札幌は本業で儲けてるって本当?(2013年J1/J2その他収入ランキング)

2014年12月18日

Jリーグ経営情報開示資料2013年度版から、
コンサドーレ札幌の入場料収入+アカデミー収入+その他収入と現在地と目指すべき未来を探ります。
今回は、2013年J1/J2入場料収入+アカデミー収入+その他収入に焦点を当てます。

なぜ「入場料収入+アカデミー収入+その他収入」なのか?
営業収益から、親会社の影響(広告料収入)と、Jリーグからの配分金の差を無くして、
クラブごとの事業収入を比較するのが目的です。
ビッグな親会社からの収入がなければ、まともに運営できてないクラブ、
ビッグな親会社がなくても、ビジネスモデルができているクラブ、を明確にします。
営業収益から、広告料収入、配分金を除いた収入
=入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計を比較します。


もくじ
1★2013年J1/J2営業収益(売上)ランキング(百万円)こちら
2★2013年J1/J2広告料収入ランキング(百万円)こちら
3★2013年J1/J2営業収益に締める広告料収入の割合ランキング(百万円)こちら
4★2013年J1/J2入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計ランキング(百万円)こちら←今回★
5★2013年J1/J2入場料収入ランキング(百万円)こちら
5-1★2013年J1/J2年度別入場料収入こちら
5-2★2013年J1/J2年度別スタジアム別入場者数こちら
5-3★年度別入場料収入と興行粗利こちら
6★2013客単価J1/J2 客単価(円) 興収(百万円)こちら
6-1★2013客単価+バクスタチケット価格J1/J2 客単価(円) 興収(百万円) バクスタチケ代(円)こちら
7★2013年J1/J2アカデミー関連収入順(百万円)こちら
8★2013年度J1/J2チーム人件費順(百万円)こちら
9-1★2013年度J1/J2チーム人件費/勝ち点比率(勝ち点獲得の効率の良さ)こちら
10★2013年J1定着,残留,昇格/J2PO進出基準こちら
11★コンサドーレ札幌はJ1定着,残留,昇格/J2PO進出できるのか?←今回★

参考資料
2013年度Jクラブ経営情報開示
有価証券報告書平成25年12月期(PDF:6.24MB)
予算実績平成25年12月期(PDF:189KB)
経営状況で見るコンサの現在地(2011年度まとめ)
コンサドーレ札幌はJ1定着,残留,昇格/J2PO進出できるのか?(2012年度まとめ)


★2013年J1入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計順(百万円)
親会社クラブ入+ア 営業収益 占める割合
______+他
三菱 浦和 3,209 5,786 55%
日産 横浜FM2,574 4,315 60%
住友 鹿島 2,023 4,122 49%
東京ガF東京1,917 3,545 54%
鈴与 清水 1,640 3,084 53%
エディ広島 1,593 3,198 50%
トヨタ名古屋1,548 4,226 37%
ヤンマC大阪1,494 3,213 46%
ヤマハ磐田 1,447 3,298 44%
== J1平均1,442 3,078 47%==
-- 新潟 1,370 2,548 54%
-- 仙台 1,303 2,429 54%
富士通川崎F1,294 3,214 40%
日立 木白 1,261 3,412 37%
-- 鳥栖  838 1,704 49%
Docomo大宮  718 3,228 22%
-- 湘南  613 1,191 51%
-- 甲府  590 1,481 40%
-- 大分  524 1,406 37%
===============
(- 札幌  796 1,297 61%★J2/2011)
(- 札幌  662 1,345 49%★J1/2012)
(- 札幌  536 1,071 50%★J2/2013)
(- 札幌  660 1,341 49%★J2/2014予算)

親会社の影響と、リーグからの配分金を除けば、
そのクラブの本業(興行、スクール、MDなど)による収入がどんなものか見えてくる。
ここまで削ると、親会社クラブとの差はかなり埋まってきて、
新潟、仙台は、川崎F、柏、大宮を超えてきた。
この2クラブがJ1に定着して培ってきたものが何なのかが垣間見える。
鳥栖は、この2クラブにどこまで近づけるか。
アカデミー収入を増やしていきたいところだが、九州は強豪が多い土地柄なので、
思ったように増えない可能性が高い。
しかし、安定的な収入確保には、欠かせない要素なので、アカデミーのブランド向上に期待したい。

親会社に依存しつつも、15億もの売り上げを"本業"で上げてくる名古屋は、
どこで収入を上げているのか?(入場料収入は仙台よりわずかに下。)
仙台と名古屋の差は、アカデミー収入にある。
仙台は88百万円に対し、名古屋は258百万円。
これは急に増えるものでもないので、名古屋の安定的な収入確保に大きく貢献している。
アカデミー収入は別記事で分析するとしよう。


★2013年J2入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計順(百万円)   
親会社クラブ入+ア 営業収益 占める割合
______+他
楽天 神戸 1,174 1,960 60%
パナ G大阪 985 2,786 35%
JEF千葉  715 2,330 31%
-- 山形  684 1,041 66%
-- 東京V 613 1,236 50%
京セラ京都  588 1,930 30%
-- 札幌  536 1,071 50%★
-- 岡山  497 1,034 48%
-- 横浜FC 481 1,152 42%
== J2平均 460 1,090 42%==
-- 松本  454  939 48%
-- 福岡  453  871 52%
-- 長崎  370  718 52%
-- 北九州 324  686 47%
-- 栃木  307  876 35%
-- 熊本  302  680 44%
大塚 徳島  295 1,211 24%
-- 鳥取  266  646 41%
-- 愛媛  240  547 44%
-- 水戸  229  508 45%
-- 岐阜  220  576 38%
-- 富山  216  701 31%
-- 群馬  159  469 34%
===============
(- 札幌  796 1,297 61%★J2/2011)
(- 札幌  662 1,345 49%★J1/2012)
(- 札幌  536 1,071 50%★J2/2013)
(- 札幌  660 1,341 49%★J2/2014予算)

千葉と京都が低すぎる。
これでは、親会社依存からの脱却は遠ざかる一方である。
特に京都はリーグ終盤のホームゲームで、3000人台であった。
J1経験があり、ビッグな親会社もあるのに、これはマズい。マズすぎる。
それが京都という土地柄の難しさなのかは分析していないが、
これらの収入が40%台を確保するようでないと、負のスパイラルから抜け出せないと思う。
スタジアム(亀岡に建設推進中)問題で解決になるのか?要注目である。

札幌は、平均より高く、広告料や配分金に依存せず、
入場料収入やその他収入が高い水準にあることを示している。
低迷してる雰囲気がありつつ、これなんですから潜在能力があるですよね。


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