赤井川カルデラにも黒曜石

2012年06月17日

アメダス探訪・後志北部の前編に続き、今回は後志北部の後編となります。

神恵内から南下して既訪の「共和」地点を通過し、倶知安と赤井川を探索してきました。
倶知安は、測候所だった時代に訪れたことがあります。

昔は気温を百葉箱の中で測っていましたが、気温は地上1.5mの高さで測ることになっており、雪が積もると雪面からの高さが低くなってしまうので、倶知安では百葉箱自体の高さを変えられるよう特殊な構造になってました。

現在では金属の筒の中で気温を測ることになっており、温度計を取り付ける高さをスライドできるようになっています。


 
アメダス探訪「倶知安」の巻(2012/4/30)
羊蹄山麓オウム鳴く
ここは「後志北部」ではなくて、景色の通り「羊蹄山麓」に属します。
昔の倶知安測候所は、国道5号線の脇にありました。

今は合同庁舎に・・寄り合い所帯というか、雑居ビルというか・・
ゴードー焼酎ではない
小樽や札幌はともかく、岩内の方が倶知安より偉いの?

看板というか標識というか注意書き
侵入禁止

積雪深計・・4月27日から「積雪なし」になったらしい。
ターゲットを狙え

ここは測候所から変わった特別地域気象観測所なので、視程や気圧も測っています。
視程計・・ただいま20km(=∞)

風と日射は庁舎の屋上で測っていました。
風と共に測りぬ

 
すぐ近くに倶知安小学校があります。
校舎と校門
ここを卒業した訳ではなくて、4年生の時に1年間通っただけです。自宅は向こう側にあったので、この校門から入ったことはほとんどありません。

校庭と羊蹄山・・さすがに倶知安だけあって、まだ雪が残っていました。
融けない雪は無い
昔はここに校舎があって、現在の校舎の位置は校庭でした。
毎日、こんな景色を見ながら 遊んでた 勉強してたんですから、贅沢なもんです。冬は雪が深くて通うのが大変でした。

伊井オブラート工場(現:伊井化学工業株式会社)の社長の息子も同級生でした。今は後を継いで社長してますけど。

近くの文化福祉センターの前にSLが冬眠してて、いまだ覚めやらず。
79615


次の目的地である赤井川へ向かうため、最近開通した新しい道路を通りました。轟鉱山に入る分岐点の辺りに合流するんです。
かなりの近道になりますが、それ故に峠付近は結構な勾配がありました。

雪融け水を集めた小さな滝がありました。季節限定の光景かも。
雪融けを集めて速し季節滝

アメダス探訪「赤井川」の巻(2012/4/30)
色々あるな
消防署の裏にありました。周囲は雪融け水でびしゃびしゃです。

ここでは雨量と積雪深しか測っていないはずなのに、なぜか支柱に温度計を抱かせてあって、どこかが便乗しているようです。
余計な物まで付いている

おまけに、消防署の温度計と風速計と雨量計も横に立っています。
なぜか重複
右奥に地震計もあったし、測量用の電子基準点も役場の近くに立ってて、この村は地球物理学的に役立っているでしょう。

消防署の見張り櫓とホースを吊るすハンガーとを兼ねる搭は、とんがり屋根になっていました。黒松内の「トワ・ヴェール」みたい。
昇ってみたいなぁ

右奥に見える小学校のような建物に行ってみると、想定の範囲内の施設に変わっていました。
開門~!

だけど、村内の住民にしか見せたくないようです。
郷土の住民に見せる資料館です・・今日は4月30日だし

 
赤井川って、火山活動で出来たカルデラであるくらいだから、下を向いて歩いてると黒曜石がたくさん落ちてるんです。畑作業で手を切ったり機械が壊れたりして不便でしょうねぇ。

今じゃぁ長閑な田園地帯ですが、石器時代には十勝と白滝と置戸と赤井川が黒曜石の4大産地だった訳で、今でいえばレアメタルとかダイヤモンドの鉱山だったような土地柄です。
貴重品として交易されて道内に分布してるのはもちろん、サハリンや東北地方にまで運ばれています。

赤井川産の黒曜石は、白い泡が集まったような筋が入っています。
模様としては綺麗だが脆い

十勝産の黒曜石は真っ黒で、
典型的な十勝石

赤茶色い黒曜石?は白滝産の特徴です。
ブラウンもシックだな
(岩石標本は、いずれも北大総合博物館蔵)

 
帰りは冷水峠を通って帰って来ましたが、峠を越すつもりがトンネルになっていました。
峠の茶屋というか冷たい水を飲める土産物屋は無くなったし・・展望台はまだあるようですが、アリスファームも色々と変わったんですね・・藤門さんや宇土さんもずいぶんと歳を取っててびっくり。(←自分の歳を考えろ!)

ちょっとした用事で小樽公園に寄ると、いかにも田上義也氏が設計したような屋敷がありました。
坂牛邸

坂牛邸というそうで、説明をロシア語でも書いてあるところが小樽らしいです。
八角形の応接間が特色



post by 雁来 萌

07:22

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