2014年12月21日
2011年にJ2を2位でJ1昇格を果たしたサガン鳥栖。 3位で昇格した札幌は、翌年最下位に終わり、J2降格。 サガン鳥栖は、なんと5位で賞金3000万円獲得という驚異的な成績でJ1初年度を終えた。 翌年の2013年は12位に終わるも、 2014年は一時首位に立つなどリーグ終盤まで優勝の可能性を残し、 最終的に5位でゴールとなった(ACLに出なくてよかったね)。 さて、札幌と同じ年に昇格したのに、鳥栖が大躍進を遂げたのは、なぜなのか? FW豊田を中心とした割り切った戦術とハードワークでリーグを席巻した? MF金民友、GK林、SB安田といった能力の高い選手を獲得できた? 前監督が素晴らしいチームを作り上げた? J1レベルのふくらはぎを持つとっとちゃんが加入したから? この辺は私が語らずとも、多くの人がまとめているだろうから、これ以上は触れない。
私が注目したのは、鳥栖の経営状況。 J1昇格して1年で売上を2倍に、2年で2.5倍になっている。 入場料収入に至っては2年で3倍増だ。 他の費目も軒並み2倍以上の伸びを記録している。 ★サガン鳥栖2011~2013の経営状況 金額は単位:百万円 2011/J2→2012/J1→2013/J1 営業収益 689→1,454→1,704(1,015増 147%増) 広告料収入 253→ 493→ 632( 379増 150%増) 入場料収入 166→ 495→ 548( 382増 230%増) 配分金収入 99→ 202→ 234( 135増 136%増) アカデミー 37→ 45→ 74( 37増 100%増) その他収入 135→ 219→ 216( 81増 60%増) 客単価(円)1,130→2,246→2,510(1,380増 122%増)(客単価のみ単位:円) 営業費用 826→1,362→2,039(1,213増 147%増) team人件費 353→ 610→1,012( 659増 187%増) 試合関連費 48→ 116→ 129( 81増 169%増) 販管費 304→ 541→ 602( 298増 98%増) 当期純利益▲357→ 90→▲299 債務超過額▲298→ 92→▲207 2011/J2→2012/J1→2013/J1→2014/J1 入場者数146,893→220,383→218,326→254,623(J1はナビスコ含む)
J1昇格して好成績を上げたらこんなにも売り上げを伸ばすことができる? 入場者数は、2年で1.5倍になったが、2012年よりは減っているのに? 2013年のチーム人件費は4億円増の10億円って増やしすぎでは? 2013年は3億円の赤字で、2億円の債務超過になっているぞ? 第三者割当増資で債務超過解消を図る?(実際に増資した) 成績に隠れてしまいがちだが、かなり無理したギリギリの経営状況であることがわかる。 2014年は最終的に5位だったが、一時的に首位に立ち、優勝争いに絡み続けた効果が、 経営面でどのように貢献したかがわかるのは来年になってしまう。 債務超過は解消され、今年度は黒字で終えることができたのだろうか? (現地報道を細かく拾うことにする) 1つ面白いのは、 2012年は6億円のチーム人件費で5位なのに、 2013年は10億円のチーム人件費で12位なこと。 4億円も増やしたが成績は落ちた。 2014年は成績を大きく上げたが、果たしてチーム人件費はいくらだったのだろう。 2014年の入場者数が3.6万人増えているとはいえ、それだけでは3億円の赤字を埋められない。 おそらく2013年と同程度のチーム人件費で、売上を3億伸ばすよう経営努力したのではないだろうか。 それから、2013年は入場者数が前年割れしている。 にも関わらず、入場料収入が約5千万円増えている。 これは、なぜか?調査の必要があるだろう。 入場料収入と客単価は、【初の】昇格、 J1効果(アウェイ客の大幅増、関心度向上、チケット単価上昇)と、 好成績の効果によるもので、ある程度説明がつく。 しかし、広告料収入増はJ1価格に設定したからといって、2.5倍になるとは思えない。 この辺について、今後の調査テーマとしていこう。
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