2015年03月06日
昨年末から見直しを検討していたJリーグから各クラブへ分配される配分金。 私がいろいろ述べる前に、この件について触れてるメディアの記事を紹介します。
■スポニチ http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2015/02/24/kiji/K20150224009864580.html Jリーグ理事会 分配金割合の見直し案は廃案に Jリーグの村井満チェアマンは理事会後の会見で各クラブ入場者の実績によって リーグからの配分金の割合を見直す案について「検討を打ち切った。廃案にする」と明かした。 総入場者数や入場者の伸び率、収容率、アウェーでの動員などを一律にルール化して 単純な係数にすることが困難と判断した。 放送権料への貢献やリーグスポンサーへの営業協力、今季の成績に応じた傾斜配分は実施する。 リーグは昨年末、横並びだった配分方式を成果によって傾斜を強める方針を固めていた。 ⇒これ、誤解を生む表現をしてるあたり、さすがスポニチって感じですが、 「横並びだった配分方式を」って誤りですね。 以前から横並びではなく、インセンティブが付加されてます。 しかもこれ、スポニチの記事ではなく、共同通信のを一部使ってます。 最近のスポ新なんて、こんなもんです。 ■サンスポ http://www.sanspo.com/soccer/news/20150217/jle15021719200005-n1.html 一部クラブから強い反対…委員会で配分金議論もまとまらず Jリーグは17日のJ1、J2合同実行委員会で、 ホームゲームの入場実績でクラブへの配分金の額を決める案を議論したが、まとまらなかった。 総入場者数や前年からの入場者伸び率、収容率などに応じて配分割合を見直す提案に、 一部クラブから強い反対があった。 リーグは昨年末、横並びだった配分方式について成果によって傾斜を強める方針を固めた。 人気と実力を兼ね、活性化の核となるクラブを育成する狙いだが、格差拡大を懸念する声もある。 委員会ではプレシーズンの新設大会「スカパー! ニューイヤー・カップ」の報告や 新規実行委員の紹介もあった。(共同) ⇒サンスポも共同通信からですね。 なので、スポニチ同様「横並びだった配分方式」なんて表現してます。 ■時事通信 http://www.jiji.com/jc/c?g=spo&k=2015022300780 また、村井満チェアマンは今季から導入するクラブへの配分金に差をつける新制度で、 四つの査定項目のうち入場者数を除外したことを明らかにした。 明確な基準作りが困難で、J1とJ2の合同実行委員会でも異論が出た。 成績の他、スポンサー、放送権の貢献度を基準に傾斜配分する。 (2015/02/23-20:31) ⇒こっちは特に誤りなし。 あくまで入場者数を基準にする項目は除外と言っている。 時事通信は、余計なこと言わずに、最低限必要な事実のみ提供してます。 他のメディアも載っていた気がしますが、調べる手間が面倒なのでこの辺で。
さて、これらを読んでどう感じましたか? スポーツ新聞の取材記者の苦悩を知っていれば「しょうがないよね」って思いますが なぜこういう記事になったのかを考えずに、記事のクオリティのみで捉えたら、 村井チェアマンが伝えたいことが正しく伝わってないとか、 記事自体のクオリティが低いと捉えられてしまいかねません。 でも昨今のスポーツ新聞は「売れるための記事」を書くことにとらわれすぎて、 スキャンダルやセンセーショナルな記事を前面に出してきます。 まあ、その方が売れるのは事実なのですが。 当然、売れる記事のネタになるところに経費をかける(取材記者を多くあてる)し、 売れない記事は取材に力を入れず通信社の記事を掲載して終わりにする。 「・・・とスペイン○○○紙が報じた」なんてのは、他社記事転載してるだけだし。 いつからか忘れましたが、字が大きくなって、記事量も減ったはず。 これが1紙1日130~150円くらいで売ってるわけです。
翻って、チャオコンは月300円。1日当たり約10円です。 キャンプ情報やシーズン中の練習レポート、 その他のたまに更新されるコンテンツを見るために1日10円。 1日10円で元が取れてると思うか、 金取ってるんだからもっと良くしろって思うかは、 個人差の世界ですから言及しませんが、 1日10円のモバイルコンテンツで商売になる時代ではなくなっているということは、 ご理解いただきたいなと思います。 営業妨害のごとく、速報やら情報やらを発信するSNSやらブログがたくさんありますから。
脱線しすぎしました。本題に戻ります。 Jリーグが検討していた分配金の配分制度ですが、 以下の4つの基準によって傾斜配分するというものでした。 ○成績 ○リーグスポンサーへの営業協力 ○放送権料の貢献度 ×入場者数(総入場者数や入場者の伸び率、収容率、アウェーでの動員など) 入場者数については、少し考えればわかりますが、 ホームタウンの人口、市場規模、クラブの歴史、スタジアム規模、立地などなど、 クラブごとに条件が異なりすぎて、どのクラブがリーグ価値向上に貢献してるかを 一律の基準で評価するのはとてつもなく難しいです。 なので、廃案になったのは当然の結果といえますが、これを議論の土俵に挙げて、 何が問題なのかを各クラブの意見としてまとめて、記録したことは評価できます。 そうしないと、同じ議論をあっちこっちで繰り広げて無駄な時間を費やしますから。 成績、スポンサー、放送権料の傾斜配分の計算式は表に出てこないでしょう。 (出てきても理解できる人が少なくて議論が的外れになるので出さなくていい) というわけで、現状の傾斜配分によって、どのくらいの「格差」があり、 札幌はどのくらいの位置づけなのかをサラっとまとめました。 2013年のJリーグ経営情報開示資料から配分金の最大と最少を比較すると、 J1だと、浦和258百万円:湘南 191百万円⇒1.35倍の差 J2だと、鳥取112百万円:東京V 89百万円⇒1.25倍の差 となっている。 札幌は103百万円でJ2では上から4番目に多い。 2013年と言えば、リーグスポンサーや僅かながら放映権料の貢献が大きい年でしたから、 J2でも配分金が多い部類に入ったと言えます。 2014年もそれは継続してますし、その辺はうまいことWakuWaku Japanを 札幌のパートナーに向かい入れたことでも、感じ取ることができると思います。 なので 傾斜配分をやめて一律同じ配分金にする⇒札幌の配分金は減る 傾斜配分を強める⇒札幌の配分金は少し増えそう という風に捉えています。 とはいえ、傾斜配分が最少と最大で3~10倍差がつくといったことになれば 「格差ありすぎ」と思いますが、2倍以下なら、そうでもないなあというのが 私個人の感想。 ちなみに配分金を一律同じにするのって、不公平ですよね。 リーグスポンサーや放映権料の貢献してるのに、インセンティブがないなんて、 リーグの価値向上に協力する気が失せます。 というわけで、配分金の傾斜がどのくらい差が出るのか注目しつつ、 大げさな差が出なければ、まあいいやってのが、今回の結論でした。 おわり。
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