2007年07月29日
札幌U-18奮戦。1勝1敗でベスト8進出に望み【福島】 毎夏恒例の第31回日本クラブユース選手権U-18が福島県楢葉町のJヴィレッジで開催されている。 11年連続出場となったコンサドーレ札幌U-18は、グループラウンドでのクジ運には恵まれず、関東予選1位のFC東京U-18、昨年度の優勝チームであるガンバ大阪ユース、進境著しい大宮アルディージャユースと同組という厳しいグループ(E)に入ってしまった。 総当りで行われるリーグ戦で 1位となれば無条件でベスト8である決勝トーナメント進出の権利を得られるが、2位となると全6グループの2位チーム間で成績を比較し、上位の2チームしか勝ちぬけることが叶わない。つまりグループラウンドは1つの勝ち点、1つの得点、1つの失点がヴィヴィッドに次ラウンドへの進出に影響するまったく息の抜けない試合の連続ということになる。 <ガンバ大阪戦より。ガンバの重厚多彩な攻めの前に札幌守備陣は対応に追われた> 「選手真っ白」悔しさ残る敗戦(ガンバ大阪戦=28日) 昨年は1分2敗と、まったく不本意な成績で大会を後にした札幌だったが、今期は昨年5位で同様に苦汁をなめた北海道プリンスリーグで覇権奪還に成功し、揚々とJヴィレッジに乗り込んできた…はずだった。 が、「今期はこれまでJリーグのユースチームとの試合を一度も体験しないままこの大会にやって来て、いきなりそれもガンバという強豪チームとぶつかって、選手たちは非常に固かった。真っ白になってしまっていた。」(札幌ユース・四方田監督)と言うように、緒戦となったガンバ大阪戦は立ち上がりから主導権を握られる。 「できればもっと粘って後半に勝負をかけようというプラン」(四方田監督)は、前半の20分(注・40分ハーフ)に崩された。ガンバの右からのコーナーキック。クリーンヒットした相手のヘディングシュートはGK平加涼が体で止めたものの、倒れた体の足付近に残ったボールを巡ってゴールマウス正面で両チームの選手で混戦となり、わずかにDF熊澤覚の足が相手DF内田達也の右足に及ばずボールはゴールマウスへと転がる。札幌にとってはその前のプレーでDF松本怜大が負傷し、ラインの外で治療を受けている1人少ない状況でのプレーだったことも悔やまれた。 先制点で余裕を持ったガンバは攻め急ぐことなく、最終ラインでしっかりとボールを回してから隙を見て前線へと速いボール回しで攻めてくる。対する札幌はそれまでの中盤で競ってつないで行くサッカーから、攻めに出てくるガンバの背後を狙うカウンターに活路を見出そうとするも、中盤から相手DFライン裏へのパスと走り込むアタッカーとの呼吸が合わず、エンドラインを割る場面が目立つ。 <期待のFW横野もガンバ守備陣の前に自由を与えられずシュートは1本に終わる> 後半、噛み合わない攻撃陣の修正を図り突破力や個人技に長けたMF能登剛、MF古田寛幸らを投入すると好機の数は着実に増え、シュート数も前半の2から6へと増加を見せるものの、計8本のうちFW選手によるシュートが1本だけだった(横野)ことからもわかるように、相手を崩しきってのフィニッシュではなく、手詰まりとなってのミドルレンジからのシュートが主で、枠を捉えられないとなるといたずらに時間が過ぎるばかり。薄曇で時おり陽が射す程度ではあったが30℃を記録した暑さの中、次第に選手たちの足が重くなったところを狙われ、後半13分には自陣ペナルティエリアの中でクリアに手間取ったところをガンバFW吉本和平に蹴りこまれ、さらに21分には前がかりになったラインの裏をパス1本で抜かれ、左45度からFW大塚翔平に鮮やかに左足で決められダメを押された。 リードを広げセーフティーに試合を進めるガンバに対し、終盤にも好機を作る札幌だったが、最後の決定機となった35分のMF竹内清弥のミドルシュートも枠を外れ涙を呑んだ。 グループE・第1回戦(7/28・15:00・Pitch5) ガンバ大阪ユース 3-0(1-0/2-0) コンサドーレ札幌U-18 得点者=内田(20分・G大阪1-0)、吉本(53分・G大阪2-0)、大塚(61分・G大阪3-0) 札幌のメンバー=GK1平加涼(3/cap)、DF2山川詩音(3)→DF7岩月章太(3)、3松本怜大(2)、4熊澤覚(2)、5加藤大己(2)、MF8鶴野太貴、18佐藤明生(2)→、MF14古田寛幸(1)、20竹内清弥(2)、FW9横野純貴(3)、10大西洋平(3)→FW25金子顕太(1)、19玉岡營根(2)→MF11能登剛(3) <札幌MF佐藤の進路を切るガンバ守備陣。ガンバは堅い守備をベースに良い形で攻撃へつなげていた> 四方田監督のコメント「できればもっと粘って後半に勝負をかけようというプランで試合に臨んだ。1点先制されたが0-1のままもっと我慢できていれば終盤にチャンスがあると思った。攻めに出たところを1本のパスで裏を取られ失点した(3点目)のが勿体なかった。選手たちは最初は固かった。今期はこれまでJリーグのユースチームとの試合を一度も体験しないままこの大会にやって来て、いきなりそれもガンバという強豪チームとぶつかったせいか、真っ白になってしまっている選手もいた。後半はボールを奪って相手ゴールに向かっていくアグレッシブな面が見えたし、ガンバという相手でも1対1の奪い合いで五分に渡り合える選手もいた。どうしようもなくやられてしまったという感じではなかった。明日(FC東京戦)はがむしゃらに行くしかない。選手たちの気持ちに期待している」