京都のあいつ(日記)

2007年05月17日

試合翌日、観光モードに入るために珍しく早起き!
近くの地下鉄東西線の三条京阪駅から蹴上駅へ移動。
サッカー観戦に来て 蹴上駅っての、いいんじゃない?いいんじゃない?
ゴール前で蹴り上げてばかりもアレですけどね。

けっこう豪華なホテルでしたあ。
チェックインは午後1時でしたので、荷物だけ預かってもらい、なーんの
予備知識もないまま、徒歩でホテルを出発。午前9時頃でしたね。

微妙にそのホテルは坂道の中腹あたりに建っており、「今が大事」の自分は
迷わずに下り方向へ歩いて行った。
帰りへとへとになればタクシーにでも乗るさ!(旅に出ると気持ちが大きくなる)

まあまあまあまあ、京都のチャリ人口の多いこと。狭い坂道の歩道をノーブレーキで
おりてきます。怖いわ! 帰りはどうするんだろう。
でも、慣れたもので 歩行者をうまくかわして 華麗なハンドルさばきでした。

なんて言うんでしょう。普通の街のはずなのに、普通じゃない。
たらたらゆっくり歩いていても飽きることがない。
小さなお店のたたずまい。わずかな隙間だけで密集している古くからの住宅。
それでもちゃんと塀が作られている。門だけがやたら立派とか。
まだ開店していない古い店舗もくもったショーウィンドウの中には 古い雛人形が
あったり、瀬戸物があったり、書の道具があったり、なんだかへん!

せっまい路地がいっぱあい。
そうだ、こういうところに穴場があるのではないだろか!
鋭い自分は 迷わず道を左に折れた。

そして出逢ったんです。

その狭い路地を微妙に上りながら・・・御茶屋さんがあったり、こんなところにこんなデカイ
車どうやって入れたよ!みたいな驚きに満ちながらも、ふと香る先には もしかして
これって椿?? やばい・・・やばい・・・ 胸がいっぱいになってくる。

ぼ~っと歩いていたら・・・ 音もなく静かに顔を見せた あいつ。

もう腰が落ちている・・・ 弱弱しく振るしっぽ。鎖がまっすぐに少したわむくらいのところ
まで ゆっくりゆっくり歩いてきてくれた。

やばい。
だあああああーっと涙が溢れてきた。

陽だまりの中、ちょうどいい具合にお水が飲める窪みのある石には湧き水がある。

いいところに住んでるね。話しかけてみた。
幸せだったでしょ?
ずっとずっと、ここで 何千人、何万人、いや何十万人って人を お迎えしてきたんだね
偉かったね 有難う
わたし、おまえに逢えただけでも 京都に来てよかった

涙がとまんない。もう 一ヶ月後に来ても会えないと思ったから。
立ち去りがたく、たたずんでしまった自分を 気遣ってくれたんだと思う。
今までもずっとそうしてきたんだと思う。

あいつは 静かに 視線をそらした。
わかった。行くね。振り向かないし、帰りにも寄らないよ。

名前も知らない老犬は 今でも はっきりと目に焼きついている。

書きながら泣けてきてしまったので、続く・・・ 


post by aru

23:54

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