サガン鳥栖考察4)人口7万の小さな街のクラブがJ1に上がれたのはなぜ?

2015年05月02日

ホームタウン:佐賀県鳥栖市
人口:72,023人(2014年12月末現在)

これだけ見ると、小さな街にJ1所属のクラブがあることに違和感を感じた。
私は実際に行くまでは、
「人口約6万人(当時)の街にJクラブがあって、2万人以上入る専スタって、無理しすぎ」
と認識していた。

しかし、鳥栖へ一度行けば、そのイメージは一変しました。
行く前はデータだけ見ると「鳥栖=小さな街」というイメージでした。
私は初めて鳥栖へ行くまで、地図で場所を確認したことがなかったが、
地図を見ると、佐賀というより福岡の一部のように見えてしまう。
(路線図見ると鳥栖のあとに久留米があるあたりが、特にそう感じる)
旅程を調べるまで、佐賀空港から行くルートしかないと思っていたが、
福岡空港からもあまり変わらない時間(行く手段によりますが)で行けるとは知りませんでした。

知らない人はあまりいないと思いますが、復習も兼ねて。

・福岡県の博多駅から快速で約30分(560円)(新千歳⇔札幌は35分1040円。)
・久留米と隣接(福岡県第3の都市)
・九州の交通の要所地
  鉄道:福岡の博多&久留米が近く、熊本&鹿児島方面、大分方面、長崎方面につながる
  道路:九州自動車道、長崎自動車道、大分自動車道、国道3号が交差している
・工場が数多くあり、多くの企業が進出している(ブリヂストンなど)
・物流センターがあり、多くの企業が進出している企業進出状況
・鳥栖市単体で人口増加中(2010年69,069人⇒2014年72,023人)
・収容人数24,490人の専用スタジアム(ベストアメニティスタジアム)がある

その他、私が認識していない事項もたくさんあるだろうが、いま挙げられるのはこのくらい。

鳥栖市単体では、小さな街かもしれませんが、
九州の交通の要所として発展しているだけあって、
「鳥栖一帯の企業」「鳥栖近隣も含めた市場」の潜在能力はかなり大きいものがあります。
それについてまとまってる資料は首相官邸(!)のサイトにありましたこちら(pdf)
(首相官邸ってすげーな)
非常にインパクトのあったフレーズを抜粋。
【鳥栖は九州の「心臓」
 ⇒そして、日本全体へつながる「玄関口」
 ⇒「鳥栖の元気は日本の元気」】
すごいですね、これ。

そして鳥栖近郊にあるビッグな企業の代表格が、ブリヂストン(近隣の久留米で創業、連結売上高:3兆円!)
フューチャーズ時代から狙っていたのか、
運営会社の移り変わりの中でいつかは・・・と思っていたのか、
そこまでは分かりませんが、こういったビッグな企業と接点があるというのは、
Jクラブにとって大きいですね。

2008年と少し古い資料になりますが、サガン鳥栖がここまで大きくなってきたのがなぜか、
その一端が垣間見えるものを提示します。
サガン鳥栖とブリヂストンの結びつきを強める要因の1つになったであろう、
夢プラン事業について、触れられています。
J.LEAGUE NEWS PLUS vol.1 2008年5月こちら(pdf)
(旧URL→https://www.j-league.or.jp/document/jnews-plus/001/vol001.pdf)

以下、抜粋。
ブリヂストンは06年にサガン鳥栖のユニフォームスポンサーとなった。
夢プランが企画される半年前のことだった。
「広告戦略、費用対効果といった部分で考えればJ2のサガン鳥栖への協賛はない。
 まさしくクラブを地域貢献の象徴としてとらえてもらった」
 (サガン鳥栖・井川社長)。

広告料収入が低い⇒広告価値が低いand費用対効果が望めない、
というのがよくある考え方だと思いますが、
そこに対する付加価値としてクラブの地域貢献を認めてもらいサポートしてもらう、
または、企業の地域貢献をクラブがサポートするというところを
着実に認知度を拡げているようです。
もっと拡げて、アピールしてほしいと思いました。
(これが札幌だとメディアは扱ってくれないですねぇ。
 ローカルメディアとマメにやっていくのが正しいのかな)

繋がりを生むきっかけとして、自治体やビッグな企業とも実績があることを活かす。
こういった繋がりを少しずつ増やしていく。
一度できた繋がりをより強固な関係にしていく。
こういったことが大事だと改めて気づかせてくれる資料でした。

つづく。


この記事に対するコメント一覧

コメントする