大宮の躍進は親会社(広告料)のおかげ(Jリーグ経営情報で見るコンサ現在地-3)

2013年08月15日

もくじ
1★2012年J1/J2営業収益順(百万円)こちら
2★2012年J1/J2広告料収入順(百万円)こちら
3★2012年J1/J2営業収益に締める広告料収入の割合順(百万円)←今回★
4★2012年J1/J2入場料収入+アカデミー収入+その他収入の合計順(百万円)
5★2012年J1/J2入場料収入順(百万円)
6★客単価/J2 客単価(円) 興収(百万円)
7★2012年J1/J2アカデミー関連粗利順(百万円)
8★2012年度J1/J2その他収入+アカデミー収入(百万円)
9★2012年度J1/J2チーム人件費順(百万円)
10★2012年J1定着,残留,昇格/J2PO進出基準(Jリーグ経営情報で見るコンサドーレの現在地2012年度まとめ)

参考資料
2012年度Jクラブ経営情報開示
平成24年12月期有価証券報告書(PDF:2.16MB)
経営状況で見るコンサの現在地(2011年度まとめ)


広告料に依存しているか確認するため、営業収益に締める広告料収入の割合順に並べ替えてみた。

★2012年J1営業収益に締める広告料収入の割合順(百万円)
親 チーム 割合 広告収入 営業収益
Docomo大宮 65% 2,172 3,344
日立 木白 56% 1,989 3,551
パナ G大阪56% 1,840 3,285
トヨタ名古屋54% 2,145 3,993
ヤマハ磐田 49% 1,674 3,391
住友 鹿島 47% 1,935 4,160
富士通川崎F45% 1,373 3,073
マツダ広島 44% 1,406 3,176
(-J1平均 44% 1,398 3,152)
ヤンマC大阪43% 1,120 2,618
三菱 浦和 40% 2,121 5,353
-- 新潟 39%  941 2,405
日産 横浜FM37% 1,364 3,717
東ガスF東京36% 1,385 3,865
鈴与 清水 35% 1,223 3,449
-- 札幌 35%  475 1,347★
-- 鳥栖 34%  493 1,454
-- 仙台 33%  770 2,303
楽天 神戸 33%  742 2,250
=============
平均    45% 1,313 2,912
(札幌    31%  399 1,297★J2/2011)
(札幌    35%  475 1,345★J1/2012)
(札幌    39%  415 1,055★J2/2013予算)

大宮の収益の3分の2は広告料だそうで。
この依存度は驚異的。
しかし、ここ数年は
「大卒から他のJ1クラブに加入し、軸になりうる将来性のある選手を獲得」
「大卒の即戦力で有力な選手を獲得」
という方針で補強しているようで、選手層の底上げを実現している。
そういう意味では、J1定着に必要な下地は作っているし、
金の使い方も間違っているとは言えない。
J1で戦うには、育成型クラブよりも、資金力にモノを言わせて
選手層を厚くするのが常套手段だし、それでいいと思う。

柏、名古屋、G大阪も50%超え。
経営不振で主要スポンサーが撤退!となったらどうするの?
バランスを考えると、40%を下回る方がよい。
営業収益の大きい割に広告料依存度が低い浦和、横浜FM、F東京は、バランスの良い経営といえる。
札幌、鳥栖、仙台は親会社がないので、必然的に広告料収入のウエイトが低いい。
それでも広告料収入が多いに越したことはないのだけれど。

ちなみに横浜FMの場合、07年当時の広告料は25億円を超える親会社依存体質だったが、
現在は15億円を下回り、単独でも経営できるよう改善しているようだ。
毎年20億円補てんせずとも、2~3年に1回20億円補てんすればいい状況にまでなってきている。
親会社からの補てん自体は否定しないし、どんどん使っていただいて結構だが、
それが当たり前になって危機感も無く補てんされているのでは、まるで意味がない。
そういう観点で、マリノスのチャレンジは結果を残していると思う。
とはいえ、有能な(?)人材を集めても、それが限界なのかなーと思ってしまう自分がいる。


★2012年J2営業収益に締める広告料収入の割合順(百万円)
親 チーム 割合 広告収入 営業収益
大塚 徳島 68%  709 1,050
JEF千葉 67% 1,617 2,408
京セラ京都 66% 1,354 2,039
-- 富山 59%  354  599
-- 横浜FC55%  576 1,054
-- 栃木 53%  418  791
(- J2平均48%  451  936)
-- 岡山 47%  415  878
-- 甲府 47%  554 1,179
-- 大分 46%  452  986
-- 群馬 46%  226  496
-- 松本 41%  368  893
-- 町田 41%  202  493
-- 湘南 38%  330  869
-- 東京V37%  548 1,470
-- 北九州37%  252  682
-- 熊本 37%  252  678
-- 岐阜 37%  193  528
-- 愛媛 36%  199  546
-- 福岡 35%  301  854
-- 水戸 35%  169  483
-- 鳥取 32%  186  576
-- 山形 24%  253 1,047
===============
-- J2平均48%  451  936
(札幌    31%  399 1,297★J2/2011)
(札幌    35%  475 1,345★J1/2012)
(札幌    39%  415 1,055★J2/2013予算)

J2親会社3トップ!強烈ですね。
広告料の依存度だけでいえば、大宮以上ときたもんだ。
J2の場合、広告単価が下がるため、全体的に低いのは否めない。
とはいえ山形の24%って、驚異的な数字です。


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