リアリズムを追求しろ!

2008年02月04日

昨日の記事で監督が代われば戦術も変わるのではないかというコメントを
頂いたわけですが、多分それはその通りです。

前任者を引き継ぐものとして前任者と全く同じというのは監督としてのプライドもあるでしょうし、
前任者の真似事をしてもコピーが本物を越えることもまたないでしょう。
当然、その監督の色は出るし、当人も出そうとするでしょう。

ただ、良い言葉がないか考えてたんですが、今の札幌に必要なサッカーは
勝ってJ1残留を決めるという”リアリズム”(現実主義)だと思います。

岡田日本代表監督も評価の高かったオシムの後にしかもすぐにW杯の予選がある。
そんな状況で結果を残そうと思ったら前任者を否定して一からやっていたのでは
間に合いません。だから、基本的なコンセプトである細かいパスを少ないタッチでつないで
相手を崩すという戦術は変わらなかったし、選手も大きく変えなかった。
そういう現実的な選択が何よりも必要なのではないかと。

(そもそも、欧州とは体格的に南米とは技術的に劣る日本が世界と伍して行くには、
マラソン始め日本がオリンピックで活躍する種目を考えれば分かるとおり
スタミナで勝負していくしかないという論理は当然あるでしょうけれど。)


だから、私は今の札幌に必要な監督像は、リアリスト(現実主義者)だと思います。

経営状態が逼迫する札幌において、必要なのは極論すれば勝つこと、そして、
J1に居続けるという勝利至上主義の現実のみです。

面白いサッカーが見たいという私の個人的な希望もありますが(笑、
札幌に求められているのは今は理想ではなく経営危機という現実のはずです。
徹底的な現実主義で面白くないと批判されようと勝利を追及するしかない。
正直、今は夢を語っている場合でもなく、そんな余裕もない(笑。
夢を見るのがプロスポーツなはずなんですがね…(笑

三浦監督は、札幌を現実的に冷静に戦力分析して、アクションサッカーじゃ上がれないから
リアクションサッカーという選択をしたのでしょう。

この2007年の柳下監督から三浦監督への交代で、
明らかにチーム戦術の転換があったと思っています。

そもそも、5段階計画とはJ1で通用する選手とチーム戦術をJ2で培っていくというコンセプトだったはずです。
そういう意味では、選手の継続性はありますが、少なくても戦術面の継続性はほとんどない。

何がいいたいかといえば、アクションサッカーという「理想」を追求するのを止めたのなら、
リアクションサッカーという「現実」的なサッカーであってもそれを追求し続けろということ。
そこがぶれてはいけない、HFCの方針は同じであるべきということです。
そこがぶれるとまたおかしなことになりかねない。

そういう現実主義が今の札幌の監督には必要だと思います。
岡田監督と三浦監督の共通点があるとすればそれは、「現実主義者」であるということです。
(※理想がないということではないです(笑)理想よりも現実を優先すると言う意味です。)
だから、ポスト三浦を考えるとしても、監督の人選の基準は
三浦監督のような冒険をしない現実的な人ですね(笑。

ただ、いつの日か、選手のレベルと層が厚くなったらアクションサッカーに転換する日も来るかもしれません。
私は、その日が来ることを待ち望みつつ、今は現実的なサッカーを志向する札幌を応援しようと思います。



4日付の日刊スポーツの記事で、三浦監督も同じようなこといってますね。

>三浦監督「日本では半分くらいのチームが、監督が代わればチームの色が変わる。
>そうではなく、誰が監督でも変わらないチームづくりが必要。監督頼みのチームであってはいけない」

http://hokkaido.nikkansports.com/soccer/jleague/consadole/p-hc-tp0-20080204-316380.html


post by whiteowl

22:55

Consadole Sapporo コメント(3)

この記事に対するコメント一覧

akoakuts

Re:リアリズムを追求しろ!

2008-02-05 01:22

オシム監督から岡田監督へ交代したことについては、様々な場面で議論されています。そして、その議論の中には「現実」を直視した方がいいのではないか、というwhiteowlさんのようにリアリズムを主張する方もいらっしゃいます。私もそれは否定はしません。日本代表には勝って、W杯に行ってもらいたいと思っていますから…。 でも私は、whiteowlさんが「夢を見るのがプロスポーツなはず」と書いて、心ならずも(?)消し線で消そうとした理想の方が好きです。 ですから、夢(アクションサッカー)と現実(勝利)の二つが両立できればベストだと思いますが、もしどちらかを選べと言われたら、私は前者を選ぶと思います。 もちろん、現在のHFCの経営状態を考えたら、負けがこめばこむほど経営(入場者減)を圧迫することになる可能性もある訳ですから、夢の基盤がなくなる可能性にも不安を感じています。でもその夢を見てみたいなぁと私は思います。 私は、今季のコンサドーレ札幌が見せてくれたサッカーが三浦監督の功績だけだとは思っていません。常勝軍団ではありませんでしたが、「アクションサッカー」を目指した柳下監督の目指したサッカーが土台にあってできたことだと思っています(もちろん、その土台を元にJ1昇格、J2優勝という形にしたのが三浦監督なのですから、それはとてもすごいことなのですが)。 世界のサッカーを見ると、国やクラブに長い「歴史」が刻まれていると感じることがあります。「歴史」と「伝統」があるからか、監督が変わろうと変わらないスタイルを追求する国やクラブはたくさんあります。もし監督がスタイルを変えようとしたら、国民やサポーターがそれを許さない場合もあります。だからこそ、代表が負けようが、クラブが降格しようがサポーターは一生懸命応援をし続けるのだと思います。 三浦監督自身がおっしゃっているように、札幌スタイルのサッカーが将来的に構築できるのであれば、それがベストだと思いますし、コンサドーレ札幌の「歴史」が開かれるのではないかとも思います。 岡田監督の目指すサッカーが何かを、たかだか2試合で判断するのは早計だと思いますが、今まで観てきたオシム監督のサッカーとは違うと多くの人が感じていると思います。 パスがつながるとか、人が動くとか、表面的なことではなく、本質的な部分、何を目的としてパスをつなぐのか、何のために人が動くのか、その根本的な「サッカー哲学」のようなものが、残念ながら親善試合では感じられませんでした。 今季、J2で戦うことになった甲府と広島のサッカーが目指したものは「アクション・サッカー」だったと思います。J2降格となったことと、彼らが目指していたサッカーが現実では一致しなかったのは事実です。でも、彼らが、今季J1復帰のために「リアクション・サッカー」をしたら、前季頑張ってきたことは無になるのではないかなぁと思いますが、こんな私の考えは甘いのでしょうか? 私はそれでも「夢を見るのがプロスポーツなはず」だと思いますし、そう思いたいと考えています。 岡田批判を述べる私がこんなことを言うのは不遜のそしりは免れないと思いますが、オシム監督があんな形で倒れ、それを継いだがために色々言われる訳ですから、岡田監督も大変ですよね。逆に言うと、オシム監督がそれだけ「期待値の高い」「魅力的な」サッカーの片鱗を垣間見せていたことがその反動の理由ではないかとも思います。 長々と申し訳ありませんでした。whiteowlさんのリアリズム宣言を否定する気は毛頭ありませんが、私はまだ夢を見てみたいと思い、書かせていただきました。

フラッ太

Re:リアリズムを追求しろ!

2008-02-05 19:39

 「ポスト三浦」のエントリーも含め、大変興味深く読ませていただきました。  今年のコンサにとってはJ1残留が至上命題。よって、勝利優先という傍目には面白くないサッカーをせざるを得ないのが実情ですから、リアリズムを追求するのは正しいことと思います。  一方で、理想と現実のどちらを追いかけるかは、ニワトリが先かタマゴが先かという話にもなるのかなあ、と。自ブログを改めてチェックしてみると見事に心情が揺れ動いていました(苦笑)。コンサのスタイルを確立することが大事なんて書いたかと思えば、お金がないのに理想を追うのは無理があるといったことも書いてみたり・・・。  本当に熱意があれば、タマゴが先になることもあるでしょう。でも、その熱意が存在しかつ持続させていくには周りの状況が厳しいこともまた事実。熱意を生み出すこと以上に持続させることは難しい。ある程度まで高まれば自然に大きくなっていくのかもしれませんが。  でも、今はプレースタイルを確立するなんてレベルにはなくて、ひたすら落ちないように最大限の努力をするしかないということでしょう。乱暴な喩えですが、溺れかかっている人間がクロールにするか平泳ぎにするか考えている余裕がないのと同じなのかな、と。  長文失礼しました。

whiteowl

Re:リアリズムを追求しろ!

2008-02-05 22:47

akoakutsさん、フラッ太さん、コメントありがとうございます。 私自身、毎回のブログの記事が長いので(笑、問題ないどころか歓迎ですよ! akoakutsさん、突然の告白ですが(笑、このHN見てびっくりしたんですけど、 多分なんですが、あなたを私は知っています(笑。 この広大なネット社会で、まあ、なんという偶然というか縁があるというか。 このお話の続きは、是非飲みながらでもお話したいくらいです(笑。 お二人にお返事をコメント欄に続けて書くと今日の私のブログが 書けそうにないので(笑、(校正も出来ないですしね、ここに書くと(・・;)) 誠に勝手ながら、次の記事に返事を書こうと思います。 大変、申し訳ございません m(_ _;)m

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