~進化~ 中断期に課題考察~ミシャ戦術

2019年07月29日

我らがコンサの追及するミシャ戦術は、➀現在進化中、➁変幻自在で、固定的戦術としての理解・認識はどこまで行っても「どこかが不正確・現在形には遅延内容」となり、とても全面理解・認識は困難ですね。
しかし、現在中断期の「テーマの隙間タイミング」を狙って、少しでも「より理解」を進めたいと思います。
よろしくお付き合いの程を!
1.基本理解
今まで記載した内容は、極力再記載を除外します。そのため、基本理解も、別角度・視点から・・・。
現代サッカー用語で、再直近流行が、「システム・ポジション」⇒「シチュエーション・タスク」への用語置き換えと言われています。
これは、既に「システム」とされる固定型プレイは、現実は皆無となり、「シチュエーション」との「限定局面」プレイ重視となり、
また、「ポジション」との選手役割も、固定型限定型プレイが、現実では皆無となり、複数役割(従来の捉え方では、複数ポジション;DF役とMF役、等)が当然となり「タスク(役割)」重視となっているとの事。言われてみればね当然ですね。
その様に、何気なく使用している「言葉」は、元々の古い意味、その後の修正意味、そして現在の進化形意味と大変化している訳ですが、そんな分類もなく、意識せずに使ってしまっていますね。
しかし、ミシャが改革しようとする最大・根本部分が、年齢に拘わらず多くの選手・指導者、チームスタッフ・我らサポーターの、そんな「旧く、現在使用不可の考え方、刷り込まれたり、押し込まれて来た、考え方」の頭の中で、
「正しい理解」からは、
ミシャの全てが「計算され尽くした最新」という事が解ってきますね。
その一端の「端っこの端」だけでも、確認してみたいと思います。
2.ミシャが最も影響されたサッカー
ミシャの源流が、オシムである事は、何回か記載した通りで、ミシャが選手~指導者で「オシムのコーチ」で、オシムチルドレン・弟子からスタートしています。その源は「オシムの走るサッカー=正確には、『走りながら考えるサッカー』」である事は間違いありませんが、本質は「トータルフットボールからの派生世代」で、具体的には、現在マンチェスター・シティ監督のペップ(本当はジョゼツプ)・グァルディオラの進化をなぞり、追い続け、現在に至っているという事です。
常々、”シティの様に!”と、M・C(マンチェスターシティ)が比喩・プレイ理想として出て来ます。
その内容を少しだけ確認すると。
ペップは、バルセロナ2008~2012頂点⇒バイエルン2013~2016頂点⇒M・C2016~頂点とビッグクラブでの頂点獲得が続いていますが、一貫して変わらない部分と、大きく進化した部分があるも、その過程全てが、ミシャ戦術の導入・進化とかなり符合します。
実は、リーグ事情・現状への適応がその変化理由です。
バルサは、スペインリーグの「ポゼッション重視・前線からの守備少ない」
ブンデスは、ドイツリーグの「速攻重視・前線からの素早い守備」
プレミアは、イングランドリーグ「よりゲーム支配・スピードと強度」
それに応じて、フォーメーションも、その流動性も変化しました。またねチーム保有選手・能力も大きな要素でした。
では、
➀システムは「4ー1ー4ー1」とされますが、固定されずに、シチュエーションに従って、選手のポジション位置はどんどん変化します。つまり「その選手のシチュエーション・タスク」は明確にされ、そのプレイを実施する選手能力では「ポリバレント」が求められます。逆に言うと、多数の局面ごとに変化するタスクをプレイ出来る選手のみが起用される、という事となります。
➁「ゲーム支配」=ボール保持し「優位性」を作り出す。その「優位性」は、・数的優位・ポジショナル(位置的)優位・質的優位となり、そのために「トライアングル(三角)・ロンボ(ひし形)」が基本形となり、プレー原則「敵ゴールに背を向けている場合は後方へ、前方パスコースが見えている場合は前方へパス」により、その優先順位は、a.敵守備ライン裏フリー選手への縦パス~b.斜め前方選手へのパス~
c.シンプルにバックパスの順。
パス交換により、敵第一守備ライン(FW)~第二守備ライン(中盤超え)~前線へ侵攻。
➂ピッチを縦5分割し、サイドRL・インサイドRL・センターに配置。サイドは、孤立化・1対1勝負に勝つ・突破選手1名ずつ、インサイドに偽SBのRLCB+シャドー・トップ下2名ずつ4枚、センターに、CB2+アンカー+CF5枚との配置。攻撃での数的優位・ポジショナル優位と、ボールロスト時のセンターカウンター防御の予防的カバーリング配置。
また、前線3枚は固定的だが、中盤以下選手は流動性が高く、「シチュエーション・タスク」に従って、どんどんプレイ変化。
➃守備は、プレイ2大原則「ボールロストは即時奪回」「そのため常に前方に向かってスペースを埋める」の下、a.ゲーゲンブレッシング(最前線でのボール奪取);ボールロストの瞬間3・4秒以内ボール奪回~一番近い選手が「飛び掛かり」、周囲選手は「周りの受け手全てを塞ぎ」ボール奪回を図る、失敗すれば、b.一旦、自陣浅目に下がってブロック守備の2段階。そして、ボール奪回から、「ボールポゼッション確立」と「速攻」の2つの方法があるも、以前のバルサ時代「ポゼション確立」から、バイエルンでは、ブンデスの激しい「縦スピード」からの縦パス・速攻が主流となり、更に、シティでは益々「速攻」選択で、激しさとスピードが上昇。速攻が成功しなければ、一転「ポゼッション確立」に変化します。
ボール奪回からの攻撃は、ボール奪回者から、近くの選手にシンプルに預け、その選手は「相手陣形の穴がどこかを瞬時に判断」の準備を済ませて置き、敵プレッシャーの受けにくい、敵密度の希薄な地域(エリア)にボールを持ち出す、=選手密度の高いボールエリアの「逆サイドへのチェンジ」から、一気に突破となります。
➄この様に、守備の中に、攻撃・速攻~ポゼッション攻撃まで含まれ、攻守の「切り替え」の様な、局面転換・分離の考え方がありません。
従来型の考え方の、「攻撃」~「攻撃から守備」~「守備」~「守備から攻撃」の局面4分割の考え方は排除され、「流れる展開の中、守備の中に攻撃があり、攻撃の中に守備がある、との完全一体」との考え方で、全てが次の準備過程として、徹底されます。そのため、選手が「シチュエーション・タスク」を理解すると、オートマチックに進行する現代・最新形となります。
いかがですか。
代表的な5つの特徴・ポイントを記載してみましたが、現行のミシャ戦術・類似内容が続出です。
当然ですね。ペップ・シティに向けて「戦術進化・成長」を図っているのですね。

3.ミシャサッカー戦術
実は、ペップの後継者がスペインに現れ、「4バック」ではなく「3バック」で、ペップ戦術の進化形を指向しています。ペップも、スペイン・バルサで「3バック」を指向した事もありましたが、僅か1年で失敗(戦績低迷)となりました。
シティでは、相手陣予想で「FW1・3トップ=4バック、FW2トップ=3バック」と相手により選択していますが、基本形は、試合スター時のみのフォーメーションで、「シチュエーション・タスク」に従い、ポジションは流動化し、フォーメーションは意味をなさない様に展開します。

ミシャの「システム可変」は、「シチュエーション・タスク」によるポジション変更そのものです。また、基本原則「トライアングル・ロンボ」によるパス交換と、そのバス交換による「相手守備ライン」超えも、ペップそのものです。
ペップ・シティでのビルドアップでは、
基本は、数的優位やポジション優位での「パス交換」による相手守備ライン突破ですが、CBが前にスペースがある場合は、そのままドリブルにより中盤まで持ち上がり「数的優位、対処のための相手守備選手引き出しによる発生スペースへ味方選手入り込みでのスペースパス」発生、どこにもパスコースが塞がれ無い場合のみ、DF・GKから前線へのロングフィードとなります。
ここも、ミシャ・コンサのプレイそのものです。
また、ボール奪取の位置=前線でのボール奪回=ゲーゲンプレッシング、ボール奪回からの「速攻」展開、それが失敗となっての「ポゼッション戦術」も、ミシャ・コンサプレイですね。
選手起用方針も、
ピッチ・縦5分割で、
サイド・・1対1・孤立化・突破のアタッカー起用左右2選手
インサイド・・左右CBがアンカー脇スペースを埋める「偽SB」(横浜FM得意戦術)で、パス起点能力もあるCB起用2選手、その前に、ゲームメイク・前線への飛び出し・そのままゴール獲得の攻撃力と、第3守備ライン構築の守備力を持つ「ST・トップ下」起用2選手
センター・・Wボランチ(第1アンカー・第2アンカー)・・守備ラインに降りて、守備+ビルドアップの第1アンカー、その際、「偽SB」と並んで第二守備ラインを構築し、守備+パス起点となる第二アンカー、どちらも「守備+バス能力」あるMF起用2選手と、守備ラインに残るCB1選手と、CF1選手、そして、ビルドアップに参加する「リベロ」となるGKとの起用は、
ほぼそのまま、選手選択指針も含めて、ミシャ・コンサそのものです。
特筆は、「サイド」は、唯一「1選手」のみが配置で、選手固有能力により「1対1勝利、突破のアタッカー」が必要で、その「選手の質での優位」によるサイド攻略が、攻撃の最有力手段の一つである点、更に、サイド攻略は「アーリークロス」の突破・侵攻では不足で、より深く侵攻・突破し、マイナス・サイドパス(センタリング)までを求めます。ミシャ・コンサでは、未だそこまでには到達していませんね。ルーカスの右サイドは、その「シチュエーション・タスク」にしばしば達成・成功しますが、左サイドの菅・白井も、そこまでには未到達で、今後の課題である事が見えて来ます。また、CFは、他チームの様に、サイドに流れる事は禁止、というが解ります。他選手の攻略に使用するスペースを奪う事になる事だからですね。
サイドは、敢えて「孤立化」がベスト、そこで勝負に勝つ、という事が求められているのですね。

いかがでしょうか。本当に、ペップ・シティが、「教科書・指導教則」という事が良く分かります。
と同時に、「横浜FM」をテストマッチで一蹴してしまう「シティ戦力への到達」に向かい、コンサは進んでいく、そのためには、未だまだ改善・進化の余地があり、それこそが、コンサ戦力の将来・潜在・可能性である、という事ですね。

本当に、解析困難な内容でしたが、お付き合い有難うございました。




post by yuukun0617

17:07

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