HFCの経営問題を考えるのまとめ。 -その1-

2009年11月23日

今まで長々とHFCの経営問題について色々と書いてきましたが、
そろそろまとめていこうかと思います(-"-;A ...


まず、問題の出発点として、HFCは経営危機にあるのかという認識ですが、
昨季、累積赤字解消のために減資、増資を行ったHFCですが、
それによって累積赤字が完全になくなったわけではありません。

したがって、HFCが引き続き経営危機にあるという認識はもたねばなりません。

具体的には、株式会社 北海道フットボールクラブ 決算・予算より、

昨年、25億5千万円あった資本金を7億9千万円に減増資して累積赤字を減らしましたが、
尚、7億3千万円の累積赤字を残しています。

つまり、

資本金(7億9千万円)-累積赤字(7億3千万円)=@6000万円

今季、6千万円を越える赤字額を出すと、再び債務超過に陥ります。(≒事実上の倒産状態)



また、このような恒常的な赤字体質を生み出した原因は、

結果を出さなければサポーターもスポンサーも付いてこないからという理由で、
本来的には、経営責任の所在がはっきりせず赤字ができない経営体質でありながら、
毎年、HFCは博打的な予算を組むことを強いられていること。


このような昇格への圧力が生まれる背景として、

クラブの収入(2007年)は、上から5、6番目で昇格圏にない事実より、
観客動員数(2007年)は、仙台に次ぐ2位の昇格圏にある事実が過大評価され、

これだけ他のチームよりたくさんの人が応援しているのになぜ強くならないのか?
という一般的な不満があることが推測できます。


このギャップを埋めるために、赤字を補填してくれる親会社の存在もなく、
行政への借金(すでに5億円)も期待できないにもかかわらず、
HFCは、経営規模に合わない(≒“身の丈”ではない)選手補強を続けてきたため、
放漫経営が続き、累積赤字をこれまで解消できずにきた。


まず、ここを厳しく反省しない限り、
HFCは常に存続の危機にあるといえます。


したがって、このような恒常的な経営危機にあるHFCに絶望を感じ、
親会社待望論や、HFCを潰してもう一度作り直せといったリセット論が出てくるわけです。

しかし、このような放漫経営の企業を肩代わりするような物好きな親会社が表れることは望み薄ですし、
リセットしたとして、昨今の大分やヴェルディといった日本サッカー界を巡る厳しい状況を鑑みれば、
今のHFCの状態より良くなるという保障もありません。


ですから、チーム存続を最優先と考えれば、
“身の丈”経営をして毎年黒字を出すことが大前提となります。






しかし、HFCはまた“マジック”をしようとしています。
(≒無いものをあるように見せかけようとしている。)


【道スポ】来季観客増へ総動員 29日ホーム最終戦にトップ、ユース全選手参加 ホームゲーム激減に危機感  (11/12 10:05)

 目標動員数は今季実績並みと“弱気”にも聞こえるが、それも来季のホームゲーム減少の可能性があることを見据えてのもの。今季のJ2は、18チーム3回戦制で、過去最多の51試合だった。来季、1チームでもJ2チームが増えれば2回戦制になることが濃厚。 

 つまり、ホームゲーム数が今季の26から、最悪18ゲームまで激減する可能性がある。矢萩社長は「19チーム2回戦制ということを想定している」と、1試合換算では、今季(25試合消化現在約9760人)を上回る、1試合1万3000人強の観客動員を目指すことになる。


この報道が事実であるとすれば、
来季の1試合あたりの観客動員を平均3000人も上げるという予算を組もうとしています。

来季の観客動員増加の具体的な方法も、その効果も曖昧な中では、
また観客動員数を水増しして、見せかけの来季の予算を確保しようとしているようにしか見えません。

来季、平均1万3000人の観客動員を達成できなければ、再び来季も赤字です。
現状維持の戦力を無理矢理捻り出すための苦肉の策ともいえますが、
来季も博打的な予算が組まれることになりそうです。

こうして赤字経営は続き、その責任を負って社長は代わりますが、
負債は残り、確実にHFCの経営を蝕んでいく。

来季も赤字になったら、その時はどうするつもりなのでしょうか(-"-;A ...

その“負の連鎖の繰り返し”です。






したがって、HFCの行動をサポーターが厳しく監視していかないと
そのうち本当に無くなってしまうと思います。


こんな借金まみれのチーム残す価値もないとか、無くなってしまえという場合を除いて、
チームが存続しなければ、J1に上がることも、
ACLに出て世界クラブトーナメントに出て世界一になることも、
あの選手をチームに補強して欲しいという願望も、
監督の戦術や選手のプレーに文句を言うことも出来ませんから、
チームが存続することが最優先だと考えます。



しかしながら、そんな現実的な話ばかりしていても夢がありません。

私は、プロスポーツの興行は、古代ローマのコロッセオに始まり、
少なくとも現実の厳しさから逃れ、夢を見るためにあると思っています。

人間、苦しそうなところにわざわざ首をつっこむ人はいません。
人は、楽しそうな雰囲気のところに集まります。

HFCは、今までの負のイメージを払拭し、
コンサドーレ札幌は、強さ以外のところで残す価値があることを
対外的にアピールして、正のイメージを作る必要がある。

HFCがこれまで身の丈以上の強さを常に求めてしまうのは、
コンサドーレ札幌が、試合の勝敗以上の価値を観客に提供できていないからだともいえます。

負のイメージを正のイメージに転換することは、
マイナスをプラスにするわけですから生易しいことではないでしょう。
しかし、大前提として黒字経営をしながら、イメージの転換を狙っていかないと、
現実を見すぎることで夢がなくなり魅力を失ってしまう。


私は、そのキーワードになるのは、“長期的視座”と“地域密着”だと考えています。



まとめようと思ったのですが、まとまらなかったので(-"-;A ...
次に、今後の展望を書いて終わりにしようかと思いますm(_ _"m)ペコリ





この記事に対するコメント一覧

ykk-i

Re:HFCの経営問題を考えるのまとめ。 -その1-

2009-11-23 20:13

興味深く拝見しました。 論理的な経営状況の分析は なるほど・・・と率直に感じました。 そのなかで経営状況について1点だけ気づいた点を書かせていただきたいと思います。 「コンサドーレは行政から巨額の補助を受けている」 という点です。 行政は市民(道民)の税金から補助金を捻出しているわけで、もはやコレだけの補助を受けているHFCという団体は札幌市の公共財としての位置づけをされており、事実、補助金なしでは経営が成り立っていない状況です。 この位置づけがある限り、今後、思い切った経営方針を打ち出そうとしても行政からのGOサインが出ない限りは決して踏み出せないという弱点があります。 チームの経営に行政が大きく口出しをできる立場にあるのです。極論を言えばコンサドーレの経営は議会で認められるようにならなければならないわけです。  チームをなくすという選択肢もありましたが、これはチームに出した融資を行政があきらめるということであり、行政側が補助金団体の指導不十分で回収不能となる不良債権を抱えるということを意味し、行政の信用問題に発展し、ひいては今後の様々なスポーツ競技の補助金行政に大きな影響を与えることになりかねません。  そんな冒険はおそらくできないでしょう。  現状では行政が納得するような思い切った打開策を展開することもできず、ただただ行政にすがってずるずると経営を成り立たせているのが実態ではないでしょうか?  融資を返済し、経営の行政補助分もカバーできる大口スポンサーが現れれば一気に解決するのでしょうが、今の経済界にそんな力があるところはないでしょうし、今のコンサドーレにそんな巨額を投じる経営的価値がないのも現実だと思います。  しかし、おっしゃるとおり現実的な話ばかりしても何も解決しないのも事実です。  幸いコンサドーレはユニフォームスポンサーがいないという状況までには現時点では至っていません。  多くのスポンサーを獲得してきた今までの経営的努力を踏まえ、行政に頼りながら地道に魅力あるチーム運営を考えた経営を続けていくしかないと思います。  そういう意味では前社長の行ってきた体力づくり教室や食育などの一見プロサッカー経営とは無関係に見える分野にも手を出していかないと行政の理解を得られなくなっているのではないかと考えます。  プロサッカーは2の次で、HFCが行政の体力づくり推進財団としての道を歩む選択肢もあると思います。 (これは恐らく誰からも支持されない方策でしょうけれどね)

whiteowl

Re:HFCの経営問題を考えるのまとめ。 -その1-のお返事。(ykk-iさんへ)

2009-11-24 17:39

コメントありがとうございます。 私が何か画期的なアイディアを持っているのではないか? という憂慮でのアドバイスであったのかもしれませんが、 今日の記事にしましたように、私は何も持っていません(苦笑)。 >思い切った経営方針を打ち出そうとしても行政からのGOサインが出ない限りは決して踏み出せない HFCは、既に中期経営計画2009-2011というのを出しています。 http://www.consadole-sapporo.jp/club/pdf/chuki09_11.pdf そこに書いてある内容は、決して行政の意向と矛盾するものではないと思います。 問題は、HFCが危機意識を持って、 その計画を着実に実行しようとする“やる気”を示せるかだと思っています。

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