選手をレンタルで獲得してはいけない理由(その他収入で見るコンサドーレ8)

2013年08月27日

コンサドーレ札幌の経営状況と現在地を、Jリーグ経営情報開示資料を基に探ります。
今回は「その他収入」について。

もくじ
1★2012年J1/J2営業収益順(百万円)こちら
2★2012年J1/J2広告料収入順(百万円)こちら
3★2012年J1/J2営業収益に締める広告料収入の割合順(百万円)こちら
4★2012年J1/J2入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計順(百万円)こちら
5★2012年J1/J2入場料収入順(百万円)こちら
6★客単価J1/J2 客単価(円) 興収(百万円)こちら
6-2★客単価+バクスタチケット価格J1/J2 客単価(円) 興収(百万円) バクスタチケ代(円)こちら
7★2012年J1/J2アカデミー関連収入順(百万円)こちら
8★2012年度J1/J2その他収入+アカデミー収入(百万円)←今回★
9★2012年度J1/J2チーム人件費順(百万円)
10★2012年J1定着,残留,昇格/J2PO進出基準(Jリーグ経営情報で見るコンサドーレの現在地2012年度まとめ)

参考資料
2012年度Jクラブ経営情報開示
平成24年12月期有価証券報告書(PDF:2.16MB)
経営状況で見るコンサの現在地(2011年度まとめ)


その他収入についての比較

Jの経営開示情報では、アカデミー収入とその他収入が分かれており、
商品売上はその他収入に含まれる。
コンサの決算報告書では、商品売上とその他収入が分かれており、
アカデミー収入はその他収入に含まれている。
このため、
Jの「アカデミー収入+その他収入」
コンサの「商品売上+その他収入」
で、比較を行う。

★2012年度J1その他収入+アカデミー収入(百万円)

 アカ+他 割合 アカ 他 営業収益
F東京1,436 37% 419 1,017 3,865
清水 1,366 40% 315 1,051 3,449
横浜FM1,350 36% 458  892 3,717
鹿島 1,258 30% 270  988 4,160
磐田 1,081 32% 149  932 3,391
広島  980 31% 100  880 3,176
浦和  977 18%  18  959 5,353
川崎F 928 30% 158  770 3,073
(J1平均 863 27% 169  694 3,152=)
神戸  852 38% 225  627 2,250
名古屋 823 21% 275  548 3,993
C大阪 775 30%  0  775 2,618
平均  764 26% 139  625 2,912)
木白  752 21%  74  678 3,551
G大阪 684 21% 123  561 3,285
大宮  635 19% 143  492 3,344
新潟  583 24% 137  446 2,405
仙台  521 23%  86  435 2,303
札幌  266 20%  44  222 1,347★
鳥栖  264 18%  45  219 1,454
====================
平均  764 26% 139  625 2,912
(札幌  486 37%  41  445 1,297★J2/2011)
(札幌  266 20%  44  222 1,347★J1/2012)
(札幌  222 21%  50  172 1,055★J2/2013予算(商品収入+その他収入))

※その他収入=グッズ販売収入・選手移籍金・ファンクラブ会費・その他
※アカデミー収入=ユース会費・スクール会費・

横浜FMは、アカデミー458百万円、その他収入のうちグッズ販売473百万円。
全クラブとも、この辺が最大だろう。

今のJリーグ市場では、移籍金収入は見込めないので、
海外向けに数千万円~数億円の収入が5年に1回あればよいほうというレベル。
日本代表クラスを育てるのは現実的ではないが、五輪代表やU20代表なら
引っかりそうな選手がいるので、その辺で稼ぐべきだろう。
見落としがちだがレンタル収入は、1人当たりの収入は大きくないが、
それが5人、6人となると大きな金額になる。
FC東京や広島は、貸す方としての収入を得ている。借りる側であってはいけないのだ。
戦力補強のためだけに借りても、強化費を使い、翌年の戦力向上につながらない。
じゃあ2人の外国人は?という話になると思うが、
フェホはテレ予算で使っているし、レコンビンは広告料収入が見込めるので獲得している。

おまけ
★レンタル人数(J1J2合計6人以上)
広島  計 6:J1:2,J2:4
C大阪計 9:J1:1,J2:4,JFL:2,豪州:1,韓国:1
FC東京計10:J1:4,J2:4,韓国:1,スペイン:1
新潟  計 8:J1:2,J2:4,JFL:1,北信越:1
清水  計 8:J1:1,J2:6,米国:1
これらのクラブは、レンタル事業が大きな収入源の1つだと感じました。
これだけレンタルで出しても、J1で戦えるほど選手層が厚いとも。
J1クラブは主にJ2へ、J2クラブは主にJFLへレンタルする印象ですが、
FC東京のようにJ1クラブへもこの人数を出せるというのは、収入面で大きく違いますね。

過去にあったような、億単位の移籍金収入は見込めない。
他に残された方法とは?
・レンタル料で数百万単位で稼ぐ
・数千万円の移籍金収入×3人くらいで億を超える収入にする
・トレーニング コンペンセーションを当てにして21~22歳の選手を完全移籍で数千万の収入にする
・フッキに数十億単位の海外移籍を繰り返してもらい連帯貢献(Solidarity Contribution)を当てにする
・グッズは付加価値の高い高収益商品に絞り、利益率向上にシフト
・夏休み短期など小学生向けアカデミーの集中と選択と拡大
このくらいか。

J1定着ラインは、8億円。
J1残留ラインは、5.5億円。


★2012年度J2その他収入+アカデミー収入(百万円)

 アカ+他 割合 アカ 他 営業収益
東京V 665 45% 134 531 1,470
山形  476 45%  57 419 1,047
京都  346 17% 129 217 2,039
千葉  340 14%  53 287 2,408
福岡  288 34% 172 116  854
湘南  247 28%  0 247  869
北九州 246 36%  44 202  682
J2平均 237 25%  50 187  936)
甲府  231 20%  26 205 1,179
岡山  229 26%  48 181  878
松本  219 25%  0 219  893
愛媛  202 37%  63 139  546
鳥取  191 33%  39 152  576
徳島  170 16%  49 121 1,050
徳島  170 16%  49 121 1,050
横浜FC 168 16%  40 128 1,054
大分  166 17%  53 113  986
岐阜  162 31%  32 130  528
栃木  147 19%  29 118  791
水戸  142 29%  35 107  483
町田  127 26%  24 103  493
群馬  103 21%  6  97  496
富山  103 17%  33  70  599
=================
J2平均 237 25%  50 187  936
(札幌  486 37%  41 445 1,297★J2/2011)
(札幌  266 20%  44 222 1,347★J1/2012)
(札幌  222 21%  50 172 1,055★J2/2013予算(商品収入+その他収入))

東京Vや山形のその他収入の多さが、どこに起因するのか不明。
調べる価値はありそうだ。
東京Vは若手選手の移籍金収入だと推測しているが、果たして?
それ以外のクラブで、目立った部分はない。
J2新興クラブにとってアカデミー収入増は、小学生世代が中心になってしまう。
それでも愚直に続けて、ジュニアユース、ユースと良い選手を集め、
クラブへの人材提供というところまで繋がれば理想的。
地元に全国レベルの強豪高校があるクラブは、かなりの困難を伴うが、
少しずつでもブランド向上を図り、大きな収入源にになるようにしてほしい。

J1昇格ラインは、5億円。
PO進出ラインは、2.5億円


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