札幌2-2清水 分析その1

2008年07月10日

試合詳細はこちら清水
GK:西部
DF:岩下 青山 高木和 山西
MF:マルコス・パウロ 伊東 藤本
      枝村
FW:西澤 マルコス・アウレリオ

札幌
FW:ダヴィ アンデルソン
MF:中山 芳賀 クライトン 藤田
DF:坪内 柴田 箕輪 西澤
GK:高木

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図1.札幌の守備、前半基本図(札幌が○、清水が●)。枝村と伊東がフリー。

札幌が中盤フラットなのに対し、清水はダイヤモンド型。この対戦では清水トップ下の枝村がいわゆる「ゾーンのすき間」に位置するため、彼に対してどう対処するかが問題。札幌は特にマークをつけず、芳賀とクライトンは枝村にボールが渡らないようパスコースを切る意識が強かった。
また、特徴的だったのが左MFに配置された中山の守備。すぐ近くにいるパウロには守備に行かず、ひたすら右サイドバックの岩下をマークしていた。岩下がボールを持った時は相手陣深くまででもゾーンを捨ててチェックに行っていた。これは明らかに事前の作戦であり、監督の指示。
パウロが右に流れてきた時は芳賀と坪内が対処していた。
左に張る傾向のあるアウレリオには西澤が対応し、中央の西澤には柴田と箕輪が対応。2トップにはほとんど仕事をさせなかった。
ダヴィとアンデルソンの2トップは2人とも積極的に相手DFにプレスに行っていた。しかし、2人の連携はあまり上手くとれておらず、また、プレスのかけ方(追い込む方向)も適当だった(これは個人の守備戦術スキルの問題)。さらに問題だったのが、2人揃ってプレスを掛けても前述の通り掛け方が下手でボランチの伊東までボールが渡ってしまう場合も多かった。この場合は伊東がフリーで前を向けるのでかなり危険な状態。
スカパー解説では、三浦監督はクライトンが伊東に付くよう指示しているがクライトンはスペースが空くのを気にして出て行けない、という解説をしていた。しかし、それは本当だろうか?2トップの連携でさえ上手くいっていないのに、さらに守備の下手なクライトンまで連携して前にプレスを掛けろというのは無理な話。下手に出て行っても中央のスペースに穴が空くだけである。そういう作戦を取りたいなら、FWやボランチにはもっと守備の上手い選手を入れるか、清水と同じダイヤモンド型の布陣にすれば良い。後半からはこの問題は修正できていた。三浦監督の指示がどんなものだったかは、図2を参照。

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図2.FWが2人ともプレスに行かず、1枚を伊東に付ける。これで清水の攻撃は止まった。

攻撃については、厚別の利を生かしてハイボール徹底で良いんじゃないかと思う。前半は風下なので耐えて、後半からは高さのある2トップを生かして押し込む。または両サイドに砂川・西谷・西などのフレッシュな選手を入れて活性化させる。
セットプレーについてはクライトンのキック精度もそうだが、チーム練習で狙いどころをきちんと決めるべき。この日のCKは7本あったが、キックの内訳はファー1本、ショートコーナー1本、後の5本は確か全てニアに低いボールだった。ご存知の通り、2得点はファーサイドの1本とショートコーナーの1本から生まれている。高さでは完全に勝っているのだから、なぜ小細工を使ってニアに蹴るのか?おそらくニアですらして後ろで決めるという練習をしていたからだろうが、意味がわからない。

以下、その2に続く?



post by roque816

05:09

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