サッカービジネスで稼ぐクラブはどこ?(Jリーグ経営情報で見るコンサ現在地4)

2013年08月19日

もくじ
1★2012年J1/J2営業収益順(百万円)こちら
2★2012年J1/J2広告料収入順(百万円)こちら
3★2012年J1/J2営業収益に締める広告料収入の割合順(百万円)こちら
4★2012年J1/J2入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計順(百万円)←今回★
5★2012年J1/J2入場料収入順(百万円)
6★客単価/J2 客単価(円) 興収(百万円)
7★2012年J1/J2アカデミー関連粗利順(百万円)
8★2012年度J1/J2その他収入+アカデミー収入(百万円)
9★2012年度J1/J2チーム人件費順(百万円)
10★2012年J1定着,残留,昇格/J2PO進出基準(Jリーグ経営情報で見るコンサドーレの現在地2012年度まとめ)

参考資料
2012年度Jクラブ経営情報開示
平成24年12月期有価証券報告書(PDF:2.16MB)
経営状況で見るコンサの現在地(2011年度まとめ)


少し視点を変えて、広告料とJリーグ配分金を除いた収益では、どうなるのか?
広告料収入は親会社やスポンサー企業規模による補正、
Jリーグ配分金は1部/2部の違いや放映権分配の補正がかかるのため、
これらを除くことで「純粋なサッカークラブ運営事業」の目安としてみた。

★2012年J1営業収益から広告料収入とJ配分金を除く(百万円)
(入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計順)

親会社 チーム 広告と  営業
___ ___ 配分除く 収益 比率
三菱自 浦和  2,965 5,353 55%
東ガス F東京 2,253 3,865 58%
日産  横浜FM 2,133 3,717 57%
鈴与  清水  1,989 3,449 58%
住友  鹿島  1,978 4,160 48%
トヨタ 名古屋 1,622 3,993 41%
マツダ 広島  1,531 3,176 48%
(-  J1平均 1,527 3,152 48%)
富士通 川崎F 1,486 3,073 48%
ヤマハ 磐田  1,484 3,391 44%
日立  木白  1,328 3,551 37%
楽天  神戸  1,306 2,250 58%
--  仙台  1,285 2,303 56%
ヤンマーC大阪 1,270 2,618 49%
--  新潟  1,244 2,405 52%
パナ  G大阪 1,213 3,285 37%
Docomo 大宮   964 3,344 29%
--  鳥栖   759 1,454 52%
--  札幌   663 1,347 49%★
============
-- J1平均  1,527 3,152 48%
(-- 札幌   796 1,297 61%★J2/2011)
(-- 札幌   662 1,345 49%★J1/2012)
(-- 札幌   552 1,055 52%★J2/2013予算)

浦和が突出。
歴史がありバックボーンが強いクラブが上位にある傾向。
FC東京、横浜FMも20億円を超え、大健闘。
両クラブともアカデミー収入が4億円を超えているのが特徴の1つ。
これは大都市をホームとすることの優位性(子供の多さと収入の多さ)を活かしている。
マリノスのスクール月謝は月1万円というコースもあるようです。

仙台や新潟も、広告料が期待できない以上、入場料やその他で稼いでいることが分かる。
大宮が毎年降格争い常連なのも納得だし、G大阪が降格した理由もうかがえます。
広告料収入に隠れてしまっているが、実は大宮もG大阪も新潟より下なのだ。
特にG大阪は、広告料収入とカタール移籍金がないと、とんでもなくヤバいんじゃなかろうか。
J1定着ラインは、15億円。
J1残留ラインは、10億円。


★2012年J2営業収益から広告料収入とJ配分金を除く(百万円)
(入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計順)

親 チーム 広告と 営業
会社___ 配分除 収益 比率
-- 東京V835 1,470 57%
-- 山形 699 1,047 67%
JEF千葉 681 2,408 28%
京セラ京都 596 2,039 29%
-- 甲府 522 1,179 44%
-- 福岡 458  854 54%
-- 大分 451  986 46%
-- 湘南 450  869 52%
-- 松本 407  893 46%
(- J2平均391  936 42%)
-- 横浜FC376 1,054 36%
-- 岡山 370  878 42%
-- 北九州344  682 50%
-- 熊本 343  678 51%
-- 鳥取 278  576 48%
-- 栃木 277  791 35%
-- 愛媛 257  546 47%
大塚 徳島 252 1,050 24%
-- 岐阜 235  528 45%
-- 水戸 224  483 46%
-- 町田 196  493 40%
-- 群馬 183  496 37%
-- 富山 161  599 27%
==============
-- J2平均391  936 42%
(- 札幌 796 1,297 61%★J2/2011)
(- 札幌 662 1,345 49%★J1/2012)
(- 札幌 552 1,055 52%★J2/2013予算)

なんと、東京Vと山形が、千葉や京都よりも「サッカークラブ運営事業」で上回った。
「ユースは投資で、海外やJ1へ積極的に移籍させて、東京Vブランドを向上する」という印象を持っている。
J1経験クラブが平均以上に集まる中、松本が平均を超えている。
J1未経験の岡山や熊本も大健闘。
北九州は政令指定都市なんだから、もっといけるはず。成長が期待できる。
ちなみに、平均以下のチームは、F東京や横浜FMのアカデミー収入をも下回る。
つまり、地方のスタジアムで金を落とす世代の売り上げよりも、
大都市圏で子供を経由して親や祖父母からかき集めた売上の方が上回っているのだ。
地方の少子高齢化や、働き盛り+子育て世代の大都市集中が、こんなところからもうかがえる。
J1昇格ラインは、7億円。
PO進出ラインは、5億円。
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