入場料収入J1平均6億。札幌の限界は?(Jリーグ経営情報で見るコンサ現在地5)

2013年08月20日

もくじ
1★2012年J1/J2営業収益順(百万円)こちら
2★2012年J1/J2広告料収入順(百万円)こちら
3★2012年J1/J2営業収益に締める広告料収入の割合順(百万円)こちら
4★2012年J1/J2入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計順(百万円)こちら
5★2012年J1/J2入場料収入順(百万円)←今回★
6★客単価/J2 客単価(円) 興収(百万円)
7★2012年J1/J2アカデミー関連粗利順(百万円)
8★2012年度J1/J2その他収入+アカデミー収入(百万円)
9★2012年度J1/J2チーム人件費順(百万円)
10★2012年J1定着,残留,昇格/J2PO進出基準(Jリーグ経営情報で見るコンサドーレの現在地2012年度まとめ)

参考資料
2012年度Jクラブ経営情報開示
平成24年12月期有価証券報告書(PDF:2.16MB)
経営状況で見るコンサの現在地(2011年度まとめ)


入場料収入。興行単体での粗利についても触れておく。

★2012年J1入場料収入順(百万円)    
  入場料 試合 興行 売上
   収入 経費 粗利 利益率
浦和 1,988 449 1,539 77%専
F東京 817 427  390 48%
名古屋 799 319  480 60%専
横浜FM 783 331  452 58%
仙台  764 132  632 83%専
鹿島  720 358  362 50%専
(J1平均 663 272  391 59%)
新潟  661 281  380 57%
清水  623 248  375 60%専
木白  576 174  402 70%専
川崎F 558 179  379 68%
広島  551 239  312 57%
G大阪 529 321  208 39%
C大阪 495 290  205 41%専
鳥栖  495 116  379 77%専
神戸  454 176  278 61%専
磐田  403 309   94 23%専
札幌  397 254  143 36%★
大宮  329 288   41 12%専
==============
平均  605 251  354 59%
(札幌  310 205  105 34%★J2/2011)
(札幌  397 254  143 36%★J1/2012)
(札幌  330 217  113 36%★J2/2013予算(試合経費は興行原価より))

※専:主催試合の半数以上を専用スタジアムで開催してるクラブ

浦和が大箱を見事に活かした興行でダントツ。
興行だけで15億もの粗利とは凄まじい。
浦和の粗利(1,539)だけで、札幌の営業収益(1,347)を超えている。
余談だが、札幌の入場料収入の最高は2002年(J1)711百万円。
ドーム開業+W杯効果での最高記録だから、
50年かかっても浦和を超えることはないだろう。

名古屋や鹿島も大きい専スタを持つ優位性を活かしている。
仙台はついに入場料収入で鹿島を超えた!
試合関連経費が低い理由を探る必要があるが、それでも好業績だ。

新潟は、昨年より入場料収入も粗利も落ちているものの、
陸上競技場でこれだけの入場料収入を得ている。
逆に、神戸、大宮、磐田は専用スタジアムなのに低調。
大宮、磐田は、スタジアムの規模が小さいのも一因だが、
専スタというだけでは限界があることを示すのか?
それとも、入場料収入を一定の水準に保つ効果があるが、
さらに拡大するためには、スタジアムを拡張せねばならないと捉えるべきか?

私は、スタジアムの拡張など必要がないと考える。
今の収容人数のまま集客率を上げ、チケットをプラチナ化して客単価を上げる。
スタジアムで見れない人向けに、地元局での中継が求められるようになる。
こういうサイクルの方が、よっぽどマシだろう。
成績が低迷して入場料収入が減ると、大箱は重荷になるから。
J1定着ラインは、6億円。
J1残留ラインは、4.5億円。


★2012年J2入場料収入順(百万円)    
 入場料 試合 興行 売上
  収入 経費 粗利 利益率
千葉 341 147 194 57%専
甲府 291  66 225 77%
大分 285  67 218 76%
京都 250 134 116 46%
山形 223  77 146 65%
横浜FC208  85 123 59%専
湘南 203  67 136 67%
松本 188  83 105 56%専
東京V170 284 -114 -67%
福岡 170  86  84 49%専
J2平均154  80  74 48%)
岡山 141  67  74 52%
栃木 131  92  39 30%専
北九州 98  44  54 55%
熊本  95  75  20 21%
鳥取  87  43  44 51%専
徳島  84  52  32 38%
水戸  82  30  52 63%
群馬  80  54  26 33%
岐阜  73  46  27 37%
町田  69  84 -15 -22%
富山  58  55  3  5%
愛媛  55  21  34 62%
=============
J2平均154  80  74 48%
(札幌 310 205 105 34%★J2/2011)
(札幌 397 254 143 36%★J1/2012)
(札幌 330 217 113 36%★J2/2013予算(試合経費は興行原価より))

※専:主催試合の半数以上を専用スタジアムで開催してるクラブ

いやー、やはりJ2ですね。
J2で最も多い千葉がJ1でも下から2番目。
対戦相手の質が非常に重要な要素だと分かります。
質と言っても、「よいサッカーをする」かどうかではなく、
「相手に代表選手や元代表で名を残した選手がいるかいないか」。
そちらの方が単純で分かりやすくて、食いつきやすいですから。
「京都のサッカーがとても面白い!」と薦めたところで、
分かってくれるのはJリーグ好きかサポーターだけです。

一度でもJ1経験があると、それをきっかけに足を運んだ方がリピーターになりうるのでしょう。
J2でいくらアピールしても、競合する娯楽がないなど、恵まれた条件にないと厳しいのかも。
こういう捉え方で見ると、J1経験のない松本、岡山、栃木が
入場料収入で1億を超えているのは、大健闘のような気がします。
J2上位に顔を出せるポジションをキープしつつ、善戦するのが大事なのかもしれません。
プレーオフにいけるか、行けないか、あたりをウロウロ。

J1昇格ラインは、3億円。
PO進出ラインは、2.2億円。
677


この記事に対するコメント一覧

フラッ太

Re:入場料収入J1平均6億。札幌の限界は?(Jリーグ経営情報で見るコンサ現在地5)

2013-08-20 09:34

 ざっと眺めてみましたが、J1は収入の大きさもさることながら軒並み利益率が高い。  ガンバ、大宮が低いものの親会社のサポートでカバーできている部分はあるのかも。  収入の大幅増は現状でも将来的にも厳しいので高収益体質を目指すべきだとは思うんですが、  デカいハコを作るよりも集客数を増やす、集客率を上げる  差し当たっては厚別で安定して10,000人入るのを目標とすべきなんでしょう。  札幌ドームはハコが大きくても使用料がバカ高いのでメリットがないどころか却ってマイナス。  作れるかどうかは別として、専用スタを作るならば15,000~20,000人くらいのキャパで  常にフルハウス状態でチケットをプラチナペーパー化してあわよくばシーチケ購入…とか。

sca

Re:入場料収入J1平均6億。札幌の限界は?(Jリーグ経営情報で見るコンサ現在地5)

2013-08-20 20:22

>常にフルハウス状態でチケットをプラチナペーパー化してあわよくばシーチケ購入…とか。 最終目標はここでしょうね。 完売商法、生産追い付かず一時停止商法。 シーチケだけでしか入れず、購入は15年待ち、みたいな状況を作ると、 自然とテレビ局がこっち向くでしょう。 二週間に一度開催、いつでも入れる、誰かタダ券持ってる、テレビで見れる、 では人も金も集まらないです。

コメントする