2006年11月03日
千葉が連覇を達成したこの試合。なかなか締まった良い試合だったと思います。以下、雑感。 【ゲーム全体の印象】 両チームとも良い集中力を保ってゲームに入ったのではないでしょうか。千葉はつなぎのミスが非常に少なく、自陣からマイボールを丁寧に運び、ここぞというところでスペースに飛び出していく選手を使う、というスタイルを開始から貫きました。対する鹿島も大岩・岩政のCBを中心として中央の守備を固め、時折見せるカウンターでいくつかチャンスを作りました。おそらく、千葉の両サイドには比較的自由にプレーさせても良いから中央だけは人数をしっかり揃える、というプランだったのだろうと思います。 千葉がセットプレーでマークを外してしまう場面が何度かありましたが、鹿島もなかなかそれを活かせませんでした。マリオ・ハースが負傷により交代してからは千葉は前線でのボールの収まりどころを失い、ゲームはやや膠着したまま前半終了。 鹿島は千葉の攻めを上手く封じていたものの守備ブロックがやや低く、前半のような距離のあるカウンターでは得点には結びつきにくいだろうな、と思っていました。すると後半、鹿島は前からボールに激しいプレッシャーをかけ始めました。千葉はハーフウェーから向こうへまともにボールを運べない時間が続き、苦しい展開に。しかしここで鹿島が得点できなかったことがゲームの流れを決めました。 70分ぐらいまで運動量が落ちていた千葉が、それ以降再び息を吹き返し、守備的中盤の佐藤・阿部が攻撃に顔を出す場面が増えてきた80分、左サイドで坂本と山岸の良いワンツーから坂本が右へ大きなサイドチェンジ、それを受けた水野が縦へ持っていきファーサイドへ素晴らしい球筋のシュート。かなり長い距離を走った上でフィニッシュまで持っていく、質の高いゴールだったと思います。芳賀もアレをやれ! 2点目は2分後のCKから。今日、鹿島の深井と再三見応えのある1対1を繰り広げていた阿部が飛び込みゴール。往年の鹿島からは信じられない時間帯(失点直後)の失点でした。鹿島は3人まとめて交代させるも何もできずにそのまま試合終了。 【試合運びの差】 結果論になりますが鹿島は交代の時期を間違えたかな、と思います。70分あたりで本山を用意していたと思うのですが、その時に投入していれば…。ただし鹿島の攻撃陣はみんな動きは悪くなかったので、誰と代えるかというのも難しい選択ではありました。 一方の千葉。盤石の試合運びでした。前半はミスを犯さず辛抱するというプランだったのではないでしょうか。ハースを欠いた時点でその戦略はより顕著になったと思います。70分を過ぎてから2列目が何度も飛び出してくる攻めをされると相手はとてもイヤなんじゃないでしょうか。 (ここから先は札幌サポ限定です。特に千葉サポがおられましたらお引き取りをww)
というわけで次戦の相手・千葉が勝利したわけですが、水曜日に向けての好材料はハースが出られないのではないか、ということぐらいですね。クルプニが戻ってくるので戦力的にはかえって充実してしまうのではないでしょうか。今日も鹿島のFWにはほとんど仕事をさせていなかった守備陣が、札幌にそんなにたくさんチャンスをくれるとは思えません。 ただ今日のように安全第一で来るとも思えないので、必要以上に消極的になることはない。千葉の守備はマンマークがベースなので、札幌がどのような形でボールを奪取するかが攻撃の形に大きく影響してくるでしょう。できればディフェンダーが前を向いた状態でボールを奪う、横パスをカットするような奪い方をしたい。そうするとマーカーとなる千葉の選手を置き去りにして攻撃に移れる。中盤の攻防を制することができればチャンスはあるのではないでしょうか。 札幌については、最近、守備的中盤の二人、特に大塚に強いプレッシャーをかけられてボールがつながらなくなりリズムを失う、という展開が多いので、周りは動きだしを早くして助けてやることが大事です。フッキはまた周りを使えなくなっているので、もう一度冷静さを取り戻すことが必要です。また先述のようにセットプレーでマークがぼける傾向があるので、そこを上手くついてもらいたい。 札幌にとって良いお手本の一つであるチームなので、しっかり勉強させてもらいましょ。もちろんそれだけではなく勝つ気満々で行こう。
akira37
Re:ナビスコカップ決勝レビュー
2006-11-03 21:03
細かいことですがストヤノフは天皇杯も出場停止です。 http://jfa.sportsinfo.jp/2006/EmperorsCup/NotEligible.html
tottomi
Re:ナビスコカップ決勝レビュー
2006-11-03 21:08
>akira37さん ご指摘ありがとうございます。訂正しておきました。
MasaMaru
Re:ナビスコカップ決勝レビュー
2006-11-04 18:39
ナビスコ決勝、観ていませんが、ここを読んで観た気になりました。取れそうな時に取れないと泣く。それに関してはウチに一日の長があると思います(どんな長じゃ!)。 ボランチに関する指摘、相変わらず素晴しいです。まったくその通りだと思います。守備的で機能するのが疲れ気味の大塚だけなんですよ。金子、智樹、上里は前目でプレーすると光っても、守備もやれとなると消えるかDFに吸収されるかのいずれか。ただ、ウチは良くも悪くも調子に乗りやすいチームですから(監督のキャラクターだけがそこに逆らい続けていますが)。先制するようなことがあれば面白いとは思いますよ。あとは(望み薄ですが)ジェフの疲労と燃え尽き、2年前の雪辱に燃える想いの空回り、以上三点に期待ですかね。
tottomi
Re:ナビスコカップ決勝レビュー
2006-11-05 21:18
>MasaMaruさん その中盤ですが、ちょっといじるようですな、最終ライン込みで。 カガケンの右サイドについては、いつも通りのサッカーをするのであればちょっと考えられない布陣ですが(彼が「サイドの起点作り」を芳賀のレベルでできるとは思えない)、水曜日はある程度守備と高さのことを考えないといけないので仕方ないかと。むしろ芳賀が中をやるというところに期待です。 とにかく先制点、ですね。
プロフィール
性別:男 年齢:30歳代半ば 出身:兵庫県西宮市甲子園 現住地:北海道札幌市 サッカー歴:素人。たまにフットサルをやる程度 ポジション:アウェイ側B自由席 2007/12:加齢に伴い年齢を実態に即した形に書き換えました
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