2013年10月13日
野風さんから上巻を借りて読み、自分で下巻を買って読みました。 野風さんは「実話がベースなので、上巻を読めば下巻の展開も予想できるから 下巻は不要」とおっしゃっていて、確かにそれはその通りだったのですが、話しの勢いとしてやはり下巻も捨て難く、上巻を読み終えて早々に買って読んだ次第。 やはり 下巻も読んで良かった。
出光興産の創業者、出光佐三という実在の人物をモデルとした国岡鐵造の熱い信念の物語。 実話をベースにしているとは言っても、あくまで小説(フィクション)であり、かなり美化されている部分も感じますし、当然ながら これが全て事実という訳ではないでしょう。 それでも、かつて このような人物がいたのだという事は 日本人として誇らしく思います。 日本のアジアの植民地化を推し進めようとする欧米列強と 日本が戦っていた時代。 石油業界を牛耳ろうとする業界団体 VS 異端児 国岡鐵蔵。 世界の石油を独占しようとする石油メジャー VS 民族系の国岡商店。 大きな敵に立ち向かっていく様は さながらドン・キホーテですが、智恵と度胸を総動員し、勇気を持って堂々と渡り合う姿は 爽快です。 そうした国岡鐵蔵に惚れて 共に戦う男たちや、全財産を投げ打って支援する男たちも 素敵です。 国岡商店は、現代ならば さながらブラック企業ですが、それについて行く社員がいたという事は それだけ鐵造にカリスマ的な魅力があり、歌の文句ではないけれど “男心に男が惚れて~”という事だったのでしょうね。 本田宗一郎や松下幸之助、井深大や盛田昭夫などにも ちょっと似た匂いを感じますが、スケールが かなり違いますか。 国岡鐵蔵の存在感は半端なく、その生き様は感動的ですらあります。 とにかく 面白かったです。