2016年10月19日
愛媛戦の試合スタッツが出て、あらためて確認。
試合展開が解るデータで、「時系列の支配率・シュート数・得点」推移です。
[全体]支配率 47.4% シュート数 21本 得点 2点
[15分]支配率 56.0% シュート数 4本
[30分]支配率 44.3% シュート数 5本 得点 1点
[45分]支配率 56.5% シュート数 6本
[60分]支配率 37.7% シュート数 1本
[75分]支配率 45.0% シュート数 1本 得点 1点
[90分]支配率 43.2% シュート数 4本
前半は、平均支配率52.2% シュート数15本(71%) に対して、
後半は、平均支配率41.9% シュート数 6本(29%) まで激減。
特に「60分」=後半開始~15分間に発生した「支配率30%台」時間帯は、最近試合中でも、時々発生しています。実は、コンサは、15分単位で、支配率が大きく上下する試合が殆どです。つまり、「攻勢時間帯」と「停滞・待機・休憩時間帯」を織り交ぜています。
そして、この試合では、中原63分、上原74分、菅81分投入で、やっと「支配率45%台」まで回復しましたが、最下限まで支配率・試合コントロールが低下し、その後、回復し切らない、72分・78分に連続失点となった過程が、符合します。すなわち、前試合「愛媛戦」の2失点は、「後半開始~15分+@」の【特定時間帯のみに集中する問題】であった事を証明しています。後半全般ではなく、この「20分」の問題という事ですね。
では、この20分に何が起きたか?ですが、
答えは、①愛媛が、システム変更により、攻勢とそのためのキープレイヤー投入
②1得点済みコンサは、後半開始の「慎重な入り」を、フィジカル維持のための「低支配率の停滞時間帯」と、勘違いしたかの様な展開としてしまった。・・緊張感の低下ですね。
③更に、慎重な「入り」=「強くタイトな守備を軸に」とすべき所、「敵システム変更」の把握と対処に、「対応・変化がパニック状態」となり、DF陣は一先ず、陣形を下げて守備陣
形構築、所が、攻撃陣は前半の高い位置のままを取り、『縦に緩い陣形を取り続けた』ものでした。
愛媛は自由自在なパス廻し・展開から、あっという間の「2失点」を食らい、選手投入≪=実は、愛媛変更システムへの対応戦術をチームへ伝達の目的も兼ねた交代≫で回復したもので、選手交代投入時期・タイミングの問題でした。
支配率の上下を回避するまでのフィジカルは、未だ持っていないコンサにとって、今後、継続練習でのフィジカル向上までは、発生する事態で、
大きな課題 【試合での『コンサ、フィジカル低下時間帯』戦術】です。
では、前置きが長くなりましたが、次戦「東京V」のチーム点検・確認です。
1.現況
順位18位 勝点38 9勝11分16敗 35得点 49失点 得失差-14
第1節、コンサに1-0で快勝した筈が、酷い低迷で、場合によっては、J3への降格の可能性「勝点5差」もある状態のシーズンでした。その要因は、低得点数19位と大失点数15位に尽きますが、そうなった原因です。
『名門・強豪チーム』も長いJ2リーグ在籍は、高能力選手の移籍と引退により、現在、「育成選手への世代交代期」で、大幅に戦力低下状態です。資金規模も、スポンサー縮小が大きく有力選手の獲得は困難。高木善朗・大輔の様な活きの良い育成選手も出現するも、今シーズンの「三竿」(引き抜かれた鹿島では埋もれてしまいましたが..)の様に、引き抜き多発し、中々、主力選手の定着になって来ません。当面、この状態の継続となる状況ですね。
ここ5試合、降格阻止のためにも、連勝必至の所ですが、〔 1勝2分2敗 〕で負け越し状態。
状況を現す特徴的なデータがあります。
試合起用選手数が、36試合で、全選手30人中、15試合以上起用18名、10試合以上では22名で73%、試合起用選手数では27名90%となり、試合起用選手数の多さがトップクラスで、ベンチSUBも含めると、ほぼチーム全員を起用したシーズン展開となっています。・・当然、起用選手の能力レベルは低下してしまいますね。〔選手層の薄さ〕の大課題。
2.戦術・システム
①システム
【4-2-3-1】・・【攻守万能型】最新・最強システムですが、個々の能力保有が前提。
【4-4-2】・・【攻守バランス型】
の2システムが主戦術。
戦績は、
①【4-2-3-1】17試合
5勝3分9敗 15得点 22失点
1試合勝点1.05同得点0.88 同失点1.29
〔対3バック〕3勝0分2敗 7得点 1試合勝点1.80同得点1.40
〔対4バック〕2勝3分7敗 8得点 1試合勝点0.75同得点0.66
②【4-4-2】15試合
3勝5分7敗 17得点 25失点
1試合勝点0.93同得点1.13 同失点1.66
〔対3バック〕0勝1分2敗 1得点 1試合勝点0.33同得点0.33
〔対4バック〕3勝4分5敗16得点 1試合勝点1.08同得点1.33
①の勝点獲得率は、②を大きく上回っています。
対3バック・4バックの戦績から、
【対3バックは、①『4-2-3-1』戦術、対4バックは、②『4-4-2』戦術】が、実績のある戦術となります。
これは、
対3バックは、システム(マッチアップポジション)で優位の【4-2-3-1】によるものです。すなわち、相手前線の「-3-1」対して、コンサ守備「(-4)-3」ですが、前線のスピードによる突破・進入により、(-4-)のMF・SHラインを突破されると、守備・DF陣形「-3」で、相手4人に対し数的不利となり、「両サイドDF横・SHの裏」の「スペースエリア」を突破されるシステム上での「マッチアップ」優位によるものです。
また、対4バックは、システム・マッチアップで、同数・一致となる【4-4-2】型が安定しているものです。
対コンサ戦は、【4-2-3-1】型ですね。・・サイド裏の防御と中盤~守備陣が薄くなり、鋭いスルーパス・サイドスペースアタックなどで、速攻が有効です。「サイドの攻防」と「速攻」勝負。
ポゼッションは、平均53%。①②の両戦術ともに、ショートパスの連続によるパス交換が主戦術となります。では、戦術想定通り、戦績が産まれているか・・・です。
〔支配率53%以上〕16試合
2勝4分10敗 シュート数258 1試合勝点0.62 同シュート16.1本
〔支配率53%未満〕20試合
7勝7分6敗 シュート数240 1試合勝点1.40同シュート12本
戦術想定とは逆に、支配率の低い方が、倍以上の戦績です。シュート数は減少しても、失点減少により試合内容は安定化し、5分以上の戦績です。「採用戦術と実績は連動していません」・・選手の「個」能力を軸とするシステム戦術で、支配率も「個」の勝負での勝利の「積み重ね」結果によるものとなるべきものですが、支配率を保持しても、「個」の有効プレーが無ければ、得点獲得・失点防御は困難との構図です。
得点・失点パターンを確認しておきます。
得点・・セットプレー昨年より拡大し40%・ショートパス17%。昨年からクロスが半減し11%。
失点・・失点原因が分散し拡大。守備弱体化。セットプレー24%・クロス20%・スルーパス14%・ドリブル12%・その他12%と5穴。
DF・守備陣とクロスの弱体化ですね。しかし、30m進入回数J2第4位で、高木善朗の突破・進入が要注意です。
3.選手
前述の通り、27選手を起用、特に、18選手を中心にメンバー構成ですが、①②の2システム戦術の選択で、使い分けとなっています。
①【4-2-3-1】では、前線に「スピード・突破力」型を起用し、ショートパス・ドリブル・走り込みでの攻撃。
②【4-4-2】では、サイド攻撃も加えたオプションで、サイド選手を起用です。
27選手起用の理由も、育成・成長もありますが、両戦術使い分けにより、起用選手変更となったものですね。
ただ、両戦術とも、中軸選手は、GK柴崎・鈴木の使い分け、DF井林、RSB安西・LSB安在、ボランチ中後ー攻守の要・ゲームプレイヤー、ROMF澤井・LOMF高木善朗、直近はCOMF二川、CFドゥグラスです。J2上位~下位クラス選手の構成ですね。
以上 東京V チーム点検・確認でした。
有難うございました。
プロフィール
中学高校サッカー経験〜DF。リーグ発足前からサポーター歴を始め、96年札幌居住で、監督・選手と近所付き合いから、コンサドーレサポーターに定着。札幌在住10年はホーム戦、その後、東京~さいたま市へ移住後はアウェーと、時々のホーム戦参戦。 本ブログは、戦略・戦術をテーマ。 より深く、より正しい理解とその上でのサポート実践を、全サポーターの皆様と共に追求するものです。
最新のエントリー
月別アーカイブ
コメント
検索