4、それも4トップというのではなく、DF4、守備的MF4、攻撃的MF4のパターンでした。最後の数試合、怪我の功名から機能し始めた札幌版0トップです。ただ、回るパスが一番前の4のところで、その先がないので、戦術としてはどうなのよですが…(個人的にはそのまま突き詰めて、誰も思いつかないようなサッカーを確立してもらうのも面白いかと思うのですが…)。 その良かった時期、西嶋のサイドは攻撃に意識がむいていましたから、最終ラインは3人になっている時間が多かったです(加えて藤山あるいは岩沼が上がり出すと相当調子が良いと判る)。 つまり、メリットを活かすも何も、4人でラインディフェンスをやってなかったんじゃないでしょうか、あんまり。 いずれにしろ、シーズンが終わってここがラボになる季節が来たなぁと。 こちらでの考察が翌シーズンの観戦に活きるためにも今のサッカーを継続していただきたい。 あと、個人的にはフラット3嫌いじゃないです。と言うか、トルシエジャパンが好き。たぶん、歴代最強でしょうしね。
whiteowl
Re:パスサッカーと4バック。 -その2-のお返事。(まさまるさんへ)
2010-12-10 18:48
>何故“最終ラインにDFを4人並べるラインディフェンス”や“4バックによるラインディフェンス”ではいけないのか。回を重ねるごとに深くなっていく いや、そこは深くなっていかないでしょう(笑)。 表現の問題じゃなくて、3バックとの違いや ラインディフェンスじゃないマンツーマンでの守り方との区別を強調して書きたかっただけなので。 >西嶋のサイドは攻撃に意識がむいていましたから、最終ラインは3人になっている時間が多かった フォーメーションは固定的ではなくて、攻守において流動的に変化します。 基本が、4-2-3-1or4-4-2で、 攻撃時に4-2-4になるということはありえます。 ラインディフェンスに意味があるのは、オフサイドをとるためですから守備の時です。 むしろ、攻撃時に最終ラインに4人並べるのは、デメリットが大きい。 つまり、攻守においてフォーメーションはもっと流動的なんです。 >トルシエ トルシエはずっと“フラット3”と言ってましたが、実際は、日韓W杯時もフラット3はやってません。 宮本がトルシエが上がれとうるさいが、自分は他の選手と話し合って、 フラット3は無理だから従わなかったとW杯後のインタビューで答えてます。
MasaMaru
Re:パスサッカーと4バック。 -その2-
2010-12-12 22:30
>トルシエはずっと“フラット3”と言ってましたが、実際は、日韓W杯時もフラット3はやってません。 これって、 >フォーメーションは固定的ではなくて、攻守において流動的に変化します。 結局こういうことなのでは?基本戦術はフラット3でしょう、と言うか、トルシエはそれしかやる気がなかったわけで。 ただ、根底にあったその“枠”を、宮本や中田や稲本が微妙に壊していっただけで。ただ、それこそあの代表の強さだったと思っています。 トルシエが選手の自立性を尊重しなかったことに対して批判的な意見もありますが、私はそれが良かったと思う。枠をもらって初めて機能する、枠をもらえなきゃ反抗も出来ない、日本の選手はまだそのレベルだったわけで(翌年の放任ジーコジャパンの酷さと言ったら…)。ちゃんと判っていたわけでしょう。 ヤンツーの最後の天皇杯のガンバ戦も、カウンター一辺倒だったなんて言う人がいますが、あれは攻撃サッカーが根底にあったから、できたカウンター。whiteowlさんのおっしゃる通り、チームとして据える戦術と、局面局面の状況は別。 ありゃ、何の話でした? ああ、トルシエジャパンが好きだったのは、その基本戦術が、当時でもどこもやっていないものだったからというのもあります。石崎札幌にも、どこもやっていないようなサッカーをやってもらえたら楽しいのにな、と思います。 えらく本筋から外れてしまいました。ごめんなさい。
whiteowl
Re:パスサッカーと4バック。 -その2-のお返事。(まさまるさんへ)
2010-12-13 18:29
>根底にあったその“枠”を、宮本や中田や稲本が微妙に壊していっただけで。ただ、それこそあの代表の強さ 確かに、日韓W杯代表の強さはそれでしょうね。 ただ、“フラット3”は“枠”としてすら否定されていたと思うんですよ。 それに、その後のトルシエの干されっぷり。(笑) これからどうなるかはわかりませんが、フラット3には今のところ否定的な意見が多いです。 >カウンター一辺倒だったなんて言う人がいますが、あれは攻撃サッカーが根底にあったから、できたカウンター。 相手によりますからね。 相手によってどの位置でカウンター(攻撃)を始めるかの違いでしょうからね。
MasaMaru
Re:パスサッカーと4バック。 -その2-
2010-12-14 00:46
>その後のトルシエの干されっぷり。(笑) 確かに。監督としては暇そうですよね。インタビューや解説では割と見ますが。アフリカでさえ、もう仕事はないのかも。 あ、缶コーヒーのコマーシャルで見ましたよ、最近。 でも全然困ってなさそうなあのシレッとした図太さそ見てると、もうひと花くらいありそうな気もします。あれくらいがむしろいいのかも。サッカーの監督なんて。
プロフィール
当ブログは、ただのサッカー好きが、地元北海道のプロサッカーチームであるコンサドーレ札幌の情報を中心に、サッカーの話やそうでないものをチラシの裏的に書いたものです。 “whiteowl”の由来は、“ドーレくん”から何となく。 特に、サッカーの戦術やプレーに興味があり、他のスポーツも観ます。空手は、黒帯。 最近は、気分転換も含めて、スタジアムの色々なこところで観てます。 始めは純粋にサッカーだけに興味があったのですが、このチームは経営がもっとしっかりしないと強くならないと感じるようになってからは、HFCの経営に関する記事も書いてます。 尚、記事が長いのはデフォルトです(-"-;A ... コメントについて: 当ブログでは、長文コメント大歓迎です。 頂いたコメントに、すぐ反応できない場合が多くて申し訳ないのですが、極力返事をする方針です。 ただし、感情的なコメント、悪意が感じられるものについては、スルーするかブログ主権限において削除する場合があります。 ※当ブログはリンクフリーですが、コメント欄にでもこそっと書き込んで頂けると嬉しいです。
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