ピッチの上で、エゴイストになれ!

2008年04月09日

4月8日付 朝日新聞 12面で、
日本代表にも選ばれている鹿島アントラーズのCB岩政が、レギュラーについて書いている。

(※以下 記事より抜粋)

>それまでは監督やほかの選手の要求にこたえようと、周りの声をすごく気にしていたが、無理やりでも、自信を持ってプレーする状況を作ろうと考えた。ある意味エゴイストになって割り切ろうと。
 (中略)
>指示を出されて「わかった」と言うけれど、自分のリズムを乱されないようにやりたいプレーを優先した。(中略)これを始めてすぐにレギュラーになった。僕には「無理やりの自信」が必要だった。


鹿島と札幌では、戦術面での縛りなど状況が違うので一概にはいえないかも知れないが、
最近、試合に出ることの多くなった若手の西や岡本を見ていると
もっと自分のプレーを出せばいいのにと感じることが多い。

ボールをもらっても自信なさそうにプレーする。また、精神的な余裕がないので、
ボールをもらいたがらないし、もらってもすぐにパスを出してしまう。
そして、苦し紛れにパスを出して、ピンチを招くことも多い。

昨季、J2の終盤戦、チームが下降気味な時に救世主のように現れ、
劇的な活躍を見せた二人の姿は今は見られない。
あの頃は、試合に出ても訳も分からず、ただがむしゃらにやっていただけなのかもしれないが。
それから、J1に舞台を変え彼らも今年は戦力として期待され、チーム戦術の中で
動くことを求められているし、それに必死に応えようとしているのかもしれない。
しかも、三浦サッカーは特殊なゾーンディフェンスを敷いているので、守りの約束事が多いのだろう。

しかし、監督に言われたことをこなすだけの選手なら換わりは効くのであり、
ピッチの上に立つには、更に、そこにプラスして
自分がピッチの上にいるための存在証明、自己主張が求められるはずだ。

以前、GK佐藤のキックは彼だけの武器になるかもしれないのに使い方が
GK佐藤のキック力がもったいない。
もったいないと書いたが、当然チームである以上約束事をある程度
守った上ではあるが、自分にしか出来ないことをピッチの上で表現しなければ、
他の選手を押しのけてピッチの上に立つことはできないだろう。

その場合、約束事を優先するか、選手の個性を優先するかというバランスは、
チームの事情や監督の戦術によって変わるかもしれない。
だが、ピッチの上で、その選手が個性を出さなければ、ピッチの上に
立てないことに違いはないし、我々はスタジアムに監督のロボットではなく、
その選手の個性が放つ輝き(プレー)を見に行くのである。

戦術を守ることも重要だが、ピッチの上で自己主張することもまた重要なはずである。


西、岡本を始めとして、最近見ない上里、鈴木。若手には、失敗を恐れずに
もっと積極的にプレーして、ピッチの上で自分をもっとアピールして欲しいと思う。
DFの場合はそうもいかないかもしれないが(笑、攻撃の場合は失敗することの方が
多いわけであって、チャレンジしなければ成功することはない。
それぞれに課題があるのかもしれないが、長所が短所を上回れば使われる。
自分にしかできないことを磨けば、換えが効かない選手になれる。

そして、岩政がいうように無理やり、根拠がなくてもいいから、
自信を持ってプレーして欲しい。
自信のないプレーをされると見ているこちらも不安になってくる(笑。
周囲の選手もパスを出しにくいだろうし、監督も使いたいと思わないだろう。
若手を育成するには我慢が必要かもしれない。しかし、基本的には自信は
自分で持つものであって、周囲が持たせることは出来ない。
そして、最初は根拠のないものであっても、次第にプレーを重ねることで、
それは確信へと変わっていくはずだ。


今の札幌は、決してチーム状況は負けることも多く良いとはいえない。
その中で、芳賀や西嶋、ダビィが、満身創痍になりながらも出場しなければならない。
この状況を打開するには、もう一皮も二皮も若手に剥けてもらわねば、
札幌のJ1残留は厳しいだろう。
まして、経済的に苦しい札幌は、若手の成長に頼るしか根本的な方策がないのだ。

しかし、裏を返せば、若手にものすごいチャンスのあるチームでもある。
これからの若手の積極性にチームの浮沈が係っていると思うだけに、
私は彼らの奮起を願って止まない。それが、根拠のない自信であってもいいではないか(笑。

そして、少なくとも私は、彼らがピッチの上で成長する姿を是非今年見たいと思っている。


post by whiteowl

21:31

Consadole Sapporo コメント(0)

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