~進化~  考察;マセードと菅

2017年08月15日

現在コンサの両サイドは、右;マセード・左;菅のスタメンですね。

両サイドの功罪は、かなり議論があり、ここで一考察してみます。

先ず、
コンサのサイドの特徴・役割と必要プレイ・ポジショニング・そのための能力の定義(明確化」をしましょう。(語る方により、その内容・認識に大きな幅があるポジションですので..)

1.特徴と役割・必要プレイ
現在の実戦ポジショニングから、点検してみましょう。

システム「3-3-(2-2)」でも「3-4-(3)」でも、
両サイドの守備時ポジションは「5バック」ポジションで、常時不動のポジションです。
一方、攻撃時のポジションは、
 ・攻撃サイドとなったサイドはAMFライン、
 ・逆サイドはバランスを取り、アンカー~ボランチラインです。
しかし、
一回でサイド突破に失敗となり、逆サイドへ転換し直しした場合は、
 ・ほとんどの場合、両サイドともに、AMFラインにポジショニングします。

このように、ポジションは、DFライン~最高AMFラインまでの縦に広大なエリアがあり、実は、全ポジション中最広範囲のエリアで、攻守をプレイします。

守備役割は、
①敵サイド突破防御=クロス阻止・侵入突破シュートとパス阻止②敵ボール奪取③パス交換防御=パス先限定・サイドへの追い込み
一方、攻撃役割は、
④サイド突破=クロス・侵入突破シュートとパス⑤パス交換⑥逆サイドでのチャンスメイクと得点 ですね。

 サイドの役割・ポジショニングを図示してみます。3-4-3、で。

         - 敵ゴール -
          FW   FW
      SH        AMF         SH
        SH     DMF     DMF    SH
         SH    DF         DF    SH
                    DF
                    GK
         - 自ゴール -
攻守ともに、他ポジションの3倍の責任エリアで、意外に理解されていない部分ですね。
また、名称をすべてSH;サイドハーフとしましたが、
実は、正確には、
最下ポジションは、SB;サイドバツク
ミドルポジションは、SH;サイドハーフ
最上ポジションは、WG;ウィング がその役割とプレーからは正確な呼称です。
つまり、1人の選手は、WG・SH・SBの3つの内容をプレーする訳です。
そして、この認識・理解は重要です。
と言うのも、個々の選手特性は、
万能型はワールドクラス選手で、日本代表でも僅かですね。
ほとんどの場合、高レベル(少なくとも、J1クラス)能力については、
SB型・SH型・WG型、優秀選手だと、その併合型となります。

2.そのための能力

得意不得意の選手特徴はあっても、その3ポジションの役割・プレーの責任は免れる事は許されません。しかし、当然、低レベルプレイは、役割未実践=敵プレイの勝ちとの結果となります。
必要能力を少し掘り下げましょう。
①3つのエリアをカバーするため、必須能力が、運動量・スプリント力・走行スピード、そのためのフィジカルです。
具体的に、前試合サイド起用の3選手数値を点検してみます。
サイド  選手   時間  走行距離/分 スプリント/45m
右サイド マセード 45分 105.3     6
左サイド 菅    90分 116.9     7
右交代  荒野   45分 120.0     4
スプリント力は、マセードと菅は同数値、荒野は極端に低下
運動量は、菅・荒野は3エリアをカバーする運動量はあるが、マセードは、45分でもかなり落ち、謂わば、2エリア分。
マセード・菅数値の実戦値でもう複数試合点検してみます。
前々21節(0-2横浜戦)
     マセード 90分 111.3     6.5
     菅    90分 120.0     15
20節(1-3C大阪戦)
     マセード 65分 100.9     6.2
     菅    90分 109.8     9.5
19節(2-0浦和戦)
     マセード 90分 110.8     6
     菅    90分 112.3     6
明確なのは、菅は毎試合安定したパフォーマンスですが、マセードは試合により上下し、その原因は、累積疲労でのフィジカルコンディションにありそうです。

走行スピードは、両選手ともに、俊足、プレースピードの速さは水準並みで、スピードで単独突破出来る能力はありません。

②守備能力
敵サイド突破防御=クロス阻止・侵入突破シュートとパス阻止
敵ボール奪取
パス交換防御=パス先限定・サイドへの追い込み のため、
重要能力は、
●相手プレー予測力と素早いポジショニング、リスク察知力
●粘り強い忍耐力と他選手との連携力、カバー力
●ボール奪取力(ボールチェックテクニック)、と意外にもヘッドワークがポイントです。
菅・マセードともに、ヘッドワークが経験値不足・連携値不足も重なって、低レベルで、度々裏を取られ、突破を許し、失点原因となっています。しかし、現在、適正守備力を持つ、サイド選手はコンサにはいませんね。早坂も、石井も全て、コンバートまではいかない、一時起用で、本格的に能力保有練習とはなっていない現状が続いています。
田中雄大だけが、その対象ですが、残念ながら、典型的なSB型選手で、SH・WGの能力は低レベルです。

③攻撃能力
サイド突破力=クロス・侵入突破シュートとパス
パス交換力
逆サイドでのチャンスメイクと得点力  ですが、
 菅は、FW・AMF特性を発揮し各内容高レベルのプレイとなっており、このポジションの攻撃適正を証明しつつあります。経験・自信の累積により、コンサにとっても、本人にとっても充実のハイレベルプレイヤーとなりつつあります。
特に、スピード突破は出来ませんが、密集の中でのプレーに慣れと自信を持ち、意表を突くプレイ、プレイの切れで勝負出来る能力が特筆です。
 マセードが、問題です。
ピンポイントクロスのキック力がストロングポイントですが、スピードで突破は出来ず、切り返しやフェイントのテクニック突破も無理、
そんなマセードが、優秀クロスキック力を発揮出来る局面は、
【スペース】プレイ=フリースペースでの、敵制御無しでのキック、です。
昨J2シーズンやシ今ーズン当初は、未だマークが甘く、そのフリーキック局面で、鋭いクロスは、コンサのストロングポイントとなっていましたが、現状、相手チームより、対策を立てられ、フリーキック局面が発生しません。
対応策は、マセードのポジションで補正できます。ただし、そのポジション取りの代償が、SH裏のスペースカバーで、2ボランチでは無理です。3ボランチ・アンカー型が必要となります。
ここも、サイド他起用選手;早坂・石井・田中・荒野がいますが、精度の高いピンポイントクロスのキッカーは、菅・マセード以外は、あのジュリーニョだけしかいませんね。 

両選手の起用は、以上の理由で、現在の保有選手の中では、最良の選択です。
ただし、起用上の注意点~取扱注意~に気を付けての起用です。

最後に、前試合の「実戦での選手最多プレーポジション」を図示しておきます。

         - 敵ゴール -
           ジェイ
        ヘイス         
          チャナティップ マセード
       福森  兵藤              センターライン
         菅        荒野  菊地
                    河合
                    ソンユン
         - 自ゴール -

菅のポジションの低さ、マセードの高さに注目です。
菅のポジションの低さが、運動量増加が必要だった理由で、
マセードの高さがスペースプレイを意識し、その代替で、裏スペースカバーに、荒野・菊地が引きずり出され、そこを甲府に狙われクロスを再三入れられた理由でした。
福森と菅のポジション逆転結果は、福森のボール奪取のための飛び出しとそのカバーの多さで、3ボランチ(1アンカー・2インサイドハーフ)を、最近Wボランチにしたために発生し、2試合連敗の真因です。
前試合システム・ポジションを、チャナティップ位置を一段下げ、荒野アンカー・兵藤とチャナティップの2インサイドハーフ・3ボランチにすれば、
システム全体より活性化し、守備補正・攻撃活性化となっていたものです。


post by yuukun0617

21:09

コメント(2)

この記事に対するコメント一覧

まさひろ

Re:~進化~  考察;マセードと菅

2017-08-15 22:25

菅の攻撃力は今年伸びていると思いますが、反面守備の軽さによってずいぶん負け試合を作っています。田中と違い守備に苦手意識が高いことと福森が上がった後のケアのため、最初のポジションが低すぎると思います。シーズン序盤、田中がケガで離脱する前は、結構戦えていました。リーグ戦の結果として残っています。 マセードは、相手に対策をされたというより、フリーな状況を作ってもっらえなくなったからだと思います。先日の甲府戦でもそうでしたが、左サイドからDF全員を経由してパスを出すので、マセードの前にスペースがなく、相手も2人ついています。攻撃の仕方を一番理解しているヘイスは、自分にボールが入ったら、マセードの前方のスペースにボールを出します。マセードの選択肢が沢山ある状況を作るので、相手DFも詰めきる前に仕事をされますし、近寄ったときにはマセードがスピードに乗っています。 マセードに限らず、サイドの選手の使い方の基本はスペースのあるうちにボールを渡すことだと思います。 サイドで、私のが思う最強は、ケガをする前の上原の左サイドでした。村田コーチと練習し、きき足の右からのシュート力、えぐったときの左足からのクロスの精度も高く、スプリントスピード、スタミナ、ジャンプ力どれをとっても優秀だったと思います。よくなかったのは、止まった状態からの足元のボールさばきでした。四方田監督に代わってからFWに戻したことに納得がいきませんでした。足元が上手ければFWからコンバートさせられるような身体能力ではありません。そういう面でも、四方田監督は一人一人の選手を見る目がないと思います。育成段階の監督としては、様々なポジションを経験させるということで可能性を広げるかもしれませんが、トップチームでは、連携が上がらず、チームとして熟成がなされないと思います。

くまもん

Re:~進化~  考察;マセードと菅

2017-08-17 01:18

まさひろさんのコメントに強く同意します。 上原選手の左サイドは最強だったと思います。私も左サイドのファーストチョイスは上原選手です。 上原選手の適性はFWではありません。 チームが熟成していないという点も全く同感です。 能力の高い選手を適正なポジションに配置し、組織を作り、チームとして機能させる。 良い守備から良い攻撃ではなく、良い攻撃ができるからおのずと良い守備ができるのです。

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