アジア枠創設。

2008年09月12日

以前から話題になっていたアジア枠の導入が正式に決定されました。

この制度は、来年から、現行の外国籍選手3人枠に加えて、
新たにアジアサッカー連盟(AFC)加盟国の選手一人の登録を認めるもの。
出場可能な外国籍選手は同枠選手を加えて4人になります。
Jリーグ来年からアジア枠創設を決定(本日付日刊スポーツ)


しかし、実は、これとは別に今までも在日外国人特別枠がありました。
この制度の適用選手として有名なところだと川崎のチョン・テセ選手。
札幌には、チョン・ヨンデ選手がいます。
(※この場合の在日外国人は、所謂東アジア諸国の人々だけではない点に注意。)
従って、この特別枠を含めると1チームにつき
外国籍選手が実質5人まで試合に出られることになります。

ただ、この今まで適用されてきた在日外国人特別枠は、日本で生まれ、日本の学校を
卒業した者でなければ、適用されないらしいのです。
つまり、日本の高校や大学を卒業した在日外国人は「特別枠」の対象になるが、
具体的にいえば、朝鮮高級学校や朝鮮大学校を卒業した選手は、
「特別枠」の対象にならなかったということです。

以上のような問題も、今回のアジア枠の創設によって、今まで特別枠の対象にならなかった
在日外国人選手が、Jリーガーになれる可能性を広げたことになります。
(※将来、アジア枠の人数制限をなくし特別枠をなくそうという動きもあるらしい。)

このアジア枠の創設は、日本人選手の出場機会を奪うので反対だという意見もありますが、
2005年にJリーグの選手会がアンケートをとり、9割の選手から回答があり、
その内6割の選手が特別枠の拡大に賛成した(2006年2月4日朝日新聞)ことも、
外国籍選手枠拡大で最も利害関係が絡む選手からの賛同を得たことで、
実現を加速させた要因になっていることは間違いないでしょう。


日本に住む登録外国人は、札幌の人口より多い215万人を越え、日本における国際結婚は、
東京では、結婚したカップルの10組に一組、全国だと20組に一組。(だったはず・・・。)

さらに、少子高齢化が進み、将来の労働力不足が心配される日本は、
外国人労働者を積極的に受け入れざるを得ない状況になっており、
個人の好むと好まざるとに関わらず、所謂「国際化」が進んでいます。


アジア枠創設の目的は、ゲームのレベル向上とアジアにおける
新規事業開拓(Jリーグの放映権の販売)などとされていますが、
日本も「国際化」というか、「グローバル化」の影響を受けていることの
現れでもあるのではないかと思っています。




余談

JFAが今年から、JFAの創立記念日である9月10日を
「JFAフットボールデー」と定め、各地で様々なイベントを開催するらしい。

9月10日のJFAフットボールデーを記念し多彩なイベントを開催~オリジナルサッカーボール1000個プレゼント!~

定着するかどうか?


post by whiteowl

12:35

J-league コメント(4)

この記事に対するコメント一覧

Ryosuke

Re:アジア枠創設。

2008-09-12 20:15

お久しぶりです。私は大賛成です。 今後はAFC域内全ての国でそうなることを願っています。 アジア圏の選手の流入は日本人選手の活躍の場を減らしそうですが、 アジア枠が他国で導入された場合は日本人の活躍の場が広がるでしょう。 おそらくアジアサッカーのレベルを考えると日本人の流出が多くなるでしょうから、 新たな日本人選手が活躍する場を与えられるのではと感じています。 東南アジアで無名の日本人が活躍し、日本へと逆輸入ということも、 今後あるのかなと思っています。 もちろん経済的な部分も期待したいですが、コレに関しては、 結果が出るのはかなり先の話になりそうですね~。

whiteowl

Re:アジア枠創設。(Ryosukeさんへ)

2008-09-12 21:36

>アジアサッカーのレベルを考えると日本人の流出が多くなる 以前シンガポールリーグに、札幌からも上田とか吉瀬が行ってましたね。 逆輸入選手も出てくるかもしれません。 ただ、日本とAFC加盟国のリーグにレベル差があり、 国内のJリーグ加盟チームが増加しているため日本人がAFC加盟国へ行くことは アジア枠がつくられたとしても、今後もあまりないと私は考えています。 まあ、この問題は色々と絡んでくるので、楽観視していないのですが、 私もJリーグで見られるサッカーの質があがるなら、アジア枠賛成派です。 経済効果は、確かに薄いかもしれません。 中国の経済も今後どうなるかわからないしね・・・(・・;)

EBT

Re:アジア枠創設。

2008-09-12 23:12

お久しぶりです。 >つまり、日本の高校や大学を卒業した在日外国人は「特別枠」の対象になるが、具体的にいえば、朝鮮高級学校や朝鮮大学校を卒業した選手は、「特別枠」の対象にならなかったということです。 それは少し違います。チョン・ヨンデもチョン・テセも愛知朝鮮初級学校→中級学校→高級学校→朝鮮大学校の学歴ですが在日外国人特別枠の適用されてます。 これは彼ら二人に限った事ではないですがJリーグ(もっと言うと初代川渕チェアマンの意向)が重視しているのは”偏向教育”を受けてきた民族学校の洗脳を解くため、ある一定期間は日本の学校教育法に則った教育を受ける事が必要なので、チョン・ヨンデは都立上野高校の通信制過程(現在は一橋高校に移管)を終えて適用資格を受けています。 また広島のリ・ハンジェも倉敷朝鮮初中級学校→広島朝鮮高級学校から広島に入団した後、通信制の広島県立西高等学校も卒業して在日外国人特別枠の適用資格を得ています。 もちろん仙台のリャン・ヨンギ(大阪朝鮮高級学校→阪南大学)や神戸のパク・カンジョ(尼崎朝鮮初中級学校→滝川第二高校)のように日本の学校教育法に則った高校・大学を卒業してから在日外国人特別枠の適用資格を得てJクラブ入りする選手も多いですが、今回のアジア枠の創設と在日外国人特別枠については別個に考えた方が良いかと思います。

whiteowl

Re:アジア枠創設。(EBTさんへ)

2008-09-13 00:32

少し説明不足であったかもしれませんが、特別枠については、 仰るとおり実際は通信過程でダブルスクールをしている場合が多い。 その事実は認識してしています。 しかし、例え通信過程であっても、「日本」の学校を卒業していることが特別枠適用の要件になっています。 このことが在日外国人がJリーガーになるための 一つのハードルになっていたことは事実です。 アジア枠で在日外国人が民族学校と日本の学校の両方に通うというダブルスクールをしなくても Jリーガーになる可能性が広がったということを私はこの記事で指摘したに過ぎません。 EBTさんもその可能性を否定するつもりはないですよね? まあ、そういう可能性もあるって話で、それはそれでいんじゃないかと私は思うという話です。 この記事へのEBTさんのコメントの返答にならないかもしれませんが、 私は大学時代、留学生とお互いの国の歴史観の話をする機会があって、やりあったこともあります。 でも、それを通じて思ったのは、例えばお互いが「日本人」と「韓国人」、「中国人」という立場から 離れなければお互いを理解することはできません。 でも、個人と個人、例えば、whiteowlと李さん、 whiteowlと王さんなら友達になれるんですよ。 実際、居酒屋で歴史問題で色々とやりあいましたが、仲は良かったです(笑)。 それが私が実体験から得た結論みたいなものです。

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