地上波のホームゲーム市場(Jリーグが地上波放送されない理由その6)

2013年12月04日

前回までの記事
Jリーグが地上波で放送されない理由とは?(その1)
Jリーグが地上波で放送されない理由とは?(その2/神奈川・千葉は放送ゼロ)
Jリーグが地上波放送されない理由(その3/札幌vs北九州どっちが放送多い?)
ホームゲームの地上波放送回数は規制されているの?(地上波分析その4)
Jリーグが地上波で放送されない理由とは?(その5/地上波と放映数規制)


J1の地上波放送回数
J2の地上波放送回数


話が逸れてきたので、問題をホームゲームの試合中継に絞ります。
私の考えるポイントは3つ。

1)Jクラブの視聴率が取れるのは密着した地域内だけ(テレビ放映で広告効果があるのは密着地域内だけ)
2)地域により放送使用料の差が大きい(全国>関東>近畿>名古屋=北海道=福岡>その他=独U局)
3)キー局の影響がなく編成の自由度が高くて、放送使用料が安価な独立U局の存在の有無

これらの言葉を置き換えると、
1)Jクラブが無い地域でJリーグの放送が極端に少ないのは当たり前。
2)都市部は高いので放送してもリスクが高く商売にならない
3)地域差はあるが民放の放送回数TOP3は独立U局(KBS京都(19)、テレ玉(18)、とちぎテレビ(17))
※以下、参考情報
J1の地上波放送回数
J2の地上波放送回数

ちなみにこれら3点から、独立U局であるちばテレビやテレビ神奈川が0試合なのはなぜ?というのが説明できません。
何があるのか、掘り起こす必要はありそうですが、いまは何とも言えません。

これらを「ホームゲームの収益モデルも考慮した放送回数を増やすためにできること」として、
まとめると、私は以下のような結論です。

1)は放置でよい。(例:甲府vs札幌の試合を熊本で放送しても意味がないことは明白)

2)は放送回数が多いほど放映許諾料を割り引くか、毎月1回放送したら毎回一定額割引する。
 ただし、スカパー無料Day(毎月第1日曜)と被らない日にやるのが大前提です。

3)の独立局がない地域は、ネットでカバーするしかない。
 放送品質を落とすこと(正面カメラのみ)を条件にしてクラブの自主制作配信を月1回許可する。
 例1)チャオコンでスマートフォンユーザ向けに自主配信サービス(解説ナシ)
 例2)公式サイトに有料サイトをつくり、前半、後半をすべて配信
 例3)低画質で配信し、視聴者数が一定数を超えたら有料ユーザ優先で無料ユーザ(広告閲覧必須)は強制退出

地上波放送回数を増やすという答えには物足りないですが、
地上波テレビ市場が縮小し、他へシフトしている以上、
ターゲットとする層が潜在する市場へついていかねばなりません。


以上を踏まえて、motoさんの考えで「なるほど!」と思った部分を抜粋します。

>まずローカル域内でのホーム戦放送に限っては、放映可能数の制限をなくすのが大前提でしょう。
アウェイゲームのローカル放送に規制がある認識ですが、
ホームゲームにも放送回数規制あるのでしょうか?(おそらく私が知らないだけ)
ということで調べた結果、10回と推測しています。
月1回ペースで放映できる。
これで十分じゃないでしょうか?
J1で17試合、J2で21試合。
このうち、地上波でわざわざサッカーを見る人たちが望む対戦カードやシチュエーションは、
年に2~3回しかないと思います。


>「ホームはスタジアムアウェイはスカパー」のコピーの通り、そんな層は基本ホームはスタジアム、アウェイはスカパー、
>私も現地に行っているのでホームの「生中継」は地上波含めここ十数年見たことがありません(リピートや録画では見ますが)。
>ざっくり言えば「アウェイが見たいからスカパー」が現視聴層のほとんどと推し量ることができ、
>そもそもの視聴層が地上波とは相容れないと思います。
>ゆえに、微々たる動きはあるにしても、ホームのローカル中継を全戦解禁したところで
>Jリーグ系セットの契約数が大きく変動するという事態は憂慮の範疇ではない野ではないでしょうか。

これ、半分は正解だと思います。
半分というのは、密着した地域内、つまりスタジアムへ安近短で足を運べる地域のスカパーユーザ層は減らない。
この層は、地上波放送回数が多くてもスカパーの契約数には大きな影響を与えない。
札幌サポでスカパーに入っている人の半分以上はこの層でしょう。

しかし、その外側にいる同じ都道府県内(石狩圏外?サポ)スカパーユーザは減ると思います。
それがどれくらいいるか、データがないので説得力に欠けますが。

さらに、遠くて同じ県にいない人(いわゆる道外サポ)の場合は、
そもそも札幌の試合を地上波放送で目にする機会はないので、これも影響がない。
実は札幌の場合、他クラブと比べてもかなり多い部類なんじゃないの?とも思ってます。
横浜市民(横浜FM)やさいたま市民(浦和)ファンが他県に行く数より、
北海道から道外に流入する人の数が多いから、というのが根拠です。

もう一歩踏み込んで言うと、スカパーが狙うべき層は、道外サポなんじゃないの?と。
最近の集合住宅は、スカパーの電波は届いてるところが増えつつあるので、
就職で道外出てきた一人暮らしの20代って、侮れない市場。
試合見るためにどこかのバーへ行く交通費と飲み代考えたら、
スカパーオンデマンドの方が安上がりという市場は・・・いまは量れないですが、
いずれ分析したいと思います。


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