なぜ厚別の芝が荒れたのか?3(使用頻度)

2013年06月12日

前回までの記事:
その1(冬芝って何?)
その2(天候)

厚別の使用頻度を調査しました。

■球技での使用
4/28日 暴風雨 7 6 →熊本戦(風速12m)
5/4土  曇り  8 5 -→サッカー(U-15)
5/5日  晴れ 12 5 -→サッカー(札幌社会人)
5/19日 曇り 19 9 ○→東京V戦
5/26日 晴れ 23 10 ◎→水戸戦

意外と少ないです。
厚別は、毎週土日が埋まってるくらい使用頻度が高いと思ってました。
熊本戦を雨の中で試合を行い、痛めまくったのが今季の始まりです。
スケジュールから推測すると、Jの前日は空けるよう、調整されてるようですね。
それでも、まだ生育に適した季節【前】ですから、使用するほど傷んでいく時期です。
15度超えた晴れの日:3日よりも使用日数の方が多いくらい。

コンサ、道リーグ、札幌社会人、大学、高校など、5月から10月まで毎週使用されています。
昨シーズン使用しまくったまま冬になり・・・と、昨年からすでに伏線はあったわけです。
それが今年にいたっては、4月以降は生育しない天候・・・と。

仮説)
サッカー1試合で芝がかなり傷む。
どのくらい傷むか(穴掘るか)計算してみました。
サッカーで踏み込む回数は多いですから、広範囲に傷みます。
回数という観点で、1試合10km(10,000m)、一歩:1m、FP10名、2チームとすると、
10,000(m)/1(m)×10(人)×2(チーム)=200,000歩。
【20万歩ほど踏み固める】運動をしていることになります。

そのうちダッシュやタックルで芝に与える衝撃の大きい運動を、
仮に10分の1(10kmのうち1km)としても20,000回。
【1試合で2万か所も小穴掘ってる】計算になります。
札幌社会人リーグでそこまで行かないと思いますが、目安ということで。

シーズンが進んでくると、副審のいるライン際が荒れてきます。
同じところを何度も踏み固めると、芝が傷むのがわかります。
あの状態を復旧するのに、どのくらいの時間が掛かるのでしょう?


■高校陸上札幌予選の投てき競技日程
5/11土 曇り 11 8 -→高校陸上札幌春季
5/12日 曇り 15 8 ○→高校陸上札幌春季
5/21火 曇り 19 11 ○→高校陸上札幌予選
5/22水 雨  19 10 ○→高校陸上札幌予選→降水量15時台3.5mm、16時台1.0mm
5/23木 曇り 11 9 -→高校陸上札幌予選
5/24金 晴れ 14 8 -→高校陸上札幌予選

投てき:やり投げ、円盤投げ
※砲丸投げについては指定個所(アウトフィールド)のみのご利用となります。
と、緑化協会の時間割に書いてましたが、砲丸もインフィールドに投てきします。
やり投げはアウェイ側ゴール付近からサークルめがけて。
砲丸はホーム側ゴール脇で投てき。
ハンマー投げは、どこから投げるのでしょう?

高校陸上札幌予選の予定と昨年の記録より。
男子
日程 競技   人数 参考記録
5/21 八種砲丸 46 10m00(14:30開始)
5/21 ハンマー 30 43m61(15:00開始)
5/22 やり投  77 56m44(9:00開始)→決勝15:00から雨
5/22 八種やり 46 50m00(13:00開始)
5/23 砲丸投  75 12m10(10:30開始)→濡れた芝に投てき
5/24 円盤投  59 37m66(9:00開始)
合計333人
うち、砲丸+やり+ハンマー:274人

女子
日程 競技   人数 参考記録
5/21 砲丸投  45 9m84(9:30開始)
5/22 円盤投  34 33m45(11:00開始)
5/23 やり投  44 39m38(9:30開始)→濡れた芝に投てき
5/23 七種砲丸 14 8m00(13:00開始)→濡れた芝に投てき
5/24 七種やり 14 30m00(11:30開始)
合計151人
うち、砲丸+やり+ハンマー:109人

※人数と記録は、昨年の同大会から抜粋。つまり推測の人数。

東京V戦と水戸戦の間に、
局所的にボコボコになった直接の原因の1つは、これですね。
今年の人数が不明ですが、半分になることは無いでしょう。
予選と決勝の試技が何回か不明ですが、1人1試技でも結構な回数です。
(予選2投、決勝3投ってところでしょうか)
しかも、雨降って柔らかくなった状態での投てき。
芝を痛めやすいのは、ハンマー、やり、砲丸です。
やりは刺さります。ハンマーはえぐります。
円盤は大したことないです。

仮説)
陸上の投てき競技で集中砲火した。
では、何回穴掘ったか。
予選、決勝によって回数や人数に差がありますが、
仮に一律1選手2投すると仮定。
やり:(77+46+44+14)*2=356回
砲丸:(46+75+45+14)*2=354回
ハンマー:(30)*2=  60回
================
合計:770回

ゴールラインから、30~50m付近に356回やりが刺さる。
ゴールラインから、30~50m付近に  60回ハンマーがえぐる。
コーナー付近から、8~12m付近に354回砲丸が落ち固める。
サッカー1試合で2万か所も小穴掘るのと比べたら大したことないように感じますが、
陸上の投てきの場合、狭い範囲により深く集中砲火を浴びせるのが特徴です。

参加した選手や、投てき競技を責めてるわけではありません。
真の原因は、試合の前週平日にその大会を開かざるを得なかった調整の限界であり、
おそらく全国大会から逆算すると、そこしかなかったでしょうし、
調整しようにも調整がきかなかったというのがオチでしょう。
水戸戦の後であれば、ここまで話題にならなかったと思います。

陸上競技場を使う限りは避けられない問題であり、
日程調整など努力はできても、避けられないこともあることを許容せねばなりません。
どちらの団体も、使用すること自体は間違ってないのですから。

芝が荒れてる苦情を、いち利用団体として言うのは間違いではないですが、
管理者の責任を問うのも申し入れするのも何の解決も見出さないです。
使用されるために荒れるのですから。
厚別の芝を良質な状態で使いたい場合は、荒れた状態で春を迎えたら養生期間とし、
コンサ専用として他の団体に使わせなければいいですね。
その分の使用料の埋め合わせは、当然クラブが行います。

■どの団体と調整するの?
コンサドーレ札幌
財団法人北海道陸上競技協会
札幌陸上競技協会
財団法人北海道サッカー協会
札幌地区サッカー協会
北海道アメリカンフットボール協会

厚別競技場Webサイトの最下部に、リンクがある理由が分かりました。

つづく。


post by sca25

23:49

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